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9月2日 京都西高校戦(好機)

 グラウンドからは、今日もサッカー部の生徒たちが見えていた。聖徳高校サッカー部初の全国大会は、どうだったのだろうか?私は、みんなが動き回っている姿を見ているとあの日の熱戦のことを思い出した。


 ー8月31日ー


 京都西高校の猛攻を受けるのみで、なかなか攻めることができない聖徳高校。


 藤岡「あんだけ、パスするんだね。サッカーって」

 私 「ホントだね」

 藤岡「あっ、ようやくボール回ってきた」


 ボールを取っては取られをくり返していたが、ようやくこちらがボールをキープすることができた。ボールを持っているのは、辰巳くんだ。頑張れ。心の中の声が漏れそうだった。


 私 「よし、いい感じ」

 藤岡「だね」

 寺崎「いけー!!」


 精一杯、手をふる。持っていたメガホンから大きな音がなる。私は、寺崎に続くようにメガホンを叩いていた。


 私 「あれ、中沢くんだよね?」

 藤岡「そうだよ」


 ボールを持った辰巳は、中沢へとパスを渡す。中沢から工藤、唐沢へとパスが繋がれていく。よし、この調子だ。


 寺崎「サッカーって思ったほどゴール入らないんだね」


 まだ開始して10分ほどしか経ってないからこんなもんじゃないか?


 私 「もっと入ると思ってたの?」


 メガホンを叩くのをやめた。


 寺崎「なんて言うんだろうな。入らないのはわかるんだけど、真ん中でちょこちょこしてる感じがわからないんだよね」

 私 「あー、そういうことね」


 美桜の言いたいことはなんとなく理解できる気がする。


 藤岡「あっ、きたよ」

 私 「ホントだ」


 この試合、初めてのチャンスを迎える。サイドにボールをふった唐沢のパスを受けたのは宝来だった。決めなさいよ!宝来。高校1年生の時から、彼に対しては厳しめの評価だった。


 藤岡「いけー」

 私 「がんばれー」


 藤岡に看過されるように、私も大きな声を出していた。宝来は、左脚から豪快なシュートを放ったのだった。大きな歓声が上がったのも束の間、すぐにため息へと変わってしまう。ボールは、バーに直撃し跳ね返ってしまったのだ。そのボールは、京都西高校の選手が取り、再びボールを取らなければならなかった。


 藤岡「あー」

 寺崎「惜しかったなー」

 私 「ホントね」


 ゴールまであとわずかという感じだった。ここから、どうなるのか?まったく試合展開がよめなかった。

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