8月29日 沢田亮二
私の前にいた中沢くんと辰巳くんの話に参加していた。
私 「沢田くん病院行ったの?」
中沢「ああ。そうらしい」
気がつけば、沢田の話題になっていた。
私 「なんで?」
辰巳「脚が痛いらしくて」
やっぱり、あの時話したのは嘘じゃなかったんだ。
私 「そうなんだ。じゃあ、大会も出れないの?」
中沢「わかんないな」
全国大会行きを決めたサッカー部とは思えない表情だった。
辰巳「アイツは、出るって言いそうだけどな」
中沢「言いそうだね」
私 「次は、全国大会初戦だよね?」
一気に、二人の表情が引き締まったように感じる。
中沢「負けたくないためには、アイツが必要なんだ」
辰巳「そうだよな。戻ってこれたらいいけど」
私 「そっかぁ。心配だな」
サッカー部には頑張ってほしい。
中沢「だろ?」
私 「うん。なんともなければいいけど」
辰巳「これ、宝来に言ったらキレそうだな」
私 「そうなの?」
どういうことだろうか?まだ、宝来くんは知らないのか?
辰巳「あの二人は、因縁めいためのがあるからな」
中沢「根深そうだよな」
辰巳「ホントそれな」
私 「サッカー部もいろいろ大変なんだね」
沢田と宝来。いつも対立構造には出てくるけど、何があったのかはわからなかった。
中沢「そうだぞ。アイツいなかったら、キャプテンも変わるしな」
私 「えっ、そうなの?」
中沢「うん」
たしかに、沢田くんはサッカー部キャプテンだもんな。いないのであれば、誰かが代わりにしないとな。
私 「中沢くんとかがやるんじゃないの?」
中沢「俺はやらないよ」
私 「なんでしないのよ?」
中沢くんは、しないんだ。
辰巳「コイツより、唐沢がいるからな」
私 「だって副キャプテンでしょ?中沢くん」
負けじと私は聞いてみた。
中沢「唐沢も副キャプテンだからな」
私 「じゃあ、中沢くんも可能性はあるんじゃないの?」
よくわからない。
辰巳「コイツよりも、唐沢をキャプテン代理にしたいんだよ。沢田は」
私 「へぇー。そうなんだ。中沢くんのほうがキャプテンに向いてそうだけどな」
そうなんだ。唐沢くんの方がいいんだ。なんでなんだろう?
中沢「嫌われてるのかな?ハハハハ」
私たちのクラスには笑い声が響き渡った。




