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7月6日 一回戦

 今日は、放課後の部活動で、紅白戦が行われた。キャプテンの私は、1年生から3年生までの部員20人を半分にわけ、試合をはじめた。私は、コートの外から指示を出した。

 私たちの世代は、先輩がぬけてから、公式戦で一度も勝つことができていなかった。先輩たちがいた頃は、「歴代最強」と称されていた。特に、チームの司令塔である喜早遥、得点源の半分をしめる仲野真衣の二人がおり、攻撃型のチームで中部大会まで勝ち上がったのだ。

 私自身も、レギュラーで試合に出ており、たくさんの経験をつませてもらった。しかし、今年のチームは、司令塔の役割がおらず、上手く試合をすすめることができなかった。春の大会までは、シューティングガードとして活躍していた私が、監督の薦めで、司令塔であるポイントガードに変更したのだった。

 紅白戦を外から見るも、チームがうまくいっていないのがわかる。特に、3年生の宮下と大津だ。宮下は、体力がない。後半はもちろん、ひどい時であれば前半から崩れてしまうことがあるのだ。大津は、視野が狭く、パスが上手く通らない。監督としても、最後の3年生を使いたいという感情と、勝利の間にはさまれていた。

 今日の紅白戦を見ながら、私は、「このままでは、負ける」と危機感を募らせた。正直、今日の3年生のプレーより、球技大会の颯希や七海の方が輝いて見えた。


 ー1年前ー


 ついに、球技大会当日を迎えた。颯希、七海とバスケをするということもあり、いつもより緊張していた。部活動当日でも、こんなに緊張したことはなかった。

 昨日の抽選の結果、私たちは、一回戦で一年四組との試合に決まっていた。一年四組には、嶺井、田代、山本の三人がいた。

 試合時間は、15分間。コートに立てるのは、三人のみ。補欠と交代するのは、可能である。バスケ部のシュートは、5本までという特別ルールが加えられていた。

 試合開始まで、残り10分。私たちは、アップをすませ椅子に座っていた。


 颯希「真波、七海。頑張ろう」

 私 「そうだね」

 七海「とりあえず、ボール持ったら、ゴール前までつないでいこう」


 七海は、やる気で満ち溢れていた。

 

 試合開始の合図が鳴った。ボールを持った颯希は、私にパスを出し、七海とともにゴール前へ走っていく。私は、ドリブルをしながら、ボールを前へ進めていく。颯希にパスを出すフェイクを入れた後、七海にパスを出した。七海は、パスをもらってすぐにシュートを打った。綺麗なフォームから、ゴール奥のボードに当てず、直接ゴールに入った。

 得点が入ったにもかかわらず、私のマークは、徹底されていた。一年生のチームに、バスケ部はいなかったが、私にボールがわたらないようにする作戦をとっていた様に感じた。

 その後も、七海のシュートは、入り続けた。開始7分間で、私たちは、8点をとった。そのうち、7点が七海によるものだった。

 気づけば、体育館は大盛り上がりだった。二年四組の生徒も、応援にかけつけてくれて大きな声援をおくってくれていた。女の子では、室屋、園田、外崎。男の子では、橋本、須田がみえた。

 周りを見渡せるほど、私には余裕があった。必死にボールを追いかけてくる一年生には、申し訳なかったが、私たち三人と一年生三人では、力の差がありすぎた。

 その後も、七海と颯希が2点ずつ決め、12対2のスコアで勝利した。私は、この試合でシュートを1本も打つことがなかった。それでも勝利することができたので、優勝もできるのではっと思っていた。

 

 私 「お疲れ」

 颯希「やっぱり、シュート決まると嬉しいね」

 七海「颯希、もっと決めてよ」

 颯希「いやいや、バスケしたことないからね」


 私たちは、圧勝したことも有って雰囲気はとても良かった。颯希と七海と話していると、クラスメイトの、室屋、岩田、外崎がかけつけてくれた。


 室屋「圧勝やったね」

 颯希「まぁ、前半に得点入ったから落ち着けたよ」

 岩田「颯希のこと、めっちゃ可愛いって、男子言ってたよ」

 颯希「わぁー。嬉しい。七海、私可愛いってー」

 七海「うるさい。そういうの、得点決めてから言って」

 颯希「私、5点も決めたもん」

 七海「もっと決めれたやろ」


 颯希と七海は、いつものように言い合いをしていた。


 室屋「高田さんも、可愛い言われてたよ」

 私 「えっ?」

 室屋「いや、男子が言ってたよっていう話」

 私 「そうなんや」

 室屋「あんまり、元気ないの?」

 私 「いや、そういうわけじゃないけど」

 室屋「ならよかった。優勝できそう?」

 私 「どうやろ?他のクラス見てないからわからないけど。あの二人いたら、なんか勝てそうな気はするよね」

 室屋「確かに。真波」

 

 私は、タオルを取りに行くために、更衣室に戻った。すると、七海がスマホを見ていた。

 

 私 「おつかれ」

 七海「あっ、うん」

 私 「‥‥」

 七海「どうしたの?」


 少し、疲れた様子で七海に話しかけきた。


 私 「タオル取りにきたの」

 七海「そうなんや」

 私 「うん」

 七海「二回戦の相手どこか知ってる?」

 私 「一年五組らしいよ」

 七海「そうなんや。一年五組って強いの?」

 私 「うーん?わからへんかな」

 七海「そっかぁ。」

 私 「結構やる気なってるね」


 いつも冷静な七海が、暑くなっていた。


 七海「やるからには、負けたくないからね」

 私 「まぁねぇ」

 七海「颯希は、何してるの?」

 私 「颯希、なんか男の子とかと話してたよ」

 七海「誰、誰?」

 私 「気になってるね」


 颯希に興味関心の七海だった。


 七海「うん。颯希って、どういう人好きか興味あるもん」

 私 「颯希って、誰かと付き合ってるって聞いたけど知ってる?」

 七海「うん。他の学校の子やんな?」

 私 「そうなんだ。私、全然しらない」

 七海「私も知らんねんけど、侑亜が言ってた」


 てっきり、七海は、颯希のことをいろいろ知っているものだった。


 私 「侑亜って、小西さん?」

 七海「そうそう」

 私 「小西さんって大森中?」

 七海「うん。中学時代仲良かったらしいよ」

 私 「そうなんだ。颯希の彼氏は、どこの高校なの?」

 七海「私が聞いたのは、東御ヶ丘高校らしいよ」

 私 「私立なんだ」

 七海「かなり頭いいらしいよ」

 私 「そうなんだ。七海は、喋ったことないの?」

 七海「ないね。見たこともないし」

 私 「そっか。一回、見てみたいね」

 七海「うん。颯希がどんな人に興味あるか気になるわ」

 

 私は、七海と話し合えた後、再び体育館に戻っていった。

 

 

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