8月26日 目立つ
私と寺崎は、放課後体育館裏で話をしていた。まだ、女子バスケ部のみんなは練習を開始していないみたいだった。キャプテンの町田は、何をしているのだろうか?私は、キョロキョロしている。それを遮るかのように話してきた。
寺崎「次、どうする?」
私 「どうしようか」
私たちは、困っていた。
寺崎「やっぱり、真波にしたら?」
私 「うーん。それでいいんだったら」
決めきれないでいた。
寺崎「いいでしょ、別に」
私 「わかった。じゃあ、私が走るよ」
寺崎「それがいいよ」
私は、リレーのメンバーになることにした。
私 「おっけー」
寺崎「先生に言っとくよ」
私 「わかった」
クラス委員長である寺崎は、いつも生徒と先生の仲介役だった。
寺崎「なんで、走りたくなかったの?」
私 「走りたくなかったわけじゃないけど」
走りたくないわけではない。
寺崎「なんで?」
私 「なんか、私ばかり目立つかなーってね」
私が目立つとまた、みんなからいらぬ批判を受ける。ただでさえ、目立つ高校生活。これ以上、目立ちたくない。
寺崎「それは、そうだね」
私 「でしょ?」
すぐさま返した。
寺崎「でも、真波は何しても目立つから」
私 「そんなことないけど」
目立ちたくない。
寺崎「いやいや、そんなことあるよ」
私 「このクラスもいろいろあるしね」
言いたいことを上手く言えなかった。
寺崎「新谷とかのこと?」
私 「うーん、、、、、、。新谷は、いいけど一つになりきれないのよね」
正直、新谷の話をしたくない。彼女周りの女の子もあまり得意ではなかった。蒼井、山川、那奈、みんな深く話したことはない。
寺崎「それは、わかるかも」
私 「やっぱり、昨年が凄かったから。そこと比べるとね」
昨年は、やっぱり私にとって重要な一年だった。
寺崎「昨年と比べたらダメでしょ」
私 「だよね」
昨年のメンバーは、凄かった。過去イチと言っても言い過ぎではない。七海、颯希はもちろんのこと。美桜に室屋に宮城に諏訪に。相当、メンバーが揃っていた。あのメンバー見てたら、今のメンバーは大したことはない。早く、室屋に会いたいな。室屋は、高2の終わりに引っ越して、東京に行ったのだ。それから、私は連絡をしていない。彼女が向こうで何をしているのかはわからないけど。




