8月25日 始業式
夏休みが終わり、学校が再開していた。久しぶりの学校だった。長い間静寂だった教室には、私たち生徒たちの活気に満ち溢れていた。暑かったせいか、男子たちが窓を開けていた。窓からは、心地よい風が私たちの席近くにまで届いていた。夏休みは短かったようで、長かった。今年の夏は、本当にいろいろあった。でも、いつの間にか学校が恋しくなっていたのかもしれない。教室に入ってくやいなや、すぐに友達との再会をとても楽しんでいるみたいだった。健太郎や沢田たぢは、夏休みの出来事を嬉しそうに話をしていた。
黒板には、新しい時間割が記されているみたいだった。今日は、始業式ということもあり、授業自体は明日からみたいだ。一時間目に体育館に行き、校長先生の話を聞かないといけない。あの時間は長いし、あまり好きじゃないな。体育館に集まると、他のクラスや学年もいるし、余計ちゃんとしないといけない。こういう時、"BIG3"っていう肩書きはやっぱりめんどくさいな。私と同じように颯希や七海も思っているのだろうか?
寺崎「おはよう!」
私 「久しぶりだね」
前髪を整えた美桜は、今日も可愛かった。
寺崎「大会お疲れ様」
私 「ありがとう」
寺崎「見てたよ」
私 「ホントー?」
驚きで少し止まってしまっていた。
寺崎「うん。私、会場いたのよ」
私 「えー。全然知らなかった。ごめんね」
寺崎「いいよ、そんなの」
あの江陵高校との試合を見てくれていたみたいだ。江陵高校の試合は、7月27日だから、だいぶ前のことだ。あの日のことがとても懐かしく感じる。試合は、28点リードされ、圧倒的大差で負けると思っていたが。それでも、後半怒涛の巻き返しを見せ、最終的に1点差までくることができた。しかし、最後は、江陵校の実力差を見せつけられた。得点をとっても、とられてしまう。これが、今の私たちの実力なんだと感じてしまった。
私 「私もあんまり余裕なくてさ」
寺崎「そりゃあ、そうだよ。真剣にやってたら」
でも、普段だったら気づくのにな。気づかない自分が不思議だった。
私 「もうちょっと余裕あればなぁ」
寺崎「喜早先輩来てたね」
私 「そうなの。来てたんだよ」
喜早先輩を美桜はわかっていたんだ。
寺崎「ビックリした?」
私 「うん。まさか来ると思ってなかったから」
近くに美桜もいたのかな?私はよくわからないでいた。




