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8月12日 安静

 昨日から、千葉に来ていたけど私の体調は、イマイチ回復していなかった。今回、千葉に来たのは、おばあちゃんとおじいちゃんに会いに来たというのもあるけど、それだけではなかった。私が来た一番の理由は、高良有美だった。

 彼女は、私のいとこ。お母さんの妹の子どもだった。昔から、ずっと遊んでいた記憶がある。今は、東京の学校に通っているらしい。彼女は、高校3年生で同じ年齢ということもあり、休みになるといつもこうして会っていた。しかし、私がバスケ部に入った中学校からは、2年に1回くらいのペースでしか会ってなかった。

 彼女と会うのは、もう高校1年生以来だ。彼女は、サッカー部。男子に混じって中学校の時からずっとしていたみたいだ。高校は、女子サッカー部があるところを選び、今年は全国大会にも出場することを聞いていた。成績も優秀らしく、推薦でも受験でとどちらでも大学に受かる予定らしい。

 私は、彼女の面倒見のいいところが好きだった。彼女には、弟と妹がいて、いつも面倒を見る始末だった。しかし、怒ったところは一度も見たことがないし、二人が泣いていたらいつも助けてあげていた。今回は、二人は部活動で来れなかったらしいから、中学校以来だ。

 昨日、着いてすぐに、布団で寝かしてもらうことにした。一日中寝ていたこともあり、今は、ほとんどしんどさはなくなっていた。それでも、無理をするからといって、今日までは安静にするように告げられていた。そんな私を見かねた有美が私のところへやって来てくれたのだった。手には、お水とおにぎりが入ったオボンがあったのだ。


 高良「体調、大丈夫?」

 私 「ありがとう」


 私の寝ている近くで、体育座りをしながら話してくれた。


 高良「元気だったら、遊園地行こうと思っていたのに」

 私 「えー、行きたいな」


 少し気分が高鳴った。


 高良「じゃあ、早く治して」

 私 「はーい」


 布団をかけ直してくれた。


 高良「受験勉強どうなの?」

 私 「全然」


 この言葉の意味を履き間違えているみたいだった。


 高良「余裕だね。さすがだ」

 私 「何言ってんのよ。違うよ」


 少し声が大きくなってしまった。


 高良「どう言うこと?」

 私 「ここだけの話だけど、大学行くのやめようと思ってるの」


 思い切って、大学進学について話をした。


 高良「そうなんだ」


 思ったよりも驚きは少なかった。

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