8月5日 片付け
階段から降りてきた私は、お母さんを探した。何をしているんだろうか?もうすぐお盆に入ろうとしている私は、これからの予定を立てようとしていた。
私 「お母さん!」
お母さん「何?」
一瞬、どこにいるのかわからなかった。すると、おしいれの中から出てきたのだった。
私 「新しいタブレットって買える?」
お母さん「壊れたの?」
手を拭きながら、私の方を見ていた。
私 「うん。何回かやってるんだけど、全然、スイッチがつかなくて」
さっきから30分ほど触っているが、全くダメだった。
お母さん「持ってきなさいよ」
私 「わかった」
すぐ、自分が歩いてきた道を戻り返した。私は、2階の奥にある自分の部屋からタブレットを取って戻ってきた。
私 「これだよ」
お母さんの周りには、大量の段ボールが置かれていた。
私 「何してるの?」
お母さん「片付けよ」
なんで、この時間帯に片付けなのだろうか?
私 「大変そうね。手伝おうか?」
お母さん「いいわよ。真波は、勉強でもしたら?」
そうだ。お母さんは、まだ、私が大学に行くと思っている。別に行かないと決めたわけじゃないけど、あんまり進んでという感じはなかった。
私 「そうね。じゃあ、図書館でも行ってくるわ」
お母さんの期待を裏切りたくはなかった。いつかは、言わないといけない。
お母さん「お昼どうする?」
私 「うーん。忙しそうだし、いいよ」
一生懸命掃除しているお母さんに悪かった。
お母さん「ちゃんと食べた方がいいわ」
私 「大丈夫だよ」
お母さんは、いつも私のことを一番に考えてくれた。でも、それが重く感じる時もあった。
お母さん「ダメよ。ちゃんと食べなさい」
私 「うーん」
あんまり、納得いかない私だったけど、お母さんは気にしていないみたいだった。
お母さん「ちょっと待ってなさい。今から作るわ」
おしいれにいたお母さんは、キッチンに向かって何かを作るみたいだった。
私 「何、作るの?」
お母さん「早く作れるものだから、オムライスとかチャーハンとかはどう?」
久しぶりのオムライスだった。
私 「全然、それでいいよ」
お母さん「わかったわ。今から作るわ」
冷蔵庫を開け、卵を取り出した。




