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8月4日 30秒

 久しぶりに見たバスケ雑誌。あんなにやっていたバスケも今となっては懐かしい感じがしたのだった。バスケ雑誌には、県代表の柳川、山根、野村たちが紹介されていた。


 ー7月27日ー


 優雅にシュートを決める野村は、冷静だった。柳川とハイタッチをした。得点差は、6点。残り、6分となっていた。向こうが切り札を切ってきたんだ。こっちも、うかうかしてられない。私も最後の切り札を使うことにした。

 ハーフタイムの時間に、柚月先輩と話していた時間に気づいた。この作戦ならというのが頭に浮かんだ。その1つ目が、マークを遠ざけること。2つ目が今から使う作戦。それは、位置取り作戦だ。

 いくよ!!!私の声かけとともに、聖徳高校の選手は、自身のゾーンに散らばった。大野は、前方左。高津ら、前方右。それぞれ、ラインギリギリにたってもらった。そして、宮下は、左側のスリーポイントライン。大山には、右側のスリーポイントラインに。江陵高校の選手は、驚いた様子だ。

 想定通り、江陵高校の選手たちは、それぞれの選手の近くに寄っていく。そうなると、私のラインがガラ空きになる。しかし、パスを出せる人もいない。しかし、パスを出さなくても私は、自分で投げて自分でボールを捕ることを想定していたからだ。

 あっけにとられたように、私は自分についていた選手のマークを遠ざけ、ゴール一直線に進んだ。山根は、慌てて、私の方に向かったがそれも交わしシュートをきめたのだ。今度は、江陵高校ボール。私たちは、ラインを下げて守る。チャンスは、そんなにない。でも、少しでも。私は、最後の力をふりしぼり、走り出した。

 パスを受けようとした山根のボールを大野がカットした。真波!!。大野から聞こえる大きな声とともに走り出した。ちょうど走り出したところにボールが来て捕ったものの、目の前には、柳川がいた。

 ドリブルをしながら、周りを見つめる。しかし、パスコースは、塞がれている。何よ、これ。全く行けないじゃない。右に左に体を入れたり引いたりするが、柳川は、ずっとついてくる。さすが、県一のプレーヤーだ。"真波!!30秒なるよ!!"

 バスケには、30秒ルールというのがある。これは、30秒以内にシュートを打たなければならないというシンプルなもの。私は、打開策を見つけようと必死に動く。動いても動いてもマークが外れることはない。すると、30秒の合図が鳴り響いた。

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