8月2日 流れ
まだまだ、夏休みは始まったばかりだ。今日も夏休みの宿題と受験勉強を繰り返していた。受験勉強では、これまでの全国模試を解き続けていた。一度解いていることもあり、大まかに解くことはできている気がした。
ー7月28日ー
ボールは、私たちの思い通りにつながっていく。後半に入ってから、パスカットは一つもない。一方、私たちは三度ほどパスカットに成功していた。向こうの思い通りのバスケができていないだけに私たちの流れになっていた。
後半から山瀬に代わりに、大山がコートにたった。大山はいつも以上に必死にボールを追う。それに触発されるように宮下もプレーしていた?普段なら、消極的なプレーが目立つ宮下だったが、後半からのプレーは何か違うように感じた。少しずつ、コートでの振る舞いも落ち着いてきたんじゃないか。
ずっと感じていた。私と私以外の差。もしかしたら、これは意識とか技術とかそういうものではないのかもしれない。
単純に経験が少ない。宮下のプレーを見て感じた。ただ、それだけなのかもしれない。私や大野が下級生の頃から、ずっと試合に出ていて、彼女たちは悔しい思いをしていた可能性もあるのだろうか?
ボールは、綺麗な回転でゴールネットを揺らしていた。よっしゃー!!!大野や高津がガッツポーズをしている姿が見えた。柚月先輩が見ていた景色は、こんな感じだったんだろうか?何度やってもボールがネットから外れることはなかった。
得点差は、みるみる縮まっていく。江陵高校の柳川も焦っていた。しかし、私たちは止まらない。大野からのパスで、この日5本目のスリーポイントシュートが決まった。大野と拳を突き合わせて喜んだ。体育館は、大歓声でどっちが勝っているのか全くわからない状況になっていた。
点を取るたびに私へのマークが厳しくなる。しかし、マークが厳しくなればなるほど、ボールを持つ方に回るようにした。なので、実質、私にマークがついても意味がない状態だった。私が攻めてる時、ボールをもつとマークがつく。そして、パスを出すと相手は思っているが、そうではない。マークがつけばつくほど私は、ドリブルで突破していくのだ。
以前は負けた柳川との1on1も、今なら勝てる自信があった。たしかに、柳川はスゴイ。でも、私の近くには、もっとスゴイ人がいる。いつか、私はその人を抜くんだ。そういう想いでこの3年間やってきた。その想いに応えるかのようにシュートが決まったのだ。




