7月26日 夏休み
いよいよ、待ちに待った夏休みに入った。と言っても、私は、バスケの練習をしているのだが。明日は、柳川率いる江陵高校との一戦が待ち構えていた。大野が戻ってきて、さらに私たちのチームも一丸となっていた。おそらく、監督は大野を使うだろう。でも、大野の体調は、決して万全ではなかった。
私たちは、シュート練習をしていた。これは、10本決まった人から上がっていくのだった。今日、シュート練習をしていたのは、私たちのゴールには、レギュラー組の大野、高津、宮下、大山、中野、山瀬が行っていた。序盤から、私のシュートは、入っていく。5本連続でシュートが決まった。同じく5本入っているのは、誰もいなかった。私は、結果でみんなについてきてもらう必要があるから、入って当然だった。
一方、調子が戻ってこない大野はまだ、2本しか入っていなかった。今、ゴールからボールが落ちてきたのは、山瀬のシュートだった。大野がスタメンになることによって、誰かが蹴落とされる。それは、誰になるだろうか?
ここまで、西農業高校戦、中西島高校戦、同じメンバーで試合をしてきたこともあり、誰が外れるのかは気になる。西農業高校戦は、58対18。中西島高校戦は、67対24だった。二試合の得点は、125点、失点は、42点。攻撃陣も守備陣もどちらも悪くない出来だった。それだけに、ここで大野を入れると、これまでの流れが悪くなるんじゃないかと勝手に思ってしまう。
大野が入るのであれば、外れるのは、山瀬か中野のどちらか。まだ、宮下や大山もスタメン起用されていないだけに、変えるなら何人か同時に変えた方がいいんじゃないか?私は、1本もミスすることなく、8本目のシュートが決まった。大野は、5本目から連続でシュートが決まる。ようやく、調子が戻ってきただろうか。それに触発されるかのように、3年の宮下や大山のシュートも入っていく。私は、9本目のシュートを決めると、タオルを取りに行った。
ああ、暑い。汗でから髪の毛もかなり湿っていた。早く帰って、シャワーを浴びたい。顔周りについていた汗をとり、再びシュート練習に戻った。負けたら、明日が最後になる。だからこそ、後悔したくない。
自分がチームを引っ張っていかないといけない。その想いは常にあった。私は、堂々と10本目のシュートを決めて、シュート練習から抜けた。明日も自分が引っ張って試合に勝ちたい。それだけだ。




