7月24日 柳川那美
今日から、大野が練習復帰を果たした。でも、思ったようには動けていない。相当、痛むのだろう。彼女は、必死に絶えていたが、外からでも、彼女が痛みに耐えているのはわかった。あと、2週間ほどあれば、本調子に戻るのだろうだけど。明日には、到底難しい。
昨日の試合で、3回戦の相手は、江陵高校に決まった。昨日から、二つの攻撃パターンを防ぐ方法を考えているが全く思いつかない。普段、私たちがしているゾーンディフェンスは通用しないだろう。そうなってくると、マンツーマンになるのか?でも、そうしたら、柳川那美が一人でかいくぐるだろう。私が柳川についた時、総合力で上の江陵高校にパスを回され負ける気がする。私と大野は、頭を悩ませていた。
私 「脚は、大丈夫?」
大野「うーん。なんとかね」
大野の顔を見ると、どこか不安そうで心配になった。
私 「よかった」
大野「江陵戦は、出るよ」
彼女が試合に出るなんて、全く想像していない。
私 「えっ、、。怪我は?」
大野「大丈夫だよ」
私 「絶対、嘘だよ」
ずっと、一緒にやってきたら彼女が本調子じゃないことは、今日の練習を見てわかっていた。
大野「負けたら、終わりだからね」
私 「そうだけどさ、、、」
この先の言葉が見つからない。
大野「私、真波が柳川に勝つの見たいんだよね」
私 「どういうこと?」
宮下と大山のシュートを見ながら質問をした。
大野「真波って、中学校の時、柳川に負けたんでしょ?」
私 「それ、誰情報よ?」
たしかに、中学校の時に彼女とは、1度、1on1をしたことがある。10点先取で、10対3で負けた苦い思い出があった。
大野「内緒」
私 「まぁ、負けてはないけどね」
嘘で偽った。
大野「そうなんだ」
私 「うん。でも、柳川はめちゃくちゃ上手かったよ」
大野「何が上手いの?」
私 「やっぱり、スリーかな」
彼女は、どんな体勢からでも、シュートを放つことができる。
大野「真波が言うなんて、よっぽどじゃない」
私 「そうでもないよ」
大野「勝って証明するよ。真波が県内一の選手だって」
私 「フフフ。ありがとう」
大野は、いつも支えてくれた。彼女なしで、この3年間はなかったといっても過言ではない。だからこそ、恩返しがしたいし、このままで終わりたくない。




