表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/80

7月23日 中西島高校戦

 今日は、シュートが入る気しかしなかった。序盤から、私の3連続スリーポイントシュートで点差を大きく引き離す。私に続くかのように、高津と宮下もシュートを決める。中西島高校の攻撃も、山瀬と中野を中心に防いでいく。開始3分、中西島高校のシュートを山瀬がブロックしたことで一気に流れが傾いたのだった。

 大きな笛の音が鳴った。2回戦は、67対24というスコアで勝利した。私は、みんなとハイタッチをしながら、挨拶をしてベンチへと戻ってきた。今日の出来は、そこそこといったところだろう。このまま上手くいくとは思っていないが、みんな頑張ったのだろう。いつにも増して、笑顔の選手が多かった。

 ベンチでタオルや飲み物を片付けをしていると、次の試合の両校の選手が入っていた。私は、急いで片付けるように促した。あれは、耀南高校と江陵高校だ。おそらく、勝った方と私たちは、次の3回戦の試合になる。ベンチも片付いたため、監督から体育館の上から試合を見ることが告げられた。

 耀南高校は、毎年ベスト4に入る名門校。今年は、怪我から復帰した藤沢志帆という県内屈指のポイントガードの選手がいる。彼女とは、中学校選抜の時に一緒にプレーしたことがあった。冷静沈着であまり私たちと話すことはなかった。

 一方の江陵高校は、全国大会の常連チームだ。こちらにも、柳川那美という選手がいた。彼女とも、中学校選抜の時に一緒だった。彼女は、シューティングガード。私と同じスリーポイントシュートを得意としており、外から柳川、中から山根という二つの得点の仕方で相手を倒してきた。柳川は、明るい性格で、お互い連絡先も知っている関係でもあった。

 ベンチから退き、私たちは、体育館の上から試合を眺めていた。ただ、監督、大山、私を除く他の選手たちは、ワチャワチャ騒いでいたのだった。そんな彼女たちを羨ましく思うと同時に虚しくもなっていた。彼女たちに向上心というものはないのだろうか?

 試合は、開始早々、江陵高校が攻め続ける。外から柳川がスリーポイントを放ち、中からは山根がシュートを放つ。前半5分で15対3と差をつけていた。耀南高校の藤沢もシュートを放ちゴールを決めるが、それ以上に江陵高校のシュートが決まる。二つの攻撃パターンがあるというのは本当にやっかいなことだと痛感した。結局、江陵高校のワンサイドゲームとなり、80対22で試合が終了した。私は、江陵高校の強さに圧倒されていたが、他の選手たちは、あっけらかんとしていたのが唯一の救いだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ