7月22日 昼休憩
青空を見つめながら、ベンチに座っていた。いつもなら、クラスにいることが多かったが、今日はみんなと一緒にいたくない気分だった。しかし、屋上にいったら、颯希に見つかってしまっていた。そのため、一緒に教室に戻ってきていた。
颯希「真波ー!!」
私 「なに?」
颯希は、私の近くで大きな声を出してきた。
颯希「数学の教科書貸してよ」
私 「えっ、数学の教科書持ってないよー」
颯希「うそー、今日数学ないの?」
私 「うん、あそこ見てよ」
私は、黒板に書かれている時間割を指差した。今日は、国語や英語など文系科目がある日だった。
颯希「もう、最悪」
私 「颯希が忘れるなんて、めずらしいね」
颯希は、天然な性格に見られがちだが、要所要所で、計算して動くから大きなミスはしない子だった。
颯希「いや、めずらしくないよ。ほとんど置き勉してるだけだから」
私 「ハハハ」
颯希には、いつも笑わしてくれる。
颯希「今日は、一人?」
私 「うーん。なんとなくね。いつもは、美桜とか友紀とかといることは多いけど」
いつもは、美桜や友紀たちとグランド近くのベンチで食べていた。
颯希「そうなんだ」
私 「颯希は?」
颯希「私?私は、最近一人でいることが多いよ」
颯希がいる3組は、ヤンチャな子が多いイメージだ。
私 「3組って、どうなの?」
颯希「みんな楽しくやってるよ。まぁ、私は自由にやってるだけだけど」
私 「そっかぁ」
たしかに、颯希は特定の誰かと一緒にいるイメージはない。私たちと一緒だった2年の時も、ずっと一緒だったわけではない。
颯希「この前とかも授業聞かずに、ずっと違う勉強してたしね」
私 「バレないの?」
颯希「いや、バレてるんじゃないの?ハハハ」
颯希を注意する先生は、いないだろう。私たちは、BIG3なんて言われてるけど、颯希は、私や七海のはるか上をいく存在だ。彼女は、とにかく、目立つ。よくいうオーラがあるというやつだろう。彼女と対等にいれるのは、おそらくこの学校にはいないと私は思っていた。
私 「受験勉強どう?」
颯希「うーん。ボチボチかな。真波は?」
私 「今は、バスケでいっぱいかな」
颯希「この前、勝ったんだよね?」
颯希は、私たちが勝ったことを既に知っていた。
私 「そうなの。明日二回戦だよ」
颯希「へぇー、見てみたいな。真波が本気でバスケしてるの」
私 「そうね。いつか見に来てよ」
久しぶりに颯希と話しているととても楽しい気分になった。




