表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/80

7月20日 負けず嫌い

 昨日の試合から、一夜が明けた。今日は、練習はなく、明日から練習が再開がされる。しかし、私は、いつの間にか体育館に向かっていた。体育館に着くと、誰かがいることに気がついた。あの後ろ姿は、七海しかいない。私は、後ろから声をかけた。七海は、ふりかえり私の顔を見た。


 七海「調子は、どう?」


 ボールを、私の方にワンバウンドさせて、投げてきた。私は、ボールを受け取るなり、シュートを放った。


 私 「うーん。どうだろうね?」

 七海「あんまり、自信ないんだね」


 少し、がっかりした表情で答えた。


 私 「私は、颯希とは違うからね」

 七海「ふーん。そっかぁ。私は、評価してるんだけどなぁ」


 七海がよく言ってくれるセリフだ。


 私 「それは、前も聞いたよ」

 七海「もっと、自信もちなよ」


 いつも自信があって、堂々としているのが七海だ。


 私 「何の自信?」

 七海「全てだよ」

 私 「例えば?」

 七海「うーん。勉強も部活も友だちも」

 私 「七海からみたら、私ってそういう風に見えてるの?」


 自分を客観的に見ることは不得意だ。


 七海「私以外もそう見えてるんじゃない?」

 私 「そうなのかな?」

 七海「でも、私一つだけ真波に勝ってるところあるんだよね」


 考えるが、負けてるところしかない。


 私 「どこどこ?」

 七海「逆にどこだと思ってる?」


 そうやって、私に考えさせて答えさせようとする七海は、やっぱり賢いなと思った。


 私 「質問を質問で返さないでよー」

 七海「いいの。考えてよ」

 私 「結構負けてると思うけどね」


 考えるが、やはり思いつかない。


 七海「どこだと思う?」

 私 「やっぱり、負けず嫌いなところじゃない?」

 七海「えっ、私が?」

 

 私は、首を縦に振る。


 七海「どこがよ。真波の方が負けず嫌いでしょ」

 私 「負けず嫌いなのは認めるけど、七海には勝てないよ」


 たしかに、私も颯希も負けず嫌いだ。でも、七海の負けず嫌いさは、私たちと比べものにならない。


 七海「なによ、それ」

 私 「七海はどこだと思うの?」

 

 七海は、頭を指差した。


 私 「えっ、どういうこと?」

 七海「私は、真波よりは苦しんだっていう自負があるから」


 七海が何を言いたいのかよくわからなかった。七海は、尊敬するが、颯希と同じくらいよく理解できないでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ