7月19日 西農業高校戦
今日は、長野県予選第1回戦だ。いよいよ始まる私たちの初戦が。先発出場となった宮下は、ドリブルの練習をしながら準備をしていた。
〈聖徳高校〉 〈西農業高校〉
高田真波 林奈緒美
高津沙織 佐川風
宮下真琴 富山沙穂
山瀬瑞稀 入山安奈
中野未和 土居麻央
試合が始まって早々、仕掛けたのは西農業高校だ。仕掛けたのは、西農業高校のキャプテン林だ。ドリブルで攻めていたが、佐川にパスを出す。私は、佐川の姿が確認できていてもパスを出してしまう林に驚いた。佐川の近くにいた高津だったがパスカットできない。
西農業高校に、先制ゴールを奪われてしまった。しかし、私たちも反撃をしかける。山瀬から宮下。宮下から高津に。だが、西農業高校の林にボールをカットする。林から富山にパスを受け取り、入山、土居とパスを繋がっていく。土居から再びボールを受け取った林がレイアップシュートを決めた。
しかし、この林のシュートを機に高津と宮下からにスイッチが入ったようだ。高津は、大きな声を出し、ドリブルで前を目指す。西農業高校の入山や土居が近づくがボールが取れない。先程まであった、パスカットをさせないように林はゴール近くまでいく。そのまま、高津はレイアップシュートを決めた。大きな声援がベンチから飛ぶ。私も少しずつ、このコートにも慣れてきたようだ。
さっきまでパスカットで私たちからボールを奪えたが、少しずつ西農業高校の選手は、奪い返すことができなくなってきた。私は、高津に負けじとシュートを連続で打っていく。私の動きは見えているが誰も反応ができない。ゾーンに入っている感覚だ。
後ろを振り返れば、西農業高校と得点が大きく離れていくことにようやく気がついた。高津も宮下も負けじと、次々とシュートを放っていく。もう、完全に聖徳高校のペースになっていた。西農業高校選手も、このペースを変えようとしているが、私はそれを利用して相手のミスを誘っていく。私の3ポイントシュートで完全に試合が決まった。
58対18。高津と宮下の活躍もあり、初戦を突破することができた。試合が終わると、宮下とハイタッチをしながら喜んだ。大野の怪我を感じさせないくらい宮下の働きぶりだった。宮下は、今日シュートで放つことがなかった。あんだけ上手いなら、、、。なぜ、宮下がこれまで頑張らなかったのかますます気になってしまっていた。




