7月18日 背番号
私は、朝から大野とケガの状態について話しをしていた。幸いにも、膝の打撲ということで、一週間ほど休んでいれば、その後の試合に出場できることを言われたらしい。
一方で、大野の代わりは決まっていなかった。セオリーで言えば、山瀬や中野のポジション替え、柏木や須黒の起用。あるいは、サプライズで1年生の楠原の起用もあるか。しかし、昨日の今日ということで、他のポジションの練習は、ほとんどできていない状態だった。
だが、明日から、女子バスケ部の大会が始まるため、私たちに時間はなかった。オフェンスの大野を欠く中、誰がレギュラーになるだろうか?
今日は、そのレギュラー問題となる、大会のベンチメンバーとスターティングメンバーが発表される日だった。監督は、私たちの方を見ながら、声を張り上げた。
監督「では、明日から始まる大会のメンバーを発表する。選ばれた者も選ばれなかった者も、試合が終わるまで、一生懸命やってほしい。では、発表する‥‥」
監督は、背番号がついたユニフォームをもち、名前を読みあげていった。
〈聖徳高校女子バスケットボール部メンバー〉
4 高田真波
5 大野友紀
6 高津沙織
7 宮下真琴
8 大山百合
9 山瀬瑞稀
10 中野未和
11 村上佳乃
12 柏木恵
13 須黒菜緒
14 星野洋子
15 山木友梨奈
16 村上麻衣子
17 真中加奈
18 楠原日々稀
3年生、2年生は、全員メンバー入りし、1年生では、楠原が唯一の選出となった。ケガで、予選は出られないであろう大野もメンバー入りすることができた。
〈明日のスターティングメンバー〉
高田真波
高津沙織
宮下真琴
山瀬瑞稀
中野未和
宮下は、土壇場でスタメン出場を勝ち取った。宮下は、スタメンを告げられ、少し嬉しそうにしていた。一方で、レギュラーメンバーに選ばれなかった大山は、どこか悲しそうに見えた。誰かが選ばれれば、誰かが落とされる。当たり前のことだが、同じ3年生のそういう姿を見るのは苦しかった。
明日から、どうなるかはわからない。下手すれば、明日の試合が最後になるかもしれない。ただ、私たちは、誰一人負けることを想定していないように感じた。私がミーティングを開いてから少しずつチームが変わろうとしている。ここで、終われない。




