7月16日 人の気持ち
朝から、スマホからアラームが鳴っていた。私は、何事かと思っていたら、バスケ部副キャプテンの大野からだった。私は、眠たい目をこすりながら、電話に出た。
私 「もしもし?」
大野「真波、おはようー」
私 「おはよう。朝から、早いね。どうしたの?」
大野「実は、私怪我しちゃって?」
私 「え?」
大野「そんな大きな怪我ではないんだけど‥‥」
私 「そっかぁ」
大野「ごめんね、これから大事な時に、、」
私 「ううん。大丈夫だよ」
大野「体育館で練習してたら、足を挫いちゃって‥」
昨日は、部活動が休みだったことを思い出した。
私 「昨日って、休みじゃなかったの?」
大野「うん。だけど、宮下と大山が練習するって言うから体育館で練習してたんだよ」
私 「そうなのー?私も呼んでくれたらよかったのに」
大野「宮下が、真波は用事があるって言ってたから」
私 「えっ、そうなの?」
宮下は、私がデートしていたことを知っていたのだろうか?
大野「昨日は、用事なかったの?」
私 「うーん。あったような、なかったような」
大野「なにそれ?」
私 「まぁ、いろいろよ」
昨日、デートしていたなんて、当然言えなかった。
大野「私の変わりは、誰になるかな?」
私 「監督が誰を使うかだよねぇ」
大野「そうだよね。でも、宮下も大山も本気でやったら、普通にレギュラーとれると思うんだけどなぁ」
大野は、意外にも、宮下と大山を評価していた。
私 「大野から見ても、レギュラーとれそうなの?」
大野「昨日の練習見てたら、日々の練習でいかに本気出してないかがわかるよ」
私 「そんなにー?」
大野「たぶん、真波には、ちょっとわかりづらいんだよね」
私 「なにが?」
大野の発言には、少しイラッとしてしまった。
大野「私たちの気持ちが‥」
私 「えっ、どういうことよ」
大野「真波は、なんでもできすぎるんだよ」
よく言われるセリフだった。
私 「‥‥」
大野「よく、言われるでしょ?」
私 「うーん」
大野「勉強もスポーツも。顔も可愛いし、性格もいいし」
私 「‥‥」
大野「真波はさ、私たちにとったら、凄すぎるんだよ」
私 「そっかぁ」
昔から、私は何でもできちゃう。だからこそ、人の気持ちがわからないし、人に嫌われてしまっていた。