表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/80

7月13日 余韻


ー1年前ー


 後ろを見ると、喜ぶ颯希が、安心した顔の七海、呆然とする喜早先輩がいた。観覧席には、優衣が笑顔で私の方を見ていた。すぐに、颯希と七海が駆け寄ってくれた。

 まるで、神がかっていた試合展開になった。人生で初めてのブザービート 。


 颯希「やったー」

 七海「全て、真波にもってかれたな」

 颯希「ほんとやね」

 

 私は、倒れこみながら、話をしていた。すると、喜早先輩が話かけてくれた。

 

 喜早「真波、おめでとう」

 私 「先輩、ありがとうございます。ドリブルやばかったです」


 私は、喜早先輩と話す時は、いつも敬意をあらわしていた。


 喜早「真波も上手くなったね」

 私 「いやいや、全然うまくないです」

 喜早「今日も部活、頑張ろねー」


 喜早先輩は、負けたのに、まるで喜んだような笑顔をして、体育館を後にしていった。

 

 颯希「真波、大丈夫?」

 私「‥‥。ちょっと疲れたみたい。保健室行ってきていい?」

 颯希「‥。ん?うん。」

 七海「私も行こか?」

 私「大丈夫、大丈夫」

 

 私は、いつの間にか、足が思うように動かなかった。体育館から、二分ほど歩いたところに保健室まで、足をひきずりながら移動した。

 保健室の先生は、どうやら、体育館に来ていたようで、私の状態を知っていた。保健室に到着するとすぐに、ベットで寝るように告げられた。私は、あまりのしんどさで、寝転ぶとすぐに記憶がなくなってしまっていった。

 

 ー現在ー


 あの日のことは、これからもきっと忘れないのだろう。颯希と七海と一緒にバスケをしたことで、私の人生は、大きく変わった。これまでは、何をしていても他の人に劣ることは、なかったが、二人に出会ったことで、自分がいかに何もできないことを理解した。

 あの日から、私は、2人が目標になった。何をするにしても部活や友だちとの比較ではなく、二人との比較になった。常に向上心がたえない颯希と常に先を見据えて動く七海は、私の生きる上で、本当に手本としていた。特に、二人の勉強の仕方や時間の使い方など、すべて聞いていた。二人は、考え方は大きく異なるが、どちらの話も、とても新鮮なものだった。

 昨年二人と同じクラスになったことで、私の勉強方法や部活への取り組み方も変わった。そうしたこともあり、勉強では、2年生の成績よりもさらに上位になった。部活動もチームでは勝てなかったが、個人では県選抜にも選ばれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ