表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二度目の世界と紅月  作者: 華月紅陽
プロローグ1【8/24】
2/312

#2

登場人物紹介


夕凪ゆうなぎ今際いまわ

 幼馴染。高一。

〜末雛家・玄関〜


「やっほー、禎女ちゃん! 今日の文字は『忍耐』? また独特なTシャツだね」

「朝から元気だね、いま姉……ねえ。さっきなが姉にも言われたんだけど、このシャツ、いま姉も変だと思う?」

「変だとは思うけど、禎女ちゃんが好きで着てるんならそれで良いんじゃない? 逆に禎女ちゃんらしくて可愛いし、あと面白いし」

「可愛いはともかく、面白い……? それ褒めてるの?」

「褒めてる褒めてる」

「本当かなぁ……」


「──そして、あたしこと今際ちゃんが朝から元気なのは当たり前だよ。夏休みも今日で終わっちゃうわけだし、最後の思い出にいっぱい遊んでおきたいじゃん?」

「おお、さすがはいま姉……なが姉と全く同じ理由で、なが姉と完全に対極のこと言ってる……」


「あー、確かにヒナは『夏休み最後の日だからゆっくりしたい』とか言いそう」

「言いそうというか、さっきまで言ってたよ」

「だろうね。あたしが遊びに誘ったときも言ってた」

「……全然『言いそう』じゃないじゃん。実際に言ってるとこ見ちゃってるじゃん」


「こらこら、そんな細かいことばっか気にしてちゃおっきくなれないぞー」

「身長が?」

「おっぱいが」

「なるほど。いま姉のおっぱいが大きいのと、私やひか姉様のおっぱいが小さいのはそれが理由かな」

「まあこの理屈だと、ヒナのおっぱいが小さいことの説明が付かないんだけどね」

「だね。大雑把さとおっぱいの大きさが比例するなら、なが姉がぺったんなわけないもん」


「あはは──で、そのなが姉は? いないの?」

「いるけど、ついさっき起きたとこだから。もうそろそろ下りてくるんじゃないかな? ……あ、来た」


「……二人とも、朝から玄関でおっぱい連呼しないでよ」

「あ、ぺったんだ」

「ぺったんだけど、ぺったんって呼ばないで。自分がぺったんなことはもう諦めてるけど、別にぺったんって呼ばれても良いってわけじゃないから」

「なが姉もぺったん連呼してるじゃん……」


「あとナギ、朝からうるさい。ナギの声って寝起きの頭に響くんだから、もうちょっと静かにしててよ」

「いやー、それはこんな時間まで寝てるヒナが悪いんじゃない? もう朝の八時なんだし」

「私にとって朝の八時はまだ寝てていい時間なんだってば。今からでも学校には間に合うんだから」

「そのギリギリまで寝ようとするスタンス、妹として心配だからそろそろ止めてほしいんだけど……」


「──て言うかナギ、来るの早くない?」

「なが姉、妹としての抗議は無視?」

「遊びに行くから家まで迎えに来るとは言ってたけど、確か九時って言ってなかった?」

「あ、これ本格的な無視だ」


「ん? ……ああ、九時にここを出るつもりだったから、一応保険として早めに来たんだよ」

「保険?」

「ヒナがまだ寝てたときのための、ね。九時にヒナを起こすとこから始めてたら間に合わないから」

「ああ、そういう。禎女が起こしてくれるとはいえ、起きないときは起きないからねえ、私」


「……なが姉。分かってるなら改善してくれない? なかなか起きない姉を毎日起こすって、結構疲れるの」

「そう言われても、眠いものは眠いし……ああでも、起こしに来たはずの禎女が私の毛布に入って寝てるとき、たまにあるもんね? やっぱ疲れてるんだ」

「…………」

「え、どうしたの?」


「……いえ、そうですその通りです。なが姉を起こすのは並々ならぬ重労働なので、つい布団に入ってしまうこともあります。決して、この立場を利用して添い寝したいだなんて考えてませんとも」

「ふふ。誤魔化さなくても、禎女が私のこと大好きなのは分かってるってば。別に隠さなくていいんだよ?」

「……なが姉のそういうところは嫌いです」


「──まあナギ、とにかく上がれば? わざわざ早く来た理由も無くなっちゃったけど」

「そうだね。禎女ちゃんが優秀だったおかげで……じゃあお言葉に甘えてお邪魔しまーす、っと」

「ま、そりゃ私の自慢の妹だからね」

「……自慢の妹なんて、そんな。照れる」

「『なんでなが姉が誇らしげなの?』ってツッコミを期待してたんだけど……普通に照れられた」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ