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二度目の世界と紅月  作者: 華月紅陽
夕凪今際ルート
19/312

#2

*明音波久→陸笹朱雀の呼び方(渾名)は「ささっち」になってます。

 「すえひー」「ゆなんぐ」に比べると普通。

〜7/21・末雛家リビング〜


「──はい。それじゃあ早速、第一回『この夏みんなで何しよう? 会議』を始めちゃおうか」


「あまりにもそのままなネーミングですね……まあ、ひねらなきゃいけない所でもありませんが」

「……ささっち。気持ちは分かるのだけれど、ここは敢えて指摘しないでおいてほしい──すえひーのことだから、昨日の渾名みたいに『じゃあネハに考えてもらおっか』とか言い出しかねない気がする」

「確かにそれはありそうですね……」


「昨日は勢いでヒナに『早ければ明日にでも』なんて言ってみてたものの、まさか本当に翌日に集まれるとは思ってなかったかも……まあ夏休み初日だし、みんな結構暇だった?」

「まあ、ひかりんは来れてないけどね。『スケジュール的にどうしても無理そうだから、私抜きで行ってこい』ってさ」


「弐科先輩は三年生ですし、やっぱり受験勉強でしょうか?」

「ひかりん、あんまりそんなタイプじゃないと思ってたんだけど……まあでも、親が割とそういうところ厳しめだから」

「むしろ本人は、逃げ出す手段とか考えてそうだよね」

「分かる。でも、失敗するんだよね」


「その感じだと緋狩先輩は、僕が昔遊んでいたときから今もあまり変わってはいなさそうだね。まあ、すえひーとゆなんぐも大概変わっていないけれど」

「そういえばネハって、結局ひかりんに会えてないのか……ひかりんも間が悪いよな」

「仕方ないことだよ。それに久々の再開をしたところで、それは僕からの一方的なものになってしまうしね」


「まあ、このままずっと会えないってわけじゃないんだから、それは今は良いでしょ──で、久と朱雀は暇だったの?」

「僕はまだこっちに来て日が浅いからね。引っ越しの荷ほどきくらいしかすることが無いんだよ……物が少ないおかげで、それももう終わってしまったし」


「それもそっか。他の友達と遊ぶとかもできないしね──でもそれなら、朱雀は? 他の友達との予定とかは?」

「無くはないですけど、まだ夏休み初日ですからね。細かい予定は立てる前です……それでも、もう少しすると多少忙しくなりますけれど」


「何か予定?」

「予定というか、仕事ですかね。委員長の──夏休み明けに文化祭があるので、その準備として各クラスの代表や生徒会の人達は夏休みに会議したりするんですよ」

「はぁ……大変なんだね」

「大変ってほどでもないですよ。運営はニ、三年生の方々が主体となって進めるので……一年生は基本、それに従うだけです。少なくとも、私の記憶にある『一度目』ではそうでした」


「まあ仕方ないよね──でも話し合ったところで、そもそも夏休み明けの文化祭の日は来るのかな?」

「んー、そうですね。世界が繰り返している理由が分からない以上、これから三度目や四度目が起こる可能性はありますが……けれどどの道、運営している先輩方は『二度目の世界』だなんて考えてもいませんから」


「それもそっか……やっぱり、『一度目』の記憶があるのは私と朱雀ちゃんだけなのかな?」

「今のところはそうですね。その理由も不明ですけど」

「分かんないことだらけだね……」


「──はい、もうその話はおしまい! 『二度目』だかなんだか知らないけど、もう良いでしょ? どうせ考えたって仕方ないんだから。それより今は夏休みの話!」

「僕もゆなんぐに賛成だね。二人の言うことを疑っているわけではないけれど、しかし考えて答えが出る類の問題でもないだろう? なら、建設的な話をしたい」


「……確かに、それもそうですね。そもそも今日はそのために集まったんですから……申し訳ないです」

「……ごめん」



「──はいはい、お待たせしました。冷たい飲み物ですよー」

「あ、禎女さん。ありがとうございます」

「いえいえ」


「……禎女ちゃん。こういうことを言って良いのか僕には分からないのだが──禎女ちゃんのシャツの趣味も、昔と変わっていないみたいだね」

「え、これですか? 普通の部屋着ですけど」

「禎女。『夏日』ってでっかく書いただけのTシャツを、人は『普通の部屋着』とは言わないんだよ?」

「むー。別に良いじゃん……こんなに可愛いのに」



「──それでどう? 話は進んでるの?」

「いや、まだ始まってもないくらいだよ」

「こういうのは、禎女も含めて全員揃ってからじゃないとね」

「話の腰を折ったのはヒナもでしょうが……本当、調子いいんだから」



「さて、じゃあみんな揃ったところで仕切り直して──みんなでこの夏、何かしたいことある?」

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