正体
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「我はベヒモスじゃ。で、この男はショウタじゃ。お主は?」
「私は、フレンダです」
「フレンダか、よろしくな」
フレンダの見た目は、ノートと同じくらいで綺麗な白髪の髪をしていた。
「そうじゃ!急がねばならぬのじゃった!」
ベヒモスは、思い出したのか急いで路地裏から出て向かおうとした。
「フレンダも一緒に行くぞ!こんな所にいては面白くないだろう!」
ベヒモスはフレンダの手を握り引っ張ると、その場所から連れ出した。
「あいつは、強引だな。まぁ、今回はあの強引さに助かったな」
俺は、姿が見えなくなる前に走って追いかけた。
三人で屋台の前にたどり着くと、屋台のおじさんが何やら頭を抱えて困っていた。
「おはようございます。どうしたんですか?」
「ん?おぉ!昨日の兄ちゃんと嬢ちゃんじゃないか!っとそれと、初めましてだな」
「初めまして。フレンダと言います」
「おぉ!フレンダか!よろしくな!」
2人の挨拶が終わると、ベヒモスが
「それで、何を困っておったのじゃ?」
「あ〜それがな、先日聖国のお偉いさん方が西の森の魔物を全て狩り尽くしてしまったらしくてな」
「?!?」
フレンダが、少し動揺していた気がしてがあえてスルーした。
「それは、また凄いことしてますね。でも、それがどうしておじさんの困る原因に?」
「揚げ肉の材料はその森で獲れるラッピっていう魔物なんだよ。いつもは、冒険者にお願いしているだが、一匹もいなかったらしくてな。困ったもんだよ」
「それは、たしかに困りましたね」
「だから、今日は揚げ肉を売ることができないんだ」
「そっそんな〜」
ベヒモスは、悲しい声を出しながら膝から崩れ落ちた。
「そんなに、気に入ってくれたの悪いな。嬢ちゃん」
おじさんも、少し申し訳なさそうにしながらベヒモスに謝った。
「お主が悪いわけじゃないのだから謝る必要はない。ぐぬぬ、おのれ聖国の上の奴らめ」
ベヒモスが、恨言を言っている間フレンダは視線をキョロキョロさせ明らかに挙動不審だった。
すると、市場の奥の方がざわめき出した。
「なんだ?」
おじさんと、俺達はその方向を見ると何やらいい鎧を着た兵士達が何かを聞きにまわっているみたいだった。
「?!?!!」
「珍しいな。こんなところに騎士様が来るなんて」
騎士を見た瞬間、明らかな反応を見せフレンダは俺の後ろに隠れた。俺はそれでフレンダの身体が震えている事に気づき
「ベヒモス頼む」
「分かっておる」
ベヒモスが、フレンダの手を握り魔法を発動させ完全に気配が消えた。
「ん?さっきの嬢ちゃん達は?」
「どこかに遊びにでも行ったのでは?」
そんな、会話をしていると騎士達は俺達の近くまでやってきた。
「おい!お前たち。この顔の方を見てないか?」
「見てないな」
「見てません」
「そうか、邪魔したな」
あっさりと騎士達は帰っていき本当に探す気があるのかと疑う程だった。
「今の似顔絵・・・」
兵士達が、持っていた似顔絵はフレンダの顔にそっくりというか多分本人だろう。
「おじさん。とりあえず、何も言わないでくれるとありがたい。俺達も、さっき会ったばかりで全く事情を知らないんだ」
「そうか。まぁ、俺が言いふらすことはないよ。けど、家族が危険になったら言うぞ」
「それは構わないよ。そこまで、して守らなくてもいい」
「助かる」
「それで、教えてくれるか?フレン」
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