揚げ肉
読みに来てくれてありがとうございます!
中に入ると、白を基調とした建物が多くこれぞ聖国って感じの街並みだった。
街の人達の視線を心配してしていたが、意外と厳しい視線は向けられず、逆に物珍しい様子で見てきた。
「案外、差別的なのは上の連中だけかもな」
「・・・そうかも」
「今回は、宿を見つけてそこで待っていてもらうか。万が一があってもいけないし」
「それが、よろしいかと」
リリア、ウリエルと話しながら良さげな宿を探し街の人にオススメの宿を聴きながら一つの宿に向かった。
オススメの宿に辿り着き、差別的なものを感じなかったのでそこに決めた。聖国側から、迎えが来るそうなのでそれまで各自自由行動する事に決めた。女子達は、何やら買いたい物があると、全員で行動すると決めたらしく早々に出ていった。朱堂達も、武器屋を見にいきたいと加藤と一緒に行ってしまい残ったのは、俺とベヒモスだけだった。
「ベヒモスは行かなくてよかったのか?」
「ふん!我には必要ない。それよりも、お主を1人にしては可哀想だろう?」
「本当かよ」
完全にからかって言ってきていると思った俺は、笑いながらそう返した。
「・・全く信じとらんな」
「ん?何か言った?」
「何でもないわ。それよりも、我らも外に出んか?」
「そうだね。宿にずっといるっていうのもなんだか勿体無いしね」
俺達は、2人で宿を出た。
まず、最初に市場に行ってみた。
「おおー市場は何処の国でも盛り上がっているんだな」
「お主の国にもあったのか?」
「あったよ。向こうじゃ商店街って言い方だったけど」
「ショウテンガイ?」
「名前が違うだけで、こんな感じの雰囲気の場所だよ」
「なるほどのぅ。人間はやっぱり徒党を組むのが好きなんじゃな」
「その言い方は、なんか違う気もするけどね」
若干、苦笑いしながらそう返すとベヒモスがある屋台の前で止まっていた。
揚げた肉を、串に刺しとても美味しそうな匂いを漂わせていた。
「少し、お腹も空いたしこれ食べるか」
「いいのか?!お主の奢りじゃぞ!」
「はいはい」
ベヒモスは、一目散に屋台のおじさんの所にまで行った。
「時々、子供っぽくなるよな。あいつ」
「その肉!10本くれ!」
近づくと、ベヒモスは既に注文しておりどんなけ食べる気なんだと思った。
「ん?嬢ちゃん1人か?お金は持ってるか?」
「俺が持ってますから、安心して下さい」
「おっ嬢ちゃんのお兄ちゃんかい?」
どうやら、兄弟と勘違いされたのか屋台のおじさんがそう言った。
「なっ!違うわい!兄弟じゃない!」
「おうおう、可愛らしい妹じゃねえか」
おじさんは、冗談と捉えたのかベヒモスに更に油を注ぐ発言をした。
「よりにもよって、妹じゃと」
さすがに、これ以上刺激するのは不味いと思い間に入ろうとしたら
「はいよ!出来立ての揚げ肉だ!」
香ばしい香りのする肉を渡され、ベヒモスは目をキラキラさせながら受け取り一口食べると
「ん〜!!上手い!」
物凄く幸せそうな、顔してその続きを食べ始めた。先程までの怒りは、どこえらや。本当に美味しそうに食べていた。
通りがかる人達も、ベヒモスの食べる様子を見て食べたくなったのか並ぶ人が増え始めた。
自分の食べっぷりでこんなにも、影響を与えているのに当の本人は幸せそうに噛み締めながら食べていた。
「ほんと、平和が1番だな」
周りの幸せそうな顔を見てそう思った
最後まで読んでいただきありがとうございます!
少しでも興味を持った方、続きが気になった方は
お手数ですが、ブックマークと下の方にある☆で評価をして頂いたら励みになります!