閑話 絶望の闇から光へ
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これは、私が彼に会うまでの話だ。
「いい子に待ってるのよ、ナタ。それと、ミアをよろしくね」
「任せて!しっかりとお留守番してるから!!だから、お父さんもお母さんも早く戻ってきてね」
「あぁ、早く戻ってきて今日はご馳走だからな!なんたって今日はナタの誕生日なんだから!」
「うん!」
「じゃあ、行ってくる」
「行ってくるわね」
「行ってらっしゃい!」
「らっしゃい!」
小さいミアも真似をしながら同じようにお父さんとお母さんを見送った。これが、最後の会話になるとは知らずに
私はその日、ウキウキしながら一日を過ごしていた。
「ねちゃん。たのそう」
「うん!楽しいよ!今日はご馳走だよ!!」
「ちそう?」
「うん!美味しいご飯だよ!だからいい子で待っていようね!」
「うん!」
そうして、ミアと一緒に楽しく家で留守番していた。その頃、冒険者として依頼をこなしに森に来ていたナタのお父さんのガイとシシアは順調に依頼をこなしていた。
「この調子なら夕方までには戻れそうだな」
「えぇ、そうね。でも、油断は禁物よ」
「分かってるよ、っ!!誰だ!!」
突如、ガイが木の方に向かって剣を構えながら威嚇した。
「これは、これは、流石獣人鋭いですねーー!!」
木の陰から出てきたのは、二人も見たことがある、よく試合の実況をしていたりする人物だった。
「あんたは、確か。レヴィーさんだったよな」
「おや!名前を知っていて下さるとは嬉しいですねーー!!」
「その人がここに何の用だ?しかも丁寧に気配まで消して」
ガイとシシアは、いつでも戦闘できるように警戒しつつ話を続けた。
「いや、なに私の物語を形作るのにちょうどいい。家族がいましてね。彼女たちには、まず悲しみに暮れてもらわなきゃいけないんですよ」
「一体、何を言っている?」
レヴィーの言っている事の意味が分からず、不気味な雰囲気に恐怖を感じながらも質問していった。
「あなた達には、娘がいますよね?ここまで言えば・・」
「あなた!ナタとミアに何をしたの!?!?」
「何をしたと言われても、今はまだ何もしていないですよ。今はまだ・・ね」
「こいつ!!シシアお前は先に戻れ!俺はこいつを足止めしてからすぐに向かう!」
「分かったわ!あなたもすぐに来てっ」
パンっ!
手の叩く音が聞こえた瞬間、レヴィーは、シシアの後ろにおり後ろから胸を貫いた。
「かはっ」
「シシア!!!!!」
シシアの身体はレヴィーが手を抜くと、下に落ち赤い水たまりを大きく広げていった。誰の目から見てもシシアは絶命していた。
「お前ーーー!!!!!」
「ここで、あなた方二人のどちらかが彼女たちの元に向かうのは私の物語の展開にはないんですよ」
パンっ!
また手の叩く音が聞こえたと思った瞬間目の前からレヴィーが消えた。後ろに現れたと思い振り返るがそこに姿はなく、後ろから声が聞こえた。
「また、後ろに飛んだと思いました?残念!!前でした!!」
その瞬間、胸を貫かれた。
「ぐはっ・・・なにが・・・目的・・だ」
「言ったじゃないですか。物語にちょうどいい家族だと。あなた達の娘さん達には悲しみ暮れてもらった後、私の演者として踊ってもらおうと思っています」
「狂って・・るぞ」
レヴィーは、ガイから手を抜くと体は地面に落ちた。
「シシ・・・ア・・」
ガイは、瞳にハイライトのないシシアの元に向かって這いずりあと少しで手が触れれそうなところでレヴィーが邪魔した
「残念!!」
「じ・・ごくに・・落ちろ・・・シシア、ナタ、ミア・・すまない」
「いいですね!そのセリフいつか、使わせてもらおうと思います!!・・・あらら。死んじゃいましたか。変に見つかっても面倒ですし、燃やしときますか」
パンっ!
ガイとシシアの死体は、骨すら残らず塵となり理不尽にこの世からさった。
太陽が沈み、夜になった頃
「遅いなー、何かあったのかな?」
早く帰ると言っていたが、何かあって遅くなっいるのかと思い不安に駆られていると、玄関の外から物音がして帰ってきたと思い急いでミアと一緒に玄関にむかい扉を開けるとそこにはお父さんとお母さんではなく仮面をかぶった男だった。
「君がナタ君とミア君かな?」
「そ、そうです。うちに何か用ですか?」
「君たちに伝えないといけない事があってね。君のお父さんとお母さんが不慮の事故で亡くなられた」
聞いた瞬間頭の中が真っ白になった。それから、子供二人では生きていけないだろうと古い知人であるその仮面の人にお世話になることになった。心の傷はいえないが、ようやく普通の日常を送れるようになった所で突如今まで優しかったのに態度は急変。今で貸した金を返せと返せないのなら体で返してもらうと言ってきた。
それだけは、勘弁してほしいと懇願すると
「なら、闘技祭に出て優勝しろ。そうすれば、全てチャラにしてやる」
そう言われ、何があろうともミアを守るために優勝するしかないと心に決めた。人間不信に陥りかけていたナタは久しぶりにミアと二人で外で散歩していると、
ミアが走り先に行ってしまい、男の人とぶつかってしまった。
「すみません。お怪我はないですか?」
「自分は大丈夫ですよ」
そして、私達姉妹の運命を大きく変えてくれる立花祥太との出会いだった。
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