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勇者ではなく英雄に  作者: fusaberu
始まりのダンジョン
8/190

格上

アクセスありがとうございます!


ようやく物語が進みます!

物語は、最初の冒頭に戻る。


(そう・・だ。俺は誰かに()()()()トラップを起動してしまったんだ)


「くそっ!なんだってこんな事に!しかも、今のであばらが何本か持ってかれた」


俺はこんな状況になった原因を思い出し悪態をついた。


「はぁはぁ、今はどうにかして目の前の虎をどうにかしないとな」


明らかに俺よりステータスは、強い。スピードとパワーは向こうが格上、真正面から戦っても勝ち目など0に等しい。明らかに目の前にいる敵は俺の事を格下だと思い、余裕ぶっている。その隙をつくしかない。


虎はもう一度、突進してこようとしていた。俺は、手に地面をつき魔法を発動した。そして、虎が踏み込んだ瞬間足の裏に尖らせた地面を踏ませた。


「ガウっ!」


虎は先ほどまでなかった、棘にびっくりし突進をやめて立ち止まった。俺は、その一瞬の隙をつき一緒に転移されていた剣を抜き斬りかかった。剣の間合いに入った瞬間、虎がニヤリと笑った気がしたが途中で斬りかかるのをやめることはできずこの一刀に全てを賭けた。


カキンっ!


しかし、剣は虎を斬る事ができず無情にも半ばからぽっきりと折れた。


「はっ?」


俺は、折れるとは思わず放心してしまった。それは、戦闘において致命的な隙だった。虎はその隙を逃すことなく俺の左腕に噛みついた。


腕から大量の血が噴き出した。


「がぁぁぁぁぁぁ!!!!」


今までに感じた事のない痛みに襲われ、冷静な思考が失われた俺は、右手で持っていた折れた剣を虎の顔に突き刺そうとしたが、またもや弾かれた。手に返ってきた感覚は鉄を殴ったような感覚だった。だが、冷静でない俺は何度も突き刺そうとした。奇しくも、俺が考えた作戦を自分で食らう形となってしまった。


「離せ!このっ!このっ!」


いくら効かないとはいえ、うっとうしく感じたのか虎は顔を左右に思いっきり振り俺を投げた。投げられた瞬間、噛みつかれた時以上の痛みを感じ目の前がチカチカっとスパークした。


「っ!!!?!?!?!」


俺は痛すぎて声も出せず、また壁に叩きつけられた。


俺は一瞬だけ気を失っていた。そのまま、気を失っていたほうが良かったのかもしれない。なぜなら・・


俺は何が起きたのか先ほど感じた痛みの方を見ると、そこにはあるはずの物がなかった。なぜなら、そこに左腕は無く、おびただしい量の血が流れていた。


「へっ?」


頭の理解が追いつかなかった、しかし現状をしっかりと認識すると


「あああぁぁぁっぁあああぁぁっぁ!!!!!!」


腕を失った喪失感、痛み、絶望様々な負の感情がぐちゃぐちゃに頭の中を支配した。


「クチャクチャ」


そんな中で、しっかりと耳はこの場にそぐわない咀嚼音を聞き逃さなかった。俺は聞こえたほうを見ると虎が何かを食べている最中だった。時々開く口の中から見えたのは見覚えのある腕だった。原型はほとんど残っていなかったが16年一緒に育ってきた腕を見間違えるはずもなかったが理解することを俺の脳が拒むが、腕が無いという現実が強制的に理解させてしまう。


血を大量に失ったせいか、目の前がぼやけてきた。虎は食べ終わったのか、こちらに再び近づいてきた。


(駄目・・・だ・・俺はここで・・死ぬのか・・・)


死を覚悟しながらも、心の奥底では どうして俺がこんな目に!! 一体俺が何をした!! あの時押した奴絶対に殺してやる!!


この状況の理不尽に、こんな状況にした原因に、俺の腕を喰った目の前のクソ猫に俺は憤った。目の前には虎が口を開けて再び食べようとしている瞬間だった。俺は最後の最後に一矢報いてやろうとありったけの力をこめて口を開き虎の肉を嚙み千切った。剣の時のように固く噛み千切る事はできないかと思ったが予想に反して簡単に噛み千切る事ができた。


虎は明らかに瀕死だった俺に、反撃されたのに驚いたのか後ろに下がった。俺は虎に見せつけるかのように嚙み千切った肉を音を立てて食べると、してやったりとニヤリと笑ってみせた。


虎は俺のそんな表情を見て怒ったのか、格下に傷をつけられた事に怒ったのか殺意丸出しで突っ込んできた。


俺は、その光景をスローモーションのように見えて今度こそ死んだなと思った。この時、未だに意識を保っていたのは信じられない事だった。本来ならとっくに意識を失い死んでいるはずだった。しかし、ここが異世界だからかまたは()()()()()()()()この時意識があったおかげで奇跡はおきた。


[悪食の発動条件を満たしました。これにより、EXスキル悪食発動します。食べた分のステータスを加算。対象のスキルを取得。成功。硬質化を取得しました。]


頭の中に、声が響いた。一瞬の事で何が起きたのか分からなかったが、本能で理解した。


「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


俺は雄たけびを上げながら、残っている右腕を硬質化させ虎の突進に合わせて拳を振りぬいた。


結果は、俺の拳が虎を貫いた。虎の突進力が凄かったのか硬質化させた右腕はボロボロになったが、自分の突進力によって虎は俺の腕に貫かれたのだった。虎は一瞬にして絶命した。


しかし、虎は倒せたが瀕死の状態から更に無茶をしたせいで俺の命は風前の灯火だった。とうとう意識を保っている事できずに意識を失った。


ここで更に奇跡は起きた。EXスキルには、たまに自動で発動するものあった。悪食も、所有者が倒した魔物がいて、更に()()()()()()()場合に限り自動で発動するスキルだった。そして、今の状態は、俺の右腕は殺した虎の内側にあった。なので、奇跡的に発動する条件はそろっていた。


[所有者の意識消失を確認。自動発動の条件が整っているのでスキル発動します。二回目の捕食なのでステータス加算割合は少なくなります。スキルの取得も失敗しました。所有者の血および両腕、並びに体の損傷を激しいため捕食対象から足りない細胞を補填します。補填完了しました。所有者の、生命反応安定しました。スキルの発動を停止します。所有者は拒絶反応に気を付けてください。」


最後まで読んでいただきありがとうございます!


少しでも興味を持った方、続きが気になった方は


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