アリシア対朱堂
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その夜、試合に出ていた奴らはいくらダメージが無くなるからと言って精神的なものは無くならないのでご飯を食べてお風呂に入ったらすぐに眠ってしまった。
「みんな、すぐに寝ちゃったな」
「そりゃそうよ。あれだけ、全力で戦ったら」
「明日も試合がある人がいますからね。今日の試合を見て負けていられないと思ったんでしょね」
「あ~いいな~俺も出たかった!」
「未だに動きがないですからね。ただのブラフだったのかしれませんね」
「そうね。まぁ、警戒するに越したことはないけどね」
「そろそろ、俺達も寝るか。明日眠くて試合を見逃すことのないように」
「はい」
「そうね。おやすみ」
次の日
「皆さん!!おはようございまーーーーーす!!!今日も観戦日和の天気ですね!!!本日は闘技祭二日目!!盛り上がる準備はいいかーーーーー!!!!」
うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
「さぁ!!!本日の一試合目はその手に持った剣一本で周りの敵をバッタバッタとなぎ倒し、まるでバーサーカのような暴れっぷりを見せたアリシアーーーー!!!なんと、こちらは帝国の皇女様だそうです!!!今大会何故か以上に王族が出ているーーーーーー!!!対するは、予選でも同じブロックだったシュドウーーーー!!!こちらも剣一本だが一振り一振りが洗練されており、華麗な立ち回りで見事予選を勝ちの残りました!!今回も全く違うタイプの二人の戦いです!!!みんな!!!瞬きするなよ!!!!それでは!!試合っ開始!!!」
カンっ!
「楽しみましょう!」
「全力で胸をお借りします!」
お互い剣を正眼に構えると、どちらも動くことなくその場で止まった。二人の気迫に気圧され観客は押し黙り息をひそめた。隣の人の鼓動すら聞こえるぐらい会場は静まり返った。シンとした中、汗が地面に落ちる音が聞こえたような気がした、それをきっかけに二人は同時に突っ込んだ。
ガギィン!!
ちょうど、リングの中心あたりでつばぜり合いが起こりほんの数秒で離れた。
「やるわね。さすが、ショウタの仲間ってところかしら」
「アリシアさんも流石です。全く隙がありません」
「当たり前よ」
「なっなんとーーー!!!静寂の後に二人の競り合いが起きた!!!もの凄い気迫でしたーーー!!!
私も実況の事を忘れてついつい押し黙ってしまいました!!それだけ、もの凄かったってことです!!さぁ、両者元の位置に戻ろ仕切り直し入りました。私から見たら、若干アリシア選手の方が有利に見えるのですがどうでしょう?本日も来てくれたアレク様」
「そうですね、技量、経験ともにアリシアさんの方が上でしょうね。シュドウ選手はそれをステータスでカバーしているって感じに見えますので長引けば長引くほど地力の差が出てきてしまうのでシュドウ選手からしたら早めの決着をつけたいでしょうね」
「なるほど!!!ありがとうございます!!!おぉっと!!動きがありそうです!!」
「さぁ、ここからが本番だよ、しっかりついてきてね」
「もちろんです」
アリシアは、持っていた大剣の切っ先を地面に向けスレスレのところで構えた。
「それが、本来の構え方ですか」
「えぇ、そうよ。油断していると次の一合で終わるよ」
ビリっとしたアリシアの気迫が会場中に、広まった。
「望む所です」
朱堂は、額に冷や汗を垂らしながら正眼に構えた。
「行くよ」
そういった瞬間アリシアの姿が消えた。朱堂は後ろに危機を感じたのか前に大きく飛ぶとそこに大剣が振り下ろされた
「おっ避けた」
「あっぶな~、全く姿が見えませんでしたよ」
「今!!何が起きたのでしょうか!!!アリシア選手が消えたと思ったら次の瞬間には朱堂選手の後ろにいました!!!!」
「それが、アリシアさんのスキルですか」
「そう。加速と軽量化単純なスキルだけど強いよ」
「今身をもって実感しましたよ」
「次は当てる」
「対応してみせます」
「加速」
アリシアがスキルを使うと、また姿が消えた。
「また、姿が見えなくなった!!!あの大剣をもっているというのに凄い速さです!!」
今度も、ギリギリで避ける事になるかと思われたが
「そこっ」
キィン!!
「へー宣言通りもう対応してきたね」
「これぐらいでやられていたら、この世界でやっていけませんからね」
「どっどうして、シュドウ選手は今の攻撃を防げたんですか!?!?!」
「多分、気配や空気流れを感じ取ったのかと」
「えーっとそれはどういう事ですか?ミミ様」
「転移していきなりそこに現れるのではなく、あくまで移動して場所を変えているだけなのでいくら速く動いて目で見えなくても移動して形跡は残るわけですよ。つまり、その流れさえ追えれば見えていなくても相手の位置は分かるという事です。簡単に聞こえますがやっていることはとても難しい事です。それを、あの若さでしかも二回目で対応したのは素晴らしいの一言ですね」
「分かりやすい解説ありがとうございます!!!結論、どちらもやばいという事ですね!!さぁ、今回の試合も見どころがありそうだーーーー!!!」
「どんどん行くよ」
それからは、アリシアがひたすら攻めて朱堂が守りに徹する試合となった。見ている観客はハラハラする試合となった、いつ朱堂の守りが突破されてもおかしくはないからだ。アリシアは、スピード任せに突っ込むだけではなく、行くと見せかけフェイントをかけたり大剣の重さを変えたりと攻め方を変えたりするので対応する方はきついだろうなと想像がついた。
しかし、遂に試合が動いた。
「慣れました。今度はこっちからも攻めます。EXスキル勇者の胎動!!」
朱堂がEXスキルを発動した瞬間、朱堂の身体が光輝きリング上にまさしくスキル名の如く勇者が誕生した。
スキルを使った朱堂は、アリシアが移動中で全く姿が見えていないにも関わらず迷うことなく走り出すとそこにアリシアがおり鍔迫り合いが起きた。
「なっ!!」
「この状態の、俺をなめない方がいいですよ」
先ほどまでは、均衡していた競り合いが朱堂が押す形に変わった。どうやら、全体的なステータスが上がっているみたいだ。
「おぉーーーー!!!!!シュドウ選手が押している!!!!このまま押し込めるか!!はたまたここからアリシア選手が押し返すのか!!!」
「なめていたつもりはないんだけどね。少し、おごっていたみたいだわ。ありがとう、気付かせてくれて」
次の瞬間、アリシアの身体から荒らしい炎が噴き出た。朱堂は、咄嗟に後ろに飛んだ。
「まだ、隠し玉があったんですね」
「これは、あまり使いたくないんだけどね。使えば疲れるし、何より見た目がどう見ても人間じゃないしね」
「あいつの事を、あまりなめないでもらいたい。あいつは、心が広く優しい俺の友達いや親友です」
「知っているは、何より今ちらっと見たけど目を輝かしてこっちを見ていたからね」
「ははっあいつらしい」
リング上で、二人が何かを話しているが俺はその事よりもアリシアの見た目の変化に驚き感動していた。
「おいおい!!あれなんだよ!聞いてないんだけど」
「あなたが、本当にそういう人で良かったです」
隣で、サーヤが何かを言った気がしたが俺はアリシアの姿に興奮しすぎて何も聞こえていなかった。炎によって形づくられた巫女服のようなものを纏い、肌から炎が時折漏れており可愛さとカッコよさが混じっていて最高だった。
「さぁ、お互い。時間制限のあるスキルでしょうし、最後の勝負としますか」
「そうですね。それで、そのスキルの名前は?」
「EXスキル炎神降ろし」
その瞬間、常人には到底反応できない速度で朱堂に迫った。それを、さばきながらカウンターを入れようとするが、アリシアの背中から炎の噴射され急激な角度の変化に避けた。
「あーーーーーーー!!!!!もう、言葉が出ません!!両者の派手な見た目の変化によって目がチカチカっとするーーーー!!!しかも、何だあの速さは!!!全く見えなかったぞ!次の瞬間には戦いあっていてこの試合は驚きの連続だーーー!!!」
超高速のバトルが展開され、ほとんどの観客がアリシアの炎の残像と朱堂の姿しか見えていなかったと思う。
「これで、決める!!!勇者の一撃!!!!」
「私の中に流し血よ その力を開放し 今一度 この地に 姿を 見せたまえ!!! 炎神炎舞!!!」
二人の大技がぶつかりあった。そして、神の天秤はアリシアに傾いた。高温の炎が地面を溶かしながら朱堂の技ごとのみ込んでいった。
「完敗です」
朱堂も飲み込み試合は、アリシアの勝利で終わった。
「勝負あーーーーーーーった!!!!!勝者はアリシア選手だーーー!!!」
うぉおおおおおおお!!!!
「お互いもの凄い戦いでした!!!当初の思っていた戦い方ではなく、昨日の試合に影響されたのかお互いの全力ぶつける素晴らしい戦いでした!!!!皆さん、二人に大きな拍手と声援を!!!!」
わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
「さぁ、この調子で次の試合に行きましょう!!!!次はなんと前回大会優勝者の登場だーーーーー!!!!」
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