暴走
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「なんで、どうしてお前がそこにいる!!道本!!!」
「どうしてって、そりゃあこっち側についたからに決まってるだろ」
「今、お前が守った奴が何をしているのか知っているか!」
「もちろん」
道本は何の葛藤もなく、答えた
「お前っ!」
「その面が!その何処か正義面したような面が気に食わなかった」
道本が、初めて正面から意見を言ってきた。
「だから、その面を歪めてみたくなった。だから、向こうにいる時もつっかかったし、こっちにきた時、お前を殺せると思ってダンジョンでトラップの方にお前を突き飛ばした」
「なっ!」
衝撃的な告白を次々としていく道本に、俺は頭が追いつかなかった。
「あの時、押したのはお前だったのか!」
「そうだよ。お前のその面を見たくなくて、皇と仲良さそうにしているお前を見たくなくてな」
「ふざけるなよ!あの後、俺がどんな目に」
「もういいだろう。この問答は。面倒臭い、マモン助けた仮はすぐに返してもらうぞ。左から2番目の奴だ」
「そういう契約ですからね。分かりました」
道本が俺を無視してマモンと話、何処か不安になる会話をし始めた、
(仮を返す、そういう契約、左から2番目は皇だ、執着、欲望、マモンの強欲)
「まさか!!間に合え!」
「やっちまえ!マモン!」
道本がそう言うと、マモンは皇に手をかざし魔力を飛ばした。
皇の元にすぐに向かったが、結果は間に合わなかった。皇は魔力に当たってしまった。
「大丈夫か!皇!」
「その汚い手を離してもらえますか?」
「え?」
初めて聞いた皇の冷えた声に固まり、思わず手を離してしまった。
「私に触れていいのは、アツシ様だけです」
そういう皇の目には、光がなく無表情でそう言って道本の方に歩いて行った。
「待て!皇!そっちに行っちゃダメだ!」
皇は、振り返る事なくそのまま道本の横に並んだ。
「これで、皇は俺の物だ」
道本は、皇の肩に手を置き俺に向かってそう言った。
「くそ!こい!暴食之刀!!」
しかし、
「くっ」
連戦による魔力の消費により、顕現させるほどの魔力はなく、ガス欠状態になってしまった。
「こんな・・・時に・・」
「そうだよ、その顔が歪んだ顔が見たかった!もっと絶望させてやるよ。24時間以内に俺を見つけれなかったら皇の全ては俺が貰う」
「お前ぇ!」
「それが嫌なら、必死こいて探すんだな!マモン、頼む」
「はいはい、よっと。これで繋がりましたよ」
「よし、じゃあな、立花せえぜえ頑張れよ」
道本は皇を連れて穴の中に入っていこうと歩き出した。
「待て・・・待てよ・・・道本!!!!!!!」
すると、皇がこっちを振り返りその顔には表情はなかったものの、目から涙が流れていた。
「ーーーーーーーー」
それを見た瞬間、俺の意識は闇に底に沈んでいった。
「なっ!」
「おい!通れねぇぞ!」
「彼の暴力的な魔力の嵐のせいで、安定しないんですよ!今は通れません!」
「くそ!何処までも俺の邪魔をする!」
「あ“ーーーーん」
普通の状態じゃない立花が口を開き、閉じる行為をした。
「まずい!」
マモンは、その場から道本と皇を突き飛ばし自分も飛びのいた。
「痛ってぇな〜、なにしやが・・・る」
道本は、マモンの方を見て絶句した。
先程まで立っていた場所は、大きな口に抉り取られたかの様な形をしていたのだ。
「なんだ・・・これ」
「これが、暴食の力ですよ。全てを喰らう暴食の力」
「全てを喰らうって反則だろ」
「そういえばまだ、我々について教えた事なかったですね。我々の中にも力の序列というものがあるんですよ。上から順番に暴食、憤怒、傲慢、嫉妬、強欲、怠惰、色欲の順番なんです。この順番の通り、暴食が1番強いんです。そして、我々が司ってる大罪は感情です。感情というものは時間が経つにつれて薄らいでいきます。けれど、暴食だけは違う。暴食だけは、薄らがず永遠と続くんです。だから、我々の中で1番強い、貴方も分かると思いますが、怒りという感情は最初が1番爆発し徐々に収まっていきますよね」
「あぁ、確かに」
「暴食にはそれが無いのです。避けて!」
「あ“ーーーーん」
「なので、その腕の中にいる彼女を返すのをオススメしますよ」
「それは、」
「彼が暴走した原因は貴方が彼女をつれていこうとした事です。彼女を返せば暴走も収まるはずです」
「やっと、俺の思いが」
「今ひと時だけの幸せを感じて死ぬか、後の幸せをとるかのどっちかですよ。私は後者な方をオススメしますが」
「・・くっ」
「早くしないと、ここで全員死ぬ事になりますよ。彼女達が必死に周りに被害が出ないように頑張っていますが、そろそろ限界でしょう」
「あーーーもう!分かったよ!マモン!頼む」
「賢い判断に感謝を」
マモンは、指を鳴らし皇の洗脳を解いた。
「解きましたよ!」
「ほらよ!返すぜ立花!」
道本は、皇を立花の方に突き飛ばした。途中で、皇は正気に戻り暴走中の立花の前で止まった。
「立花くん?」
「あ“ーーーー」
「ダメ!」
皇は、本能でこれ以上立花に無理をさせてはいけないと立花にしがみついた。
「す・・め・・・らぎ」
動きが止まったところに、フィーリア達も立花にしがみつき声をかけた。
「・・・戻ってきて!」
「帰ってきてください!」
「みん・・な」
吹き荒れていた魔力が収まり、立花は気を失った。
「今です!行きますよ!」
「聞こえてねぇだろうけど言っておく!次は必ず奪ってやる!」
最後にそう言って道本はマモンと共に何処かに消えていった。
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