正面突破
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サーヤ視点
「無事に姫様は逃がせましたね」
窓から出て行った姿を兵士が入ってくるまで眺めていたがすでに見えなくなった。そして
「逆賊アリシアはいるか!」
一番最初に入って来た兵士が姫様を逆賊と言った事に、殺したくなったがここでそんな事をしても意味はないと理性で押さえつけた。
「いないのか。ん?貴様はサーヤだな」
「そうですが、何か?」
「貴様もアリシアの仲間と疑いがかかっている為拘束させてもらう」
私は大人しく捕まり、そのまま牢屋に入れられた。
「後は、頼みます。姫様、立花様」
この思いが届くように神様に願った。
そして、視点は戻り
「とりあえず、ここまでこれば大丈夫だろ」
少し休憩するために、見晴らしの悪い森の中で休むことにした。
「・・・これからどうする?」
「そんなの!サーヤさんを助けないと!!」
「・・・無作為に突っ込めば全滅する」
「皇さんの、気持ちも分かりますがフィーリアさんの言う通りしっかりどうするか考えてから行動しないと」
「・・・そうだね。ごめん」
皇が木の根に座ったタイミングで
「ん・・んっ・・」
アリシアが、目を覚ました。
「ここは?」
「目を覚ましたか、気分はどうだ?」
「別に悪くは・・・!そうだ!サーヤは!」
完全に目を覚まし、周りを見てサーヤがいないことに気付いた。
「どうして!サーヤがいないの!」
アリシアは、俺に縋り付き声を荒げた。
「なんで・・・なんで・・・サーヤ」
頭では理解していても心が納得できないのだろう。泣きながらサーヤさんの名前を言っているとフィーリアが近づいてきた。このタイミングで、何をするのかと思っていると
「・・・アリシア」
「・・ん?フィーリ」
パァン
名前を呼んで、顔を上げさせたと思ったら思いっきり平手打ちした。
「ちょっフィーリア」
俺は、フィーリアに声を掛けよとしたら
「・・・邪魔しないで」
強く言われてしまい、何も言うことができなかった。とりあえず、このまま流れに任せてみる事にした。
「・・・アリシア。いつまでメソメソしているつもり?そんな事をしていてもサーヤは帰ってこない。それとも、自分は安全な場所に来たからもうサーヤの事なんてどうでもいいいの?」
他のみんなも、全てフィーリアに任せたのか何も言わず見守っていた。
「・・・このままじゃ、サーヤは無駄死にだったね」
「・・まれ」
「・・・何?文句でもあるなら立ってみたら?それとも、ここにずっと座ってる?」
「だまれ!!」
アリシアは、怒った表情で立ち上がるとフィーリアに詰め寄った。
「あなたに何が分かる!サーヤはタダのメイドじゃないの!姉のような存在なの!」
「・・・そう」
「このまま、見捨てるなんてするわけないでしょ!必ず助けるに決まってるわ!」
そう言ったアリシアの目には、力強い光が宿っていた。
「・・・なら、泣いてなんかいないで考えて」
「ふん!泣いてなんかいないもん!・・・ありがとう」
「・・・また、折れかけたら煽ってあげる」
「言ってなさい」
アリシアもバカではないのでフィーリアの意図に気付いたんだろう。そのまま喧嘩せず、仲直りして友情が芽生えていた。
俺もみんなも、二人の雰囲気にホッとした。
「それで、これからどう動く?」
「向こうが強引な手段をとってきたことで、こっちにはあまり選択肢はないわ。こそっと忍び込んで宰相を叩くか正面からぶつかるか」
「城に残してきたサーヤさんや、朱堂達、リリアが心配だ。反対がなければ正面から行こうと思うんだけど」
「・・・異論はない。正面から潰す」
「そうですね。こそっとは性に合わないですからね」
フィーリアとルシフェルが賛同し、他のみんなも逃げることしかできなかった事に対して鬱憤が溜まっていたのか正面突破に賛成の様だった。
「よし!それじゃあ、チームを分けよう。城にいるリリアさん達の方に行くチームとサーヤさんを助けるチーム、そして、宰相バルトを叩くチーム」
チーム分けの結果はこうなった。
クラスメイトチームは、皇、赤城、アリサさん。
サーヤさんを助けに行くのは、俺、アリシア
宰相を叩くチームは、フィーリア、ルシフェル、ノート、ベヒモス
こういう振り分けになった。なんらかのアクシデントで変わる可能性はあるが基本的に帝国に入った瞬間このメンバーで固まる事に決まった。
「明日の朝日が出たらぶつかりに行くぞ。今日は、ゆっくり休んで明日に備えよう」
俺達は、各自眠りについたり武器の手入れをしたりと明日に備えて準備した。
一方その頃帝国の城では、
リリア視点
「諸君らには、この部屋から出ないでもらいたい。出れば牢屋に連れて行くので出ない事をオススメする」
そう言うと兵士は、外に出て行った。
「おい!どいうことだよ!俺達は勇者だろ!」
兵士がいなくなった途端、騒がしくする連れてきた勇者様方それを見ているとリーダー的存在の朱堂様が近くにやってきました。
「一体何が起きているんでしょうね」
「分かりません。ただ、ショウタさんやリカさん達が何かに巻き込まれたのは確かです」
「そうですね。サーヤさんは、牢屋に連れて行かれてしまったみたいですし」
「ここはとりあえず大人しくしておくしかないですね」
そこで、朱堂様との会話は終わり私はショウタさんの無事を窓から空を見上げながら祈った。
宰相バルト視点
「取り逃したか」
「すみません!」
「大丈夫ですよ。こちらには、サーヤがいるのですから必ずあの逆賊どもはまた来ます」
「アリシア様が連れてきたのはかなりの手練れの冒険者と噂で聞いたのですが、我々だけで守れるでしょうか?」
「大丈夫ですよ。いざとなればこちらにも強力なカードがあるので。いずれは、バレる事ですがとっておきなのでここではあまり出したくないですがね」
「その、失礼でなければその強力なカードとは?」
「それは、秘密ですよ。報告ご苦労、持ち場に戻っていいぞ」
「はっ!失礼します」
そう言って、兵士は部屋を出て行った」
「さて、どんな感じで踊ってくれますかね」
バルトは、外を眺めながら手に持ったワインを飲んで悪魔の様に微笑んだ。
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