崩れる平和
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それから、皇達が走ってやってきて朱堂と加藤が道本達を連れて行った。
「?!!」
一瞬すごい殺気を感じ、振り向くと道本がこっちを睨んでいた。
蚊帳の外に放置されたのが、ムカついたのか見えなくなるまでずっと睨んできた。
「ごめんなさい!もっとしっかり見ておくべきだった。フィーリアさん達嫌な事されなかった?」
「・・・されかけたけど」
「ショウタさんが、守ってくれたので」
再び思い出したのか、みんなうっすらと頬を赤らめていた。
「ふ〜ん。なかなかやるじゃん。それじゃあさっきの強烈な殺気は立花くんのものか」
「おっしゃる通りで」
俺は、恥ずかしくて顔を上げる事が出来なかった。
「本当に強くなったんだ」
「なるしかなかったからな」
少ししんみりとした空気になりそうなところに
「む〜、ズルい。私も守って欲しかった!」
皇が駄々っ子のようにそう言った。俺と赤城は顔を見合わせて2人で吹き出した。
「ちょっと、なんで2人して笑うの!」
俺は、平和なこんな光景がずっと続けばいいのにと思っていたが崩れる時はあっさりと崩れるんだと分からされた。
俺達が、笑い合っていると
バァン!
扉が勢いよく開き、入ってきたのはサーヤさんだった。
「姫様!大変です!」
「ちょっとサーヤ、どうしたの?」
アリシアは、サーヤさんの慌て様に何があったのか聞くと
「先程、情報が緊急の伝達でやってきて姫様が国家転覆罪で捕まると!」
「・・・え?」
アリシアは、固まってしまった。いきなりの事に頭が追いついていないのだろう。
「このままここにいては、危険です!逃げますよ!」
サーヤさんが、アリシアの手を取って逃げようとした時部屋の外からガシャガシャと鎧をきた兵士が走ってきているのが聞こえた。
「申し訳ありません。少し周りが見えていなかったみたいです。私のせいで気づかれたとバレました。ここは、私が引き止めます。なので、姫様は立花様達とお逃げください」
「ダメよ!サーヤを置いてなんかいけない!」
アリシアさんは、駄々をこねるが言い合っている時間もなさそうだった。
「立花様。アリシア様を頼みます」
何を言っても無理だと悟ったのか、俺に暗に連れて行けと言ってきた。
「分かりました。けど、サーヤさんも後で必ず助けに来ますから」
「そうですか。それは希望ができました。それでは、待っていますね。皇様と赤城様も立花様と行って下さい。ここの部屋にいたという事実があるだけで、捕まる可能性があります。例え、勇者であったとしても」
「分かりました。必ず助けますからね!」
皇がそう言って、赤城と共にこっちにやって来た。
俺はアリシアの手を掴むと
「嫌よ!サーヤが残るなら私も!」
「すまん」
俺は、アリシアを眠らせると抱きかかえ窓の近くまで行った。
「嫌な役割を押し付けてすみません」
「いいんだよ。それよりも、死ぬなよ」
「もちろん。姫様の晴れ姿を見るまで死ぬ気はありません」
若干死亡フラグっぽいが、サーヤさんならフラグを折そうな気がした。
「今の完全に死亡フラグじゃ」
「しっ!言っちゃダメだから」
サーヤさんの言葉を聞いて、後ろでそんな会話が皇と赤城の間でされていた。
俺は、窓を開けると外枠に足を掛けた。
「みんなもすぐに後ついてこいよ!」
俺は窓から飛び出し、硬質化で空気を固め足場にして城から出た。皇や赤城はルシフェルやアリサさんに抱えられていた。
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