怒る
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いつも通りに訓練し終わった後、部屋に戻ると全員集合していた。
「どうした?こんな時間から」
「今日、宰相と接触したそうね。サーヤから聞いたわ」
「あぁ、たまたま廊下ですれ違ってな。まさか宰相だとは思わなかったけど」
「たまたまなんかじゃないわ。私が、連れてきたのはどんな人物か確認しようと接触してきたのよ」
「!・・・でどう思われたと思う?」
「サーヤからの話だと大分グレーね。一応変な動きをしないか警戒はされると思う」
「すまん」
俺はこれで、無闇に行動できなくなってしまったのでアリシアに謝った。
「いいのよ。元々主な目的は私の護衛だからね。しっかり守ってよ」
「任せろ」
それから、今までアリシアが集めた情報の共有が行われた。
バルトは、宰相になってから急激に軍事力に力を入れ始め、戦力が揃い次第周りに宣戦布告をすると皇帝に言ったらしい。
最初は、皇帝や周りの貴族が反対していたのだが徐々に賛成派の方が多くなっていった。その頃から、皇帝は頭痛が酷く悩まされていたみたいだ。そして、遂にある日の会議の場で皇帝も賛成をした。それからは、バルトの独壇場だった。皇帝の賛成が得られた事で、大きな後ろ盾を得て周りの有力な貴族を囲い込んでいった。
アリシアも、異変を感じなんとかしようとするが時すでに遅く頼れそうな人物は軒並み賛成派となっており、実の姉の第一皇女までもが賛成派となっていた。
なので、外から来た俺達に協力を求めたみたいだ。
「・・・・そのバルトって奴怪しい」
「そうですね。その人に都合が良すぎます」
「何か、宰相について分かった事はないんですか?」
ノートがアリシアに質問をした。
「ごめんなさい。全く掴めないの、どこで生まれたのか今までどうやって生きてきたのか全然情報がないの。まるで、ついさっきこの世界に生まれたかのような」
俺達は、なんの情報もないハイドの事を不気味に感じた。
「よし!暗い話はここまで!分からないものをウジウジ考えているより今日何をするか考えましょう!」
「そうだ」
アリシアの意見に返事をしようとした時、
バァン!
扉が勢いよく開かれた。俺達は驚き、扉の方を見るとクラスメイト達がいた。
「うわ!本当だ!立花がいる!」
「なっ!俺の言った通りだろ!」
会話からさっすに道本が、俺の事を見かけ部屋に突撃してきたみたいだ。皇達の姿はないので、そこからバレたわけではないみたいだ。
「てか、めっちゃ可愛い子ばっかいるじゃん!」
道本が連れてきたのがチャラい奴らばっかで、そいつらは、なんの断りもなく部屋に入ってきて、フィーリア達に近づいた。
「ねぇねぇ、名前なんて言うの?」
「ここから出て、俺らと遊ばない。俺達はこう見えて勇者だから色々とできるんだよ」
フィーリア達は、見るからに嫌がりフィーリアなんて明らかに表情が嫌そうなのに喋りかけている男子に逆にすごいと思った。1人なんて、アリシアなナンパしていた。見つかれば極刑ものだ。
チャラい男子達は、フィーリア達の反応が予想していたのと違ったのか少し強引に迫ろうとフィーリア達の肩に手を回そうとした。
フィーリア達は、流石に触れられるのは勘弁ならないと思ったのか反抗しようとした瞬間
ドン!
部屋に溢れんばかりの殺気が放たれた。
全員が冷や汗を書き、チャラい男子達は顔を青ざめさせていた。全員が恐る恐る発生源の方を見ると、
「嫌がっているだろ。やめろ」
ドスの効いた低い声が出た。自分でも、こんな声が出せたんだと内心では驚いた。
「わ、分かったから。その怖い雰囲気収めてくれないか」
「便乗するわけじゃないけど、その殺気を抑えなさい。みんな怖がっているわよ」
アリシアの言葉に、周りを見るとフィーリア達も怖がっており慌てて収めた。
「すまん。フィーリア達。」
「・・・少しびっくりしただけだから、私達の為に怒ってくれてありがとう」
フィーリアは、頬を赤めてお礼を言った。
それから、他のみんなからもお礼を言われチャラい男子達は完全に蚊帳の外だった。
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