宰相
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赤城視点
「ふ~ふ~ん~」
梨華はご機嫌だった。鼻歌まで歌ちゃって。まぁあれだけ、会いたくても会えなかったんだ今は再開できた喜びに浸らせてあげよう。まぁ、彼があんなに可愛い子に囲まれているのは予想外だったけど。
それから、朱堂達と別れ自分たちの部屋に戻った。未だにどこか上の空の梨華に少しだけ言っておかなきゃいけない事があったので梨華の名前を呼んだ。
「梨華、少し真面目な話があるから戻ってきて」
「ん、どうしたの怜奈ちゃん?」
梨華のすぐに切り替えれる所は素直に凄いと思う。
「あなた、上の空で聞いていなかったかもだから改めて言っとくけどまだ立花くんが生きていた事は他のクラスメイトには教えちゃだめよ」
「分かってるよ。あの時立花くんは誰かに突き飛ばされた。弱いときに今は強いみたいだけど」
「そう。しかも帝国は結構危ない状態みたいだし、立花くん達を更に危ない目に合わせるわけにはいかないから帝国の件が落ち着いたらって事になったから」
「分かったよ。ありがと怜奈ちゃん」
私達は少し喋った後、眠った。
???視点
「ふん、あの第二皇女め。外に助けを求めたか、まぁ冒険者風情に私の計画は止められまい。すべては魔神様の為に」
城の中の部屋でそんな声が誰に聞かれることもなく闇に消えていった。
次の日
朝いつも通りに起きると、昨日聞いておいた特訓してもいい場所に向かった。外れにある訓練場に向かっている途中前から男の人が歩いてくるのが見えたので挨拶して通り過ぎようとしたら
「ちょっと待ちたまえ。君は誰かな?」
めんどくさい事になったなと思ったが、ここで嘘をつく必要はないと思いアリシアの知り合いだ言うと
「ふむ、それが誠かどうか私には分からないので少しついてきてくれないか?」
俺は、腕を掴まれ連れてかれそうになり流石におかしいと思い怪我をさせないように振りほどこうとしたが振りほどけなかった。
「?!?」
「抵抗しても無駄ですよ。さぁ行きますよ」
俺が連れてかれそうになっていると
「お待ち下さい。その方はアリシア様のご友人です、どこに連れていかれるのですか?」
サーヤさんがタイミングよく通りかかってくれた。
「おや、サーヤさんではないですか。専属メイドのあなたが言うならそうなのでしょうね。これは失礼しました」
男はそう言って握っていた手を離した。
「それでは、失礼します」
軽く会釈をしてから、歩き去っていった。
「思っていたより、弱そうですね」
去っていく時何か呟いた気がしたが小さくて聞こえなかった。
「大丈夫でしたか?立花様」
「えぇ、大丈夫です。それと、助かりました。ありがとうございます。それで、あの人は?」
「あの方は、バルト・ロメオ。この国の宰相です」
「!!!」
俺は予期しないところで、アリシア達の敵に出会ってしまったみたいだ。俺は、もう一つに気になる事を聞いてみた。
「バルトさんは、武の方はどうなんですか?」
「そちらは、ご心配なく。それは完全に素人だと分かっていますので」
「そ、そうですか。教えてくれてありがとうございます」
言葉に詰まりながらもなんとか普通に話す事ができた。確証が無い今下手な事を言って混乱を招くのは良くないと判断し言うのをやめた。俺はこの時言っておかなかった事を後悔する事になる。
「それでは、私は業務に戻りますのでここで失礼します」
「あっはい。ありがとうございました」
少し考え事をしていて、反応が遅れてしまった。別れた後、俺は訓練場を目指しながら先程考えていた事を思い出していた。
(怪我をさせないように、手加減したとはいえ武が完全に素人の人間があんなに力が強い事なんてあるか?あるか。でも、こんなに強いか?)
俺は、握られていた手首を見ると真っ赤な手形がついていた。俺は、とりあえず忘れる事にして訓練場を目指した。
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