久々の平和
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「これで、終わりです」
ルシフェルが、そう言うとちょうど5分が経ち元の姿に戻った途端疲労がルシフェルを襲い倒れそうになったところをベヒモスが受け止めた。
「おっと、反動がきつそうだね」
フィーリアは、ベヒモスの敵意も何もない純粋な優しさに満ちた声を聞いて駆け寄るのをやめ、歩いて向かった。フィーリアもずっとベヒモスの周りを支配していた影響でとても疲れているのだ。
「・・・・・あなたの目的は何?」
フィーリアは、ベヒモスの近くに来ると質問をした。
「ん?何のことだ?」
「・・・惚けないで、貴方はすぐに倒そうと思えば私たちを倒せたはず。なのに、私達いやルシフェルのかな、限界を引き出す為にあえてギリギリの戦いをした。それはなぜ?」
「そこまで、バレているとは中々いい目を持っている。ふむ、まぁいいかバラしても、理由はだな」
「それは俺から話すよ。ベヒモス」
「・・・ショウタ!」
「ショウタさん!」
「2人とも、良くやったよ。特にルシフェル、覚醒状態になれたのは凄かった」
「・・・・説明して」
フィーリアは、少し怒った表情で説明を俺に求めてきた。
「俺は、ベヒモスが人化した時にこの状況をルシフェルなる為に使えないかと考えていたんだよ。そして、あの蹴りをくらう前にベヒモスから提案された《我に任せよ》ってな俺の考えが読まれていて、全くその時敵意は感じなかったから蹴りを受けあのまま戦闘から離れた。まぁ、受けた直後は痛みで悶絶させられたんだがな」
俺は最後、ベヒモスの方を睨んでいった。
「いいじゃろ!少しぐらい溜まった鬱憤を晴らさせてくれても!それに、油断しておる方が悪い!」
ベヒモスは、負けじと言い返してきて、まぁその通りなので何も言えなかった。
そこに
「・・・じゃあ、ショウタの作戦だったの?」
「ん?あぁ、途中からはね。でも、何とか上手くいって良かったよ」
フィーリアは顔を俯かせながら、こっちに近づいてきて目の前で止まった。
「どうした?フィーリア?何処か痛いところでもあるのか?」
心配で声をかけたと同時にフィーリアは顔を上げるとそこには涙で目を滲ませたフィーリアがいた。そして、拳を作り俺の胸を殴った。何の力も入ってないパンチだったが
「・・・・もうこんな事しないで、どれだけ心配したと思ってるの」
フィーリアの言葉を聞き、流石にあの状況でやる事じゃなかったなと反省した。フィーリアは、何度も拳でポスポスと殴ってきた。
「悪かった。俺にできる事であればなんでもするから許してくれないか?」
「・・・何でも?」
「え?俺にできる範囲でだぞ」
「・・・・なら、大丈夫。ショウタにしかできないから。私達とデートして」
「・・・ん?」
「・・・・私達3人とデートして」
「え、えぇぇぇぇ!!!」
俺は、何か物をねだられるものだと思っていたら結果は全く違うものだった。
「・・・・いや?」
今度は違う意味で、目をウルウルさせるフィーリア。
「うっ、嫌じゃないです」
俺は、フィーリアの上目遣いに負けた。可愛い女の子にそんな目を向けられて断れる男がいたら俺の目の前に連れてきて欲しい。
俺が、了承すると先程までの涙が嘘だったかのように消えて、笑顔を向けてきた。これは、ハメラレタなと思ったが別に俺も嫌な事ではないのでまぁいいかと思った。
それから、街の方に向かっていた魔物達は冒険者達の頑張りで何とか持ち堪え、俺達が後ろから挟撃して全滅した。
街には、久々に笑顔が戻り活気も戻ってこようとしていた。
俺達は、本来ならギルドに報告しなくちゃいけないのだが疲れているだろうとのウォーレンの判断で、報告は明日することになり、宿に戻るとすぐに眠りについた。
次の日、身体に上に何か乗っている重みで起き自分の身体を見るとそこには、ベヒモスがいた。
「は?」
ベヒモスは、気持ちよさそうに、寝ており起きる気配がない。それよりも、どうしてこんな状況になっているのか昨日の夜の事を思い出そうとしたが全く記憶になかった。記憶にないが今この状態を3人の誰かに見られでもしたらまずいと思いとりあえずベヒモスをどけようとした時、扉が開いた。
「・・・ショウタ。寝過ぎもう昼だよ、そろそろギルドに・・・」
どうやら今はお昼らしく、寝過ぎた俺を起こす為にフィーリアが入ってきた。フィーリアは固まり、俺も固まった。先に硬直からとけたのは俺でとりあえず朝の挨拶をした。
「おはよう」
俺の挨拶で、硬直がとけたのか
「おはよう。で、これは?」
そう言って、ベヒモスを指さした。俺にも何がなんだか分からないので正直な話した。
「いや、俺もさっき起きたらベヒモスが上に乗っかっていたんだよ。だから俺にこの状況が分からないんだ」
一応嘘はついていないと判断されたのか、フィーリアの怒気が少し収まった。
「・・・・それじゃあ、元凶に聞いてみないとね」
そう言うと、フィーリアはベヒモスの頭を叩いた。流石、ベヒモスフィーリアは結構力一杯叩いているのに全く起きる気配がない。それから、何回か叩き続けると
「う〜ん、なん誰じゃさっきからペシペシと叩くのは」
ベヒモスがようやく起き上がった。フィーリアは叩き続けた事によって呼吸が乱れていた。
「さっきから、叩いておったのはフィーリアか、何ようだ?」
「はぁはぁ・・・・どうしてショウタの上で寝ていたの?」
「そんなの決まっておろう、昨晩こやつと・・・な?」
ベヒモスは、意味深な事をフィーリアに言った。それを聞いたフィーリアは再び硬直。俺は、逆にベヒモスに詰め寄った。
「おい!ふざけるな!そんな事あるわけないだろう!冗談だったって今すぐにフィーリアに伝えろ!早く!」
「何をそんなに焦っておる。それに、冗談じゃなかろう?」
ベヒモスは器用にも頬を赤く染めると言う事をした。
「ばか!そんな事したら・」
「したら?」
俺とベヒモスは、フィーリアの方を向くとプルプルと震えており顔を上げ俺の事を涙目でキッ!と睨むと平手打ちが飛んできた。フィーリアは、走って部屋を出て行った。
「あぁなる。フィーリアは普段はしっかりしてるけど、まだまだ俺と同じ子供なんだから遊ぶのは程々にしてくれよ」
俺は、赤くなったほっぺたをさすりながらベヒモス言った。
「今後、この手のからかい方はせんよ。彼奴らに悪い」
「俺は?」
「お主は男だろう。甲斐性を見せろ、さてと、少し謝りにでも行ってくるかのぅ」
ベヒモスはそう言うと、ベッドから降りては部屋を出て行った。
「はぁ〜、とんだ目覚めになったよ」
俺は1人呟き、ギルドに行くために着替える事にした。
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