人化と覚醒
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俺達が、ベヒモスの次の動きに警戒していると次の瞬間ベヒモスが飛んだのでなく跳んだ。
「なっ!?」
あの巨体が、跳べる事にも驚いたがその高さに1番驚いた。ビルの10階ぐらいまでは到達していたと思う。
「避けろ!」
俺達はそれぞれ、ベヒモスの落下地点から離れた。そして、ベヒモスは落ちた。
ドガァァァァ!!!
まるで、隕石が落ちたかのような衝撃が地面を伝わり後方の冒険者達にまで届いた。俺達は、何とか倒れないように踏ん張り土煙がモウモウと立ち込め、風が吹き土煙が晴れるとそこにはベヒモスの巨体がなくなっていた。
「どこに行った?」
ベヒモスが落ちてきて、大きなクレーターとなっていた場所に小さな下に続く穴があった。
すると、いきなり俺の真下から何かが攻撃を仕掛けてきた。下からのアッパーを、何とか避けるが小さな影はくるっと空中で身体を捻り、回し蹴りを放ってきた。仰け反る形でアッパーを避けていた俺はその攻撃をモロに腹にくらった。
「ぐふっ!」
そのまま後ろの木を、何本か倒して止まった。
「ショウタさん!」
バラバラに散っていた3人は、一旦集まるのが最前だと判断し俺の近くに集まってきた。
「・・・大丈夫?」
「あ、あぁ。いい蹴りだった。強いぞ。それにしても、何者だ」
起き上がり、前を向くとちょうど土煙がはれた。そこには、小さな女の子、見た目的には小学4年生くらいの身長だった。しかし、その女の子には人間には絶対にないものがついていた。頭に2本の角、そして後ろからは尻尾が生えていた。身体の一部には鱗がついておりそれが剥がれたり傷がついていたりどこかベヒモスの面影があった。
「君は一体誰なんだ?どうしていきなり下から攻撃なんか」
「・・・我が誰だと人間。先ほどまで戦って、これほどまでボロボロにしてくれたというのに誰だと」
何かマズい事でも言ったのか、女の子から凄まじい怒気が飛んできた。
「・・・まさか、」
「どうやら、そこのおなごは気付いたみたいだな」
「・・・それでも、いや、あれはおとぎ話じゃ」
「おい、フィーリア!何に気付いたんだよ!」
俺やフィーリア以外の二人も目の前の女の子が誰か分からなかった。
「・・・あれは、多分さっきのベヒモス」
「・・・・・は?」
フィーリアから告げられた驚きの事実に、思考が停止した。
「本当なんですか?フィーリアさん」
「・・・私も見たことはない。昔読んだ絵本のおとぎ話に人の姿になれる魔物がいるって」
「そこのおなごの言うとおりだ。我は先ほどのベヒモスよ」
本人からの告白に俺とルシフェル、ノートは大きな声を上げた。
「「「えぇぇぇぇぇ!!!」」」
「うるさいのぉ」
「・・・感動」
フィーリアが、初めて会えた事に感動していた。
「さて、戦いの続きをするとしようか」
そう言った、ベヒモス人バージョンは拳を構えた。俺達は一瞬で戦える体制に入った。目の前からベヒモスが消えた。俺は嫌な予感がし、右腕を硬質化させ頭の右側に持っていくと強い衝撃を感じた。
「ぐっ!」
衝撃を感じた方を見るとそこには、ベヒモスが蹴りをした体制でこっちを見ていた。
(おっも!しかも早すぎるだろ!何も見えなかった)
ガードできたのが奇跡だと思えるぐらい、実力に格差があった。ベヒモスはまず俺を潰すつもりなのか、体制が崩れているところを追撃してこようとしたが横から魔法が飛んできて追撃をやめ魔法を殴った。俺はその間に体制を整えたが、目の前で起きた光景に驚きを隠せなかった。魔法を撃ったフィーリアなんかは想定外の魔法の無力化に口が開きあほ面をしていた。
「今のをよく防いだな。それと、これしきの事でそんなに驚くな」
「いや、無理だから!」
つい、突っ込んでしまった。
「それと、意思疎通が取れるなら戦うのやめることもできるよな?」
「我をそんなに止めたきゃ、我を膝をつかせるんだな」
そう言いつつ、挑発するかのように手をこまねいた。
「それしか方法がないのか・・・」
「来ぬのならこちらから行くぞ」
また目の前から消えて、
「きゃあ!!」
ノートの悲鳴が聞こえ、そちらを向くと耳の横でボソッと呟き
「しまっ!」
パァン!!
頭を思いっきり蹴られ、吹っ飛んでいき意識が沈んでいった。
ルシフェル視点
「・・ショウタ!!」
「ショウタさん!!」
「このままでは、お主たちは負け守りたいものが守れなくなるがいいのか?」
ベヒモスが、守りたいものを守れないと言った。そんなのは嫌だ。あの楽しい空間を誰にも壊させたりしない。ショウタさんがいてフィーリアさん、最近仲良くなったノートさん。みんなが笑いあっているあの空間を見るのが私は好きなんだ。外からそれを見ているとショウタさんがそんな私に気付いて手を引っ張って輪の中に入れてくれるそんな幸せな時間を壊されてたまるか。まだ、もう半分の力を使うのは怖いけどあの時間をもう二度と味わえない方が怖い。
「私は、守る!あの空間もみんなも!!!天魔の力!!」
力に対して恐れがない状態だからなのか、今まで使えなかったのにあっさりと使えた。髪が黒と白に染まりそれと同時に翼も半々になった。使えるようになったが制御は甘く暴走寸前だった。
「くっ!!!」
「・・ルシフェル!!!」
フィーリアが、心配げば声を上げ近づこうとしたがそれをルシフェル自身が止めた。
「見ていてください!!」
「ふむ。天使と悪魔のハーフかこれまた珍しい。しかし、力が暴走しているな。早めに気絶させるか」
最後の方に言った言葉は、小さくて聞こえなかった。最も今のルシフェルに周りを気にする余裕などないが。
(これは・・きついですね。ここまで制御が難しいなんて。このままでは、暴走してしまいます)
何とか制御下に置こうと頑張るが、すでに暴走寸前だった。すると、ふと後ろから誰かに頭を撫でられる感覚がして振り返るとそこには何もいなかったが
『よく言ったね。少しだけ力を使う手助けをしてあげる』
頭の中に、声が響き。先ほど頭を撫でてくれた人だと直ぐに分かった。そして、暴走寸前だった悪魔の力を制御するのが楽になった。
『もう大丈夫。でも、いま使えるのは持って5分だよ』
そう言って、声の主は消えていった。
「ありがとう」
ルシフェルは何となく声の主の正体が誰なのか分かっていた。
「ん?急に制御ができておる。まぁいい、これで思う存分戦えるな」
「そうですね。お待たせしました。それでは、この力あなたで試させてもらいます!!!」
ベヒモスと時間制限付きの覚醒したルシフェルの戦いが始まろうとしていた。
覚醒後のルシフェルのステータス
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ルシフェル 17歳
悪魔と天使の子
体力 A
魔力 S
力 A→S
素早さ A→S
器用 B→S
幸運 C
スキル
飛行 白翼の翼 黒翼の翼
EXスキル
天魔の力(残り5分)
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