複合魔法
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どうやって倒すか考えている間にも、ベヒモスは一歩ずつ街に近づいていく。
俺は少し離れ、錬金魔法を発動。次の一歩目の所に大きな棘を作り出し、限りなく最高まで硬くさせた。次の瞬間、
ドガァン!
棘は、刺さる事なく壊された。
「マジかよ。足の裏まで硬いとか」
硬質化と錬金魔法に、自信があっただけに少しショックを受けた。
他の2人も、攻撃を仕掛けているが効いている様子はなかった。フィーリア以外の俺達は、まだ大規模な攻撃ができない。いずれは、できるようになりたいが今無いものを願っても仕方ないので最後の希望として、フィーリアに託す事になった。
フィーリアは、左右の手をベヒモスに向けた。
「・・・鉄のように硬い。なら、ショウタから教えて貰った知識を活かして。燃やせその罪を、照らせその姿を、原初の炎は今大地に降り立ち大地の穢れを焼き払う」
魔法を発動させず、左手に待機させもう一つの魔法の詠唱を開始した。
「・・・眠れ永久に 凍れ永遠に 万物を凍らせ 大地を白く染め上げる 」
「・・・原初の炎」
もう一つ、魔法を発動させると夜であるはずなのに今一度太陽が現れベヒモスに直撃、太陽の表面温度は6000℃、中心部に関しては1600万℃になる。それを直撃したベヒモスは流石に痛みを感じたのか苦しそうな鳴き声を上げた。
「ぐぅぁぁぁぁぁ!!!」
太陽が直撃して、苦しそうな声を上げるだけで済んでいるのは流石、異世界の魔物と言うべきか、ベヒモスを褒めるべきか。
フィーリアは、太陽を消すと今度はもう一つの魔法を発動させた。
「・・・氷の息吹」
先程まで、溶けたガラス状になって赤くなっていた地面が一瞬で冷まされベヒモスの周りだけ世界が凍った。
その瞬間、大きな爆発が起きた。大きな衝撃が俺達を襲い吹き飛ばされないように耐えるので精一杯でベヒモスがどうなったか確認する事はできなかった。
衝撃がやみ、ベヒモスの方を確認すると倒す事はできなかったが大きな負傷を負わせる事はできたみたいだった。
所々、鱗が剥がれ身体の至る所に傷ができていた。
フィーリアが、やった事は簡単だ。急激に周りごと熱し、冷ます事によって鱗を脆くした後に急激な温度の変化による空気の膨張によって引き起こされる爆発でベヒモスにダメージを与えたのだ。
「・・・複合魔法 熱冷爆破」
この世界で初めて魔法の力と科学の知恵が合わさった瞬間だった。まぁ、ここまで大規模な力の行使ができるのはフィーリアしか今のところいないが。
ベヒモス本体はというと鱗が脆くなっていたり、そもそも鱗が無くなっている場所があったので攻撃が効くのではと思い
弾生成で弾を作り、撃った。弾は弾かれ事なく、そのままベヒモスの身体を貫通した。
「よし!攻撃が効くようになった。ルシフェルはそのままフィーリアが復活するまで護衛しつつ、後ろから攻撃。俺とノートは、前に出てベヒモスに攻撃を仕掛けるぞ!」
「分かりました!」
「はい!」
ノートは、瞬間的に身体強化をMaxにして突っ込んで行った。その勢いのまま鱗のないところに剣を振り下ろし肉を斬っていた。
「ギャァァァァァ!!!」
今まで、硬い鱗に守られていて痛みという痛みを感じてこなかったのか大きな悲鳴を上げた。俺もノートに続き、即席で作った剣で斬り弾を沢山作り撃ち出した。叫び声が上がり、ベヒモスはようやく俺たちの事を認識するとベヒモスは口を大きく開けた。ブレスがくるのかと思ったが、予想は外れ咆哮が当たりに響いた。
「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
「ぐっ!」
その巨体から繰り出された咆哮によって俺達をベヒモスから離された。ベヒモスは、まず最初に自分の身体をめちゃくちゃにした。フィーリアに標的を定めた。前足で潰そうとしたが、フィーリアはルシフェルに抱えられてその場から離脱。俺はそこに棘を設置。今度は壊される事なく、足の裏から貫通した。
「よし!」
すると、ベヒモスがこちらに顔を向けてきた。
「気を付けて!ブレスがくる!」
ルシフェルがそう言った瞬間、ベヒモスが口を開けると熱を持った光線が飛んできた。俺は浮遊を使い、空中を硬質化させその場を離脱。間一髪で離脱に成功した。ブラスが当たった後ろの山は綺麗に消し飛んでいた。
「当たったらひとたまりもないな」
俺は冷や汗をかきながら、視線をベヒモスに戻した。
「・・・ごめん。今戻った」
フィーリアが、戦線に復帰し第二ラウンドが始まろうとしていた。
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