色欲
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俺は、ホッとしたのも束の間すぐにフィーリアの元に走り抱えると男の前から離脱した。
男は、ずっとアリサさんの方を向いており俺達の事なんて眼中にもないようだったが、今それがありがたかった。
「おやおや、この時代にまだあの時の様な強い者がいるとは驚きです。ん?貴方はエルフですか。ならば、生きていても不思議ではないですね」
「随分と昔の事を知っているみたいだけど、貴方は誰なのかしら?」
「これは、失礼しました。私は7つ大罪の魔人の1人色欲のアスモデウスです。あっ今は6つの大罪ですね。よろしくお願いします」
「魔人?!」
「その反応は、我々を知っていますね。おや?どうして震えているんですか?」
正直色んな情報が沢山出てきて、頭が一杯一杯だったけど今はアリサさんの前に出なければいけないと思った。
「立花くん!?無理をしなくていいわ!」
「ダメです。震えている女性を盾にして後ろにいるなんてできません!」
「盛り上がっている所悪いのですが、そこのエルフはいいのですが、貴方はダメです。弱すぎます」
そこから、一方的な戦いが始まった。ステータスでも技量でも完全に上をいかれ下手な小細工は通用せず、防戦一方だった。いや、防戦できていたかも怪しかった。その間、アリサさんは過去のトラウマがフラッシュバックしたのか更に震えは強くなりもう戦える状態ではなかった。
「ほら!どうしたのです!そのままでは、エルフ1人守れませんよ!」
アスモデウスの言う通りだ。今なんとかしのげているのはアスモデウスが遊んでいるからだ。俺がいつまで持つのかと。
「くっ!」
次第に浅い傷が増えていき、動きに精細さが欠けると焦って大きな隙を晒してしまった。アスモデウスは見逃す事なく腹に強烈な蹴りを放った。
「ぐふっ!!」
俺は口から血を吐き出し、後ろの木を何本もへし折りながら飛んでいった。
アスモデウスは、その間にアリサさんに歩いて近づいていった。
「やはり、つまらないですね。エルフの貴方には期待したんですが、その感じ、親しい者が殺されましたか。今、同じ所に送って差し上げますよ」
アスモデウスはそう言って、アリサさんを殺そうと剣を振り下ろたが、いきなり下から出てきた棘に塞がれた。
「させる・・わけ、ねぇだろ。はぁ、はぁ」
「しぶといですね。貴方は。先に貴方から殺しましょうか」
すると、後ろの方で大きな爆発があった。俺とアリサさんは、街のある方を振り向いた。
「先に向こうが持ちませんでしたか。今一つの防衛網を魔物が突破しました」
「なっ!フィー」
「立花くん!ここはいいからいっ!!」
俺は、フィーリア達にこの場から離すために向かわせようとしたら、アリサさんが、いきなり手のアザを押さえた。
「くぅ・・・うぅ〜・・・」
苦しそうな声を出して、何かに耐えているアリサさんにフィーリア達に街の方に行けた指示を出した後近寄った。
「アリサさん!大丈夫ですか?」
俺が心配していると、アスモデウスは
「おや?おやおやおや!!!まさか、まさか! そこのおられたのですね我が主よ。それに、弱すぎて気づきませんでしたが、先に我らが主を守っていたのですね。暴食よ」
いきなり興奮し始めたかと思うと、よく意味のわからない事を言い出した。
「なるほど、負のエネルギーを集めればいいのですね。これは他の者たちにいい報告ができそうです。今日は気分が良いのでここら辺で帰るとしましょうかね。後一つ、今日の夜、気をつけた方がいいですよ。それでは我らが主、再開できる日を楽しみしています。同胞の暴食よ来る日まで我が主を守るのを任せます。では」
そう言って、アスモデウスは消えたいった。
色々と整理しなきゃいけない情報が沢山あったが大きな脅威が去った事によって気が抜けて俺はその場に倒れた。正直立っているのも限界なほどダメージを受けていた。
アリサさんが俺の名前を呼ぶ声が聞こえるが段々と遠くなっていき返事をしなくちゃと思ったところで意識を失った。
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