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勇者ではなく英雄に  作者: fusaberu
魔物騒動
32/190

3人目

アクセスありがとうございます!

最初に異変に気付いたのは街の城壁にいた兵士だった。一週間たっても何も起きず警戒心が薄れているときふと街の外側を見ると黒い何かが蠢きながら街の方に近寄ってきていた。兵士にはそれが何か分からなかったが異常な事であることは判断できた為、すぐに警戒の鐘を鳴らすように指示を出した。


鐘を鳴らしてすぐに、ギルドマスターとアリサは城壁の上に行き遠くを見た。二人は蠢く黒い何かがすぐに分かった。


「これは、圧巻だね・・・」


「今からじゃ避難は間に合いませんね」


近くにいた、最初に異変に気付いた兵士が二人の会話を聞きあれがなんであるのかを聞いた。


「すみません。自分には分からないんですが、あれは何ですか?」


「あれは、・・・すべて魔物だよ。今回のスタンピードのね」


「・・・・え」


兵士はあれが全て魔物と言われ固まった。


「しかも、もうすぐ太陽が落ちる。そうすれば・・」


「えぇ、今回は月がありません。なので、相当強いはずです」


更に区報を聞き、兵士は絶望した。


「警戒を薄れたところを叩く、何か人為的な思惑を感じるな」


「そうですね、まるでねらっつ!!」


アリサは喋っている途中で、いきなり手首を抑えた。


「どうした!?」


アリサが抑えていた手をどかすとそこには手首をぐるっと回る何かの模様が描かれていた。


「・・これは?」


身に覚えのない模様に困惑するが痛みが治まったので、今は目の前の事態に対処することにした。


「大丈夫です。今は目の前の事に」


「分かった。だが、何かあればすぐに報告するんだぞ。こんなところで、英雄様に死んでもらっちゃかなわないからな」


ギルドマスターのウォーレンは、茶化すように言った。


「辞めてください。私は英雄なんかじゃ」


アリサはそう言って、立花たちの元に向かった。


「あの・・・アリサさんが英雄って」


「ふぅ・・兵士くん。今聞いたことは他言しないようにね」


ウォーレンの、真面目な声音に兵士は勢いよく返事をした。内心では勘弁してくれと思いながら。



街の鐘が鳴ってから少しするとアリサさんがやってきた。


「スタンピードが起こったわ。相当な数よ」


アリサさんの、第一声で俺たちの中に緊張感が生まれた。


「それで、俺たちはどうすれば?」


「最大戦力は取っておくと言ったのに、こんな事言うのは嫌なんだけど迎撃態勢が整うまで前線で戦ってほしいの」


アリサさんが言うには、警戒が薄まった時を狙われ対応が間に合ったいないらしい。そこで、俺達や他の高位冒険者たちと少しでも時間稼ぎ兼数を減らしてくれという事みたいだ。


アリサさんは申し訳なさそうな表情をしていた、そんな表情はしてほしくはなかったので


「任せてください。なんなら俺達だけで全滅させて見せますよ!」


俺は少しでも心配させまいと自身満々にそう言った。


「・・・ふふっそうね。あなた達に心配は無用だったわ。それじゃあ、頼みます」


申し訳なさそうな表情から笑顔になり最後はギルドの街の代表としての真面目な顔で


「この街を守ってください」


そう言った。守ってくれと、お世話になった人に言われた。俺たちは元気よく


「「「はい!!!」」」


俺たちは急いで城壁の方に向かった。


俺たちが出て行った後、ノートとアリサさんが残った。


「ノートはどうする?その戦う力は望んで手に入れたものではないから無理に戦ってなんて言わない。自分で決めなければ戦場では命取りになる」


「私は・・・」



一方俺達は城壁の上にたどり着いた。


「ノートは来ると思うか?」


「・・・・あの子は来る。必ず」


フィーリアの力強い言葉に、何も言えないでいると


「来てくれたか」


ウォーレンさんがいた。


「今から前線に出ます」


「すまない。こんな危険な事を頼んでしまって、合図は大きな音が鳴るその音が鳴ったら帰ってきてくれて大丈夫だから」


「分かりました。まぁ、整う前に全滅させてやりますよ!」


「ははっ!君なら、本当に実行できそうで言葉に説得力があるよ」


ウォーレンさんと軽口を交わし、外に出ようとした時後ろの方から


「待ってください!!」


聞き覚えのある声が聞こえた、振り返るとここまで全力で走ってきたのか息を切らしているノートがいた。息を整えると


「私も一緒に戦います!」


ノートは戦う術は持っているが、村娘だったのだ。本当に覚悟があるのか聞いた。


「本気か?街の中にいれば今から行くところよりかは安全だぞ」


「本気です!私は皆さんと一緒に戦いたい!一人だけ街の中で待っている事なんてできないです!」


そう言った、ノートの目は覚悟をしっかりと持っている目だった。


「そうか、正直助かる。ありがとうな」


俺は素直にお礼を言い、前を向くとそこにはフィーリアがいた。


「・・・・言った通り」


ドヤっとするフィーリアの額に軽くデコピンをして


「ほら、行くぞ。三人とも油断するなよ」


俺達は新た仲間となったノートを連れて魔物の前に向かった。



最後まで読んでいただきありがとうございます!


少しでも興味を持った方、続きが気になった方は


お手数ですが、ブックマークと下の方にある☆で評価をして頂いたら励みになります!


次は戦闘に入ります!

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