表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者ではなく英雄に  作者: fusaberu
魔物騒動
27/190

ナニカ

アクセスありがとうございます!

「すみません。お見苦しいところをお見せしました」


5分くらい泣いた後、ようやく落ち着いた。


「いや、大丈夫だけど。どうして急に泣いたんだ?」


「説明すると長いんですが、聞きますか?」


「聞いてもいいなら」


そう答えると、ノートは話し始めた。


「ある小さい村に普通の女の子がいました…」


その村には、子供が少なく女の子を合わせて10人程しかいませんでした。それ以外は、おじいちゃんやおばあちゃんばっかりで貴重な子供はそれは大切に愛情を注がれ育てられました。


女の子には、よく遊ぶ2人の友達がいました。親友といっていいほど仲が良かったです。


しかし、女の子が10歳の時大きく運命の歯車が狂い始めました。

よく遊ぶ友達のうちの1人の男の子が、大人達に絶対夜に森には入ってはいけないと言われているのに抜け出して入って見ようと言い出しました。

女の子ともう1人の友達の女の子も子供の好奇心でそれに賛成しました。


そして、夜になり3人は森の中に入っていきました。昼間と全く違う森の様子に怖がりながらも女の子は2人について行きました。男の子は、勇敢なのか馬鹿なのか怖がる事なくドンドン森の中に入っていきます。


10分くらい歩き、段々と森の雰囲気にも慣れてきたころ。3人は何故大人達が森に入ってはいけないのか知る事になりました。


突如魔物でもない、何かよく分からない()()()が3人の目の前に現れました。


その()()()を見た3人は、本能で悟りました。あれは、出会ってはいけないものだと。3人は一目散にその場から走り逃げ出しました。1秒でも早くこの森から出る為に。けど、どれだけ全力で走ったところで所詮子供の走りです。すぐに()()()に追いつかれそうになりました。


そこで、男の子は全員でなんとか生き残るのではなく誰を犠牲にして生き残るかを考えたのです。



そして、私を突き飛ばしました。


男の子は、もう1人の女の子に好意を寄せていました。それは、誰の目から見ても分かりやすいほどに。けど、この状況でそんな選択をするとは思っていませんでした。私は、抵抗する事もできず()()()の前に転びました。


そのまま、男の子は女の子の手を引いて走り去っていきました。ここで、そっちを追っかけてくれれば良かったのですが私のところで止まりました。

私は、恐怖と混乱で動けませんでした。


そして、次の瞬間その()()()は私の中に入ってきました。


いきなりの事に、頭が真っ白になったが何も異常は無く落ち着こうして時身体中を針で刺されたかのような痛みに襲われました。気絶できれば楽だったのに、痛みに襲われ続けるせいで気絶する事もできませんでした。 地獄の時間が10分、1時間かどれだけ経ったのか分かりませんでしてがさっきまでの痛みが嘘だったかのように痛みがなくなりました。


太陽が、昇り始めていてので結構な時間だったのだと理解しました。


女の子は、とりあえず無事だった事に嬉しくなり早く村に戻ろうと走って森の出口な向かいました。


周りの木が、急速に枯れていっているのに気づかず。そこで、異常に気づいていればあんな悲しい事は起きなかったかもしれません。


森から出ると、大人達が私の名前を呼んでいました。その中には、私の両親の声もありました。私は涙で、目の前が霞ながら懸命に走りました。


そして、ようやく森から出ると両親と目が合いました。私は走って向かうと、最初は父も母も喜びの表情をしていたのに私が近づいていくと段々と険しい表情になっていきました。


とまれっ!


両親の聞いたことない声で怒鳴られ私は驚き止まりました。

私は勝手に森に入った事を怒っているのだと思い謝ろうとしましたが両親はこっちの話を聞いてくれませんでした。


しかも、事実が捻じ曲げられていました。私が、2人を連れて森に入った事になっていたのです。周りを、見回すと私を置いていった2人がいました。どうやら大人達の異常な雰囲気に全ての責任を私に押し付けたみたいでした。2人には、心配するような優しい声で語りかけ、逆に私は怒鳴り声を浴びせられました。


私は、泣きそうになりましてがなんとか許してもらおうと森では何もなかったと嘘をつきました。


その嘘はバレないと思っていましたが、すぐにバレさらに怒鳴られ怒りの視線の他に恐怖の視線が向けられるようになりました。


私は、その場所に留まる事ができなくなりました。両親にすら信じてもらえず、尚且つ私を置いていった悪いはずの2人との扱いの差。身体の痛みではなく、心の痛み、10歳の子供が耐えられなくなるのは当たり前でした。


私はその場から森の方に向かって走り去りました。けれど、森を入ってすぐのところで立ち止まりました。もしかしたら、両親が追いかけてきてくれるかもと思って。けれど、どれだけ時間が経っても両親が追いかけてくる事はありませんでした。


私は、下を俯きながら歩きました。どこに行けばいいのかも分からず。下を向いて歩いていると下に水溜りがありました。そこで、何故森で何もなかったと言った嘘がすぐにバレたのか理解しました。


私の瞳は両方とも青色だったのに、左目だけ金色に色が変わっていました。

 

私は、もう限界でした。感情の波が押し寄せてきて溢れ出しました。悲しみという感情が。それに、呼応するかのように左目が輝き、周りの木々が急速に枯れはじめました。


それから、何日か森を彷徨っている時にアリサさんに出会ったんです。


「そして、今に至ります」


「辛い事を話させてしまってすまない」


俺は、話を聞いて気軽に聞いていいもんじゃなかったなと思った。


「いえ、気にしないで下さい!今は十分幸せですから!」


そういう彼女の笑顔には、少し陰りがあった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!


少しでも興味を持った方、続きが気になった方は


お手数ですが、ブックマークと下の方にある☆で評価をして頂いたら励みになります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ