上には上が
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冒険者A ちなみに名前はヤーラレと言うらしい。野次馬達がそう呼んでいたのが聞こえた。
そのヤーラレは新しい模擬剣を手に取り、フィーリアは魔法使いのため何も持たず真ん中に立った。一応戦闘時は護身用の短剣を持っているが今回はいらないだろう。
飛び級制度を兼ねた、戦いはギルドマスターの声で始まった。
フィーリアが何も持っていな事を見て、魔法使いと判断したのか接近戦に持ち込む為にさっきの様な無鉄砲な突進ではなくなっていた。
しかし、フィーリアにそんな事は関係がなかった。無詠唱での障壁を前側に展開ヤーラレは障壁に衝突。ウィンドボールを障壁にぶつかり少し脳が揺れているヤーラレに当てた。初級魔法に関しては一切のロスなく撃てるので一般の魔法使いのウィンドボールと比べると天と地ほどの差がある。
魔法に当たったヤーラレは、壁まで吹っ飛んでいった。審判の判定がされるまで終わりじゃないと思っているのかフィーリアは次の魔法を発動待機させ一歩一歩歩いて近づいていくと
「まっ待ってくれ、降参!降参する!!」
少しは、手加減したのかすぐに起き上がってきてもう戦う意志はないと言ってきた。
「ヤーラレの降参宣言のより、フィーリアくんの勝利!」
ギルドマスターがそう言って、フィーリアは待機させていた魔法を解除した。
俺は、降参宣言も何もこれは試験だったはずなんだがと思いながらもスッキリとした表情をしているフィーリアを見て些細な事だなと思った。
「・・・・約束通り、謝って」
フィーリアは、しっかりと覚えておりすごすごと帰ろうとしていたヤーラレに声を掛けた。
「くっ!悪かったよ!これでいいか!!」
腹を押さえながら、乱暴に謝ったかどうか分からない事を言うと
「・・・・・・」
フィーリアの無言の圧がヤーラレを襲った。どうやらダメみたいだ。ヤーラレはフィーリアの圧に屈して
「すみませんでした!」
ヤーラレはそう言い残して訓練場を去っていった。一応今ので納得したのかうんうんと首を縦に振って満足したかのように戻ってきた。
「満足したか?」
「・・・・・うん」
「私は、どの方が相手するんですかね?」
フィーリアは試験できたが試験官役のヤーラレがどっか行ってしまった為ルシフェルの試験はどうなるのかと心配していると
「今相手を探しているから、少し待ってくれ」
ギルドマスターが近づいてきてそう言った。
しばらく雑談して待っていると、ギルドマスターが渋い顔をしながら近づいてきた。
「ルシフェルくんの相手なんだが、アリサくんが相手をするそうだ」
「えっ!俺達はいいですけど。いっちゃあなんですがルシフェル結構強いですよ」
すると、ギルドマスターの後ろから
「問題ないですよ。しっかりと見極めますので安心して下さい」
アリサさんがやる気満々で、そう言ってきた。
「アリサさんが、いいなら大丈夫ですよ。ルシフェルもいいよな?」
「私も、しっかりと試験をしてくれるなら誰でも大丈夫です」
両者の、合意が取れた事で試合が始まろうとしていた。野次馬達は、アリサさんが戦うと知ってルシフェルの心配する声が増えた。
俺は疑問に思ってギルドマスターに聞いてみた。
「あの、アリサさんってどれくらい強いんですか?」
「あぁ、アリサくんはこの街の誰よりも強いぞ。私よりもな。しかも、頭一つ抜きん出て」
「えっ!」
さっきまで、散々驚かせてきたが今度は俺の方が驚く番だった。
「そんなに、強そうだなとは思っていましたけどそこまでとは」
「まぁ、見てたら分かるよ」
そう言われて、ルシフェル達の方を向くとアリサさんが
「3人ともしっかりと見ていて。今の貴方達はステータスのゴリ押しで戦っているだけ。どれだけ強いステータスでも扱いこなさなきゃ意味がない。しっかりと見ていて。・・・・準備はいい?」
言いたい事を言うと、ルシフェルに準備はいいか問いかけた。
「はい、いつでも」
そして、試合が始まった。
結果はルシフェルの負けだった。
言葉に、できないほどすごい試合だった。試合中のアリサさんの動きの一つ一つが目を離せなず、試合が終わった直後息をするのを忘れていたのか終わったら大きく息を吸い込んだ。それぐらい、集中して見ていたのだ。
アリサさんが試合が終わりこっちに歩いてきた。
「どう?何が足りないか分かった?」
「はい」
「・・・・・うん」
「分かりました」
俺達は素直に返事をした。
「なら、良かった。この街にいる間、私が貴方達3人を強くしてあげる」
どう特訓していこうか考えている時に、アリサさんからそう提案されて俺達はその申し出を受けた。そうそう、あんな強い人に特訓つけてもらうなんてできないはずなので運が良かった。
「もう1人、一緒に特訓する子がいるからその子の事はまた後で紹介するね」
もう1人同じように受ける人がいるらしく、明日またギルドに来て欲しいと言われた。
一応試験は合格らしく、俺達は無事に冒険者ランクFからDまで上がれた。
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