テンプレ
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俺が、拳から力を抜くと
「ありがとう」
そう言って笑いかけてきた。
「初めましてだね。私はここの冒険者ギルドのギルドマスターのウォーレンだよ。よろしくね」
まさかの、ギルドマスターの登場だった。あまりにタイミングのいい登場の仕方に少し怪しんだ目を向けると
「そう怪しまないでくれ。なんだか強い気配が入ってきたから少し見ていただけだよ」
俺たちは、そんな強い気配なんて出ているか?と顔を見合わせた。
「その様子だと悪い人物ってわけでもなさそうだね」
「当たり前だ。しっかりと門で玉は青く光ったんだ」
悪い人物と思われていたことにムカっとし、言い返すと周りがざわついた。
「ははは!すまない。職業上仕方ないんだ、許してくれ」
「まぁ、それなら仕方ない」
そこまで怒っていなかったので、謝られたのですぐに許した。
「それで、一体何があったのかな?」
俺は一から何があったのか、ウォーレンさんに説明した。
「ならほど。アリサくん、君も見ていたと思うが本当かい?」
「はい、ショウタ様がおっしゃった事は全て真実です」
「そうか、君前にも同じ事やって新人冒険者を追い出したよね?」
流石に、ギルドマスターに問い詰められ顔が青くなっていた。しかもこいつこれが初めてではないみたいだ。まぁ慣れていたのでそうかなとは思っていたが。学習しないな〜とのんびりどうなるか見ていると話がおかしな方に進んでいった。
「で、でも先輩冒険者がいろはを教えるのはよくある事だろ」
「まぁ、確かにあるけど君の場合はやりすぎなんだよね〜、そうだ!だったら飛び級制度の試験官役になってよ!」
「はぁ!?」
ギルドマスターの言葉に、冒険者A が驚いていると
「君たちもいいよね!Fランクから始めると街の雑用しかないから力のある人達には上にいてもらいたいんだよ」
「いや、えっとまずその飛び級制度について教えてもらっていいですか?」
なんだかめんどくさい事になってきたが、一応どういった制度なのか説明を求めた。
「では、私の方から説明させてもらいます。飛び級制度とは、一定以上の力を持った方達がすぐに上にいけるようにした救済措置です。簡単に言うと、力のある人達には魔物の討伐をしてもらいたいんです」
「説明ありがとうございます」
俺は、アリサさんにお礼を言った。
「で、どうする?受けるかい?」
俺は、悩む事なくその話を受けた。
「受けます。下から頑張って上がっていくのもいいけどめんどくさいので。勝手に決めちゃったけど2人もいいか?」
「・・・・いい」
「構いませんよ」
2人からの了承も取れたので改めて受けると返事した。
「よし!なら早速裏に行こう!・・・これで、どの程度か実力がわかる」
わざとらしくテンションを上げるギルドマスターを訝しみつつ俺達は後ろについていった。
置いてけぼりをくらっていた冒険者A も大人しくついてきていた。時折ギルドマスターが後ろをチラッと見ているのでそれが原因だと思うが。
裏には、広い運動場があり軽く結界も張ってあると説明された。
俺達は、どこまで力を見せるか話し合った。
「とりあえず、EXスキルは使うのなしで、ある程度の実力を見せるだけいいと思う」
話し合いが終わり、まず最初に俺が戦う事になった。用意されていた刃の潰された剣を持って真ん中に向かった。
正面に立っている、冒険者A を見るとすごい殺る気でおり、いくら刃が潰されていようが鉄の剣だ当たりどころが悪ければ最悪死ぬ。
きっと、不慮の事故として殺しにくるんだろうなと考えが見え見えだった。
今回、ギルドマスターに乗せられて戦う事になったが多分俺達の実力が見たくてあの場を利用したんだろうなと思っている。
まぁ、飛び級できるならいいかなと思うが一つ気になるのはギルドマスターが前に出てくるせいで気づきにくいがアリサさんがこっちの方を見定める様にした見てくる事だ。
まぁ、考えても分かるわけないので今は目の前の冒険者A にどう勝つか考える事にした。
「両者、準備はいいかな?」
「はい」
「準備なんていらねぇよ」
なめくさった態度をとる冒険者A にカチンときて、どうやった勝つかを決めた。
「では、初め!」
ギルドマスターが、合図をした瞬間
「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
冒険者A は、殺す気を隠す事もせずに突っ込んできた。
俺は、圧倒的に勝つと決めたのでこの一合で終わらせるべく
ステータスによるゴリ押しで接近、相手の剣を半ばから叩き折った。
「へっ?」
冒険者A は、俺がいきなり消えた事に驚きその後に、自分の持っている剣が折られている事に気づき間抜けな声を上げた。剣の先端が上から落ちてきて冒険者A の頬を掠め地面にに刺さった。
野次馬で見にきていた冒険者達やギルドマスターは驚きすぎて空いた口が塞がっていなかった。そんな中アリサさんだけは、厳しい目で見てきた。
一向に審判の判定が行われないのでギルドマスターに
「判定は?」
「しょっ勝負あり!立花くんの勝ち!」
少し言葉に詰まりながらも、ギルドマスターの声が訓練場に響いた。
シーンとした場から、180度代わり周りの冒険者達の歓声がそこかしこから上がった。
そんな中、
「今のはイカサマだ!!ズルをしたに決まってる!インチキな力だ!」
大きな声で異論を唱えた冒険者A に周りの視線が何言ってんだこいつと視線を送るが周りが見えていないのか今もなお喚き続けてる。
何を言っても聞かなそうなので、もう一度だけ戦って完膚なきまでにボコボコにしてやろうかと思い口を開こうとしたら
「・・・・なら、私が戦ってあげる」
騒がしい場所でも、よく通る声でフィーリアがそう言った。
「あ?今はテメェにようはねぇ」
「・・・・私に勝ったら私を好きにしてもいい」
「ほぉ、言ったな。負けても撤回はさせねぇぞ!」
「・・・・けど、負けたらショウタにしっかりと謝ってもらう」
いきなり名前を出された俺は、なぜ?と思ったがフィーリアが怒っている事に気づいた。どうして怒っているのか考えてみたら冒険者A の言動に思い当たる言葉があった。
“インチキな力だ!”フィーリアはこの言葉に怒っているのだろう。
確かに、人から見たら俺の力はインチキと捉えられてもおかしくはない。けど、フィーリアは沢山の困難を乗り越えて今の力がある事を知っているというか見ていた。なので、俺の事を馬鹿にしたのを怒っているのだろう。まるで、自分の事の様に。
俺は、すごく嬉しかった。涙が出そうだったがなんとか堪えてフィーリアに声をかけた。
勝てよとは言わない、勝つ事を信じているから
なら俺が言うべき言葉は
「信じてる」
「・・・・うん」
信じてると言葉にする事だった。
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