閑話 祈り
アクセスありがとうございます!
これで閑話は終わりです!次回からはまた物語が進みます!
その日、長年不仲だった二つの種族の男女が、愛しあった結果一人の赤子が生まれた。
その二人は、その種族の中で人間で言う王族の位置にいる人物だった。
出会いは偶然のものだった。けれど、2人は頻繁に2人で会う様になり遂には子供を授かった。最初は、隠していたが時間が経つにつれてお腹が目立ってきて隠す事はできなくなった。
2人は、正直に話した。長年の不仲だった2つの種族がこれをきっかけに歩み寄れるチャンスなんだと思って。
2人は、物凄く怒られた。その理由は、決して2人の仲の否定的な事ではなく2人の心配、特に子供を身籠った女性の方を心配で怒っていた。
2人は、嬉しかった。最悪、逃げて2人で頑張っていかなければいけないと思っていたから。しかし、そんな事はなく手厚い保護を受け1人の女の子が生まれた。
2つの種族には、特徴的な見た目があった。片方は純白の翼を持ち、もう片方は漆黒の翼を持っていた。
その2つの種族の間の生まれた女の子は、黒と白の半々の翼を持っていた。
女の子の名前はルシフェルと名付けられ、沢山の人に愛されながら大切に育てられた。
見た目の事で、バカにされる事もなく楽しく2つの種族の子供達と遊んでいた。
その光景は、まさに2人が想っていた、願っていた光景で微笑ましく見守っていた。
願わくばこのまま健やかに育ってほしいと想いながら
だが、運命は残酷だった。
昨日までは、普通だったはずなのにいきなりドアを勢いよく叩かれた。何事かと思いドアを開けると、意味の分からないことを言い出した。
半端者は災いを招くだとか、半々の翼など気持ち悪い、ルシフェルを追放しろ!と
そう言ってきたのだ。
意味が分からなかった。昨日までは仲良くしていたのにいきなりこんな事を言うなんておかしいと思い操られているのではと思い解呪の魔法をかけるも変化はなかった。
外の様子を伺えば何処かしこで争いが起きており、昨日一緒に飲んでいた人達もお互い武器を構えて今にも殺し合いをしそうなほど険悪だった。
何が起きているのか全く理解できなかったが、ここにいてはマズイと思い急いでルシフェルと妻を連れて街を離れた。
ルシフェルは、泣きはしないもののずっと不安そうな表情をしていた。
自分の名前を、怒りの声で呼ばれていたら不安にもなる。
2人は、ルシフェルを連れて誰の目にも留まらないダンジョンの中に入っていった。そこで、家族3人で穏やかに生きていくそうなれば良かったが残酷な運命はまだ終わっていなかった。
ふと、お互いの顔を見ると嫌悪を抱くようになったのだ。これに、気付いた時2人でどうにかしてなんとかしようとしたが嫌悪感は段々と大きくなっていき、ルシフェルの事を見れば小さく殺意を覚えるまでに2人の思考は歪んでいった。
きっとこれが、みんながおかしくなった原因なんだと思ったが2人にはどうする事もできなかった。
2人はこのままでは、自分達の手で最愛の娘を手に掛けてしまうと危惧しルシフェルの元から去ることにした。
ルシフェルも、最近の2人に対して違和感を覚えていたのか説明をすれば納得はしてくれた。
そして、2人はルシフェルに祈りを託した。
「頼りない親でごめんなさい。だけど、あなたは私達の希望生きて」
そう言って、2人はダンジョンの中から別々に出ていった。
1人残されたルシフェルは、説明をされ頭では納得できたものの2人がいなくなり寂しいという気持ちは膨れ上がりはじけた。
このままでは心が壊れてしまうと、自己防衛本能が働きもう1人の人格が生まれた。”生きて“と言われた祈りを果たすために。
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