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「七つの大罪の魔人ベルゼブブが命じる 暴食よ 根源の扉を開き 我が願いを叶えろ 命の晩餐」
その瞬間、ベルゼブブの手から光が漏れ出し、その光は地球全体を覆った
「これは・・・」
「・・何が起きてるの?」
全員が、何が起きているか分からない状態のさなかベルゼブブの身体が足から崩壊を始めていた。
広がった光が、収束し祥太の身体の中に吸い込まれていった。その直後
「かはっ」
止まっていた呼吸が、再び再開し祥太は規則正しい呼吸を始めた。
「・・・うそ」
「生きてる!」
周りにいた、フィーリア達は祥太が息を吹き返した事に喜び、周りは祝福のムードになった。
「ふ~」
ベルゼブブは、場所を譲るようにその場を立って離れた。片足だけで
すると、後ろから
「良かったのか?お前はこれで完全に消滅する」
「後悔はしてない。自分がしたと思ったからやっただけだ。自分でも、不思議だよ。まさか、このスキルを自分のためじゃなく人の為に使う事になるなんてな」
「大罪にあるまじき行為だな」
「本当に、だけど。一人ぐらい俺みたいなやつがいてもいいんじゃないかって思うよ」
禍津日神の会話の最中にもベルゼブブの身体は崩壊を続け、既に両足は灰となり片腕も指先から灰になっていっていた。
「これで、最後だ。何か、伝えとく事はあるか?」
ベルゼブブは、既にはっきりとした意識は無かった
「そうだな・・存外、お前の中は楽しかっ・・・たぞ」
そう言った瞬間、ベルゼブブは完全に崩壊しその場には灰だけが残った
「お前は立派だよ。その想い必ず伝えてやるからな。我が名に誓って」
ベルゼブブが使ったのは、暴食の最後の切り札で光を浴びた対象から、一秒の寿命を奪うというもの。この秒数は任意で変えられるが、今回は一秒で奪っていた。
地球全土を覆ったので、一秒だったとしてもそれはものすごい数となった。そのおかげで、祥太は助かった。
たった一人の献身的な犠牲によって、それが例え望まれていなかったとしても
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