惨禍
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「さぁ、始めようか。神の力を見せてやる」
禍津日神が最初に仕掛けた。アスモデウスの方は動揺もあってか対応が後手後手に回っていた。
「くそっ、私だって神になったんだ!!魅惑の魔眼!」
「そんなもの、我にはっ!お主・・・」
「はは、あなたに向かってじゃない。ここには、肉壁となる人間が沢山いる」
アスモデウスは、周りの一般人を肉壁として使い、禍津日神の攻撃を止めた。俺は、一つだけ禍津日神を召喚する上で課している制約がある。それは、
一般人への攻撃を禁ずるという制約だ。その為、禍津日神の身体は本人の意思と関係なく強制的に止まった
「あの屑が・・・」
俺が、助けに入ろうとしたが
「来るな!これは、我の戦いだ!邪魔をするな!!」
「お前なぁ、そんな事・・」
「頼む」
「!??!」
禍津日神は、何と頭を下げて頼んできた。俺はそれに驚いた。
「おやおや、まさか神ともあろう方が人間に頭を下げるのですか!?!?」
禍津日神は、アスモデウスの煽りを一切気にすることなく頭を下げ続けた。
「分かった。けど、それはそのままだからな」
「この程度、余裕だ・・・ぁりがとう」
風の音で、うっすらとしか聞けなかったが禍津日神が俺を言ったのが聞こえた。
「必ず、勝てよ」
俺はそれだけ伝えると後ろに下がった
「はぁ、何ですかその茶番は。神も人に使役されれば牙が無くなるという事ですかね?」
「それは、お主自身で確かめてみるがよい」
「そうですね、少しずつ体に力が慣れてきたんでね。あなたが、災厄の神であるならば、その力を取り込んだ私も言ってしまえば、災厄の神だと思うんですよ」
「何が言いたい」
「だからね、”惨禍”」
アスモデウスが、何かを言った直後地面がいや、地球全体が揺れた
「何をした!!」
俺は、アスモデウスに問いかけると
「なにも、大した事はしてませんよ。災厄の種を芽吹かせただけです」
揺れた直後の世界は
日本の静岡県そこにある有名な山富士山頂上を目指して登っていた観光客や登山家達は突然の揺れに驚き歩みは止まっていた
「なんだったんだ今の揺れ」
「分からない。けど、今日はもう降りた方がいいな」
「あぁ」
長年の勘から、嫌な予感を感じた登山家は降りる事にした。けれど、既に災厄はすぐ後ろに来ていた
ゴゴゴゴゴゴゴッ
「うわっこれは・・・」
登山家が富士山の頂点を見上げた直後
ドォォォォン!!!
休火山だった、富士山は久しぶりにその声をあげた
アメリカの田舎の教会では
「ふ~今の揺れはなんじゃったんじゃ?裏にある墓地が無事か見にいかんとな。壊れて怒って出てこられても困るからな」
とある神父が、裏の墓地を見に行くが特に異常は見当たらなった。
「大丈夫そうじゃな。さて、戻って」
ボコっ
神父が、教会の中に戻ろうとした瞬間後ろから、土が盛り上がる音がした。神父が後ろを振り返ると
「何の音・・・じゃ」
そこには、土の中から這い出てこようとする骸骨達がいた。人間だけでなく、近くの森で死に絶えた動物達の骸骨もいた。
神父は、腰が抜け地面に座りこんだ
「あぁ、神よ どうかそのお慈悲を」
神父にできる事は、自分が信じる神にただ祈るのみだった
ロシア郊外では、晴れていた空に分厚い雲が空を覆ったと思った瞬間小さなハリケーンが発生した。それを、見ていた住人たちは、すぐに消えるだろうと思っていた。けれど、そのハリケーンは徐々に大きくなっていった
「今すぐ、荷物をまとめろ!!」
いち早く、異常を察した家族のお父さんが家族に向かってそう言った。
「どうしたの?お父さん」
「ハリケーンが、近くにあるんだ!」
「どうせ、すぐに消える」
「消えてないんだよ!今もどんどん大きくなってる!!」
カタカタカタ
その間にも、ハリケーンは大きくなっており家を揺らし始めた
「!もう時間がない!すぐに出るぞ!!」
「わ、分かった」
車に、家族全員で乗り込むと
「あなた、どこに行くの?」
「とりあえず、あのハリケーンから離れてから考えるぞ!」
お父さんは、すぐに車を走らせハリケーンから離れるように走った。
後ろに座っていた子供は、窓からハリケーンを眺めていた。未だ、成長を続けるハリケーンを見て子供特有の感覚で何かが起きているのだと感じた
世界中の主要都市や大きな国で、同じような異常が起き始めた。
地球に住んでいた者たちは、絶望した。
もう、終わりなんだと
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