血の契約
読みに来てくれてありがとうございます!
アスモデウスが、消えてから俺達はしばらく放心した後、皇がポツリと呟いた。
「・・・どうすればいい?立花くん」
皇のすがるような、視線を受け止めつつ俺は何も言う事が出来なかった。こればっかりは、フィーリア達も口を挟むことができず見守る事しかできなかった
「ねぇ、あいつがもし本当に地球に行ったとして、お父さんとお母さんや他のみんなはどうなるの?」
「・・・・殺されるだろうな。何が起きたか分からず」
俺は、重たい口を開き皇にそう言った。その言葉を、聞き皇は膝から崩れ落ち泣きじゃくった
「ああああああぁぁぁぁ!!」
そばに赤城が近寄り、皇を抱き寄せたがその赤城も肩が震えており泣いている事が分かった。その場には、重たい空気がどんよりと重く体に圧し掛かった。
そんな時、どこからか声が聞こえた
『・・ぃ、・・・い・・おい!!』
辺りを見渡すと、俺の後ろにうっすらと光る球体が浮いておりそこから声が聞こえた
「なんだ、これ?」
『これとは、失礼な奴め。我は禍津日神だぞ』
どこか、その上から目線な物言いに聞き覚えがあると思ったらまさかの人物だった
「!!!!お前、消失したはずじゃ!」
『我が、そんな簡単に消失するか・・・だが、まぁ後数分すれば本当に消失するがな。そうすれば、お前達が地球に行くこともできなくなるがな』
「じゃあ、さっさと消え・・・今なんて言った?」
俺は、かまっている余裕はなく早いとこ消えてくれと思いながら無視しようとしたが、聞き捨てならない言葉が聞こえた。
『ん?我が消えれば、お前たちが行きたがっている地球に行くことはできないぞと言った』
「!!お前!行けるのか!!」
俺達は、いま藁にもすがりたい思いだったので禍津日神に聞いてみると
『連れていくことは可能だ。だが、今のままでは無理だ』
「何が目的だ」
俺は警戒をしつつ聞き返すと
『我の目的は、さっき決まった。あのくそ野郎をぶっ殺すことにな。けど、このままでは消えてしまう。ので、お前と契約させろ』
「はぁ!!!!??」
どんな条件を出されるのと緊張していたら、予想外の答えに驚いた
『さぁ、どうする?契約して地球にいくか、このまま何もできず生きていくのか』
禍津日神に、選択を迫られたが最初から答えは決まっていた。
「契約する」
例え、自分の命を削る事になろうとも契約しようと思っていたのだ
「立花くん!?」
「・・ショウタ!」
誰にも相談せず俺が即答したので、みんなが驚いた。しかし、みんなを説得している時間は残されておらず
光る球体は、点滅し始め徐々に消え始めていたのだ
『その、潔さ嫌いじゃないぞ』
「誰も、お前に好かれたくなんかないよ。さっさとやるぞ」
そして、禍津日神の詠唱が始まった
『血と血が混じり合い 繋がりは生まれる 今この時太古から受け継がれし契約を始めよう 血の契約』
俺は、球体に自分の血を垂らした瞬間、禍津日神と繋がりができたことが外から見ても分かった。
禍津日神の球体と俺の体の間に赤いひもが繋がっていたからだ
赤いひもが消えると同時に、目の前にいた球体も消え体の内側から声が聞こえた
『契約はなされた、それじゃあ、あのくそ野郎をぶっ殺しに行こうか』
最後まで読んでいただきありがとうございます!
少しでも興味を持った方、続きが気になった方は
お手数ですが、ブックマークと下の方にある☆で評価をして頂いたら励みになります!