閑話 乙女の会話
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私達は、今それぞれ王国の用意してくれた部屋で休んでいる。私は、自分の部屋で休んでいる。身体は疲れていて眠いのに目を閉じればあの時の光景が思い出され眠ることができないでいた。
眠ることができないまま、次の日になり私たちは集められた。そこで、怜奈ちゃん達と王国に戻ってから初めて会った。
「・・・・怜奈ちゃん」
「梨華、大丈夫・・じゃないわよね」
怜奈ちゃんは私の目元を見て。どういう状態か察したようだった。
「今は立花君が生きていると信じましょう」
「・・・うん」
私は、怜奈ちゃんに手を引っ張られ部屋の中に入っていった。私達が、最後だったのかすでに他のみんなは集まっていた。
すると、奥の扉から王様とお姫様が入ってきた。私はふと、お姫様を見ると化粧をして隠してはいるが目元にはクマがあるように見えた。私が、お姫様の事を少し気になっていると
「みんな、よく集まってくれた。今回の事故に関してだが、我々が彼の捜索に力を入れることはない。すまない」
王様は、そう言って頭を下げた。こんなに簡単に頭を下げてはいけない立場の人なはずなのに、開口1番に頭を下げた。
しかし、私の胸の内は穏やかではなかった。怒りに任せて言葉を吐かないように一旦深呼吸をした。
「理由をお聞かせいただいてもいいですか?」
朱堂くんが、私が落ち着こうとしている間に王様に質問した。
「うむ、勿論だ。率直に言おう我々は彼の捜索にいけるほど余力がないのだ。恥ずかしい話だが」
私は、その言葉を聞いて思い出した。1回目の侵攻で大きな打撃をくらったことを。それで、兵士も少なくなったと。
けど、頭では理解できても心が納得できない自分がいた。
「もしかしたらだが、彼は先のダンジョンの更に奥に飛ばされた可能性がある」
「それは、どういう」
「ああ言ったトラップの事故は過去にもあってなその資料によると大体の被害者がそのトラップよりも奥に飛ばされていたんだ。だから、我々は捜索に力を入れれないが君たちならダンジョンを攻略しつつ捜索できるんじゃないか?」
「?!?」
その話を聞き、私は少しだけほんの少しだけ希望が見えた。立花くんはこの広い世界の何処かに飛ばされたと思っていたがあのダンジョンの中ならば私達が助けに行ける。そう思った。危険な状態であることは、変わらないが捜索されないと知った今、自分達が探しに行ける範囲にいてくれる事が何よりの、救いだった。
「・・・なるほど。では、引き続きあのダンジョンを攻略してもいいんですね?」
「あぁ、我々からも頼む」
「頼まれなくてもやりますよ、僕達は勝手に」
「そうか・・・それでな1人彼の捜索に同行したいという者がいてな。その者もを一緒に連れててってくれんか?」
「?いいですけど。誰なんです?」
「それは、明日の楽しみだ」
その会話を最後に、私達は解散明日の為に色々準備したり調べ物をしたりする事にした。大半のクラスメイトが自分の部屋に帰ったが。
「良かったと言っていいか分からないけど、梨華まだ希望はあるわ」
「うん、ここで挫けてなんていれないよ」
「そうね、でもまさかお姫様も一緒に調べ物をしてくれるなんてびっくりだわ」
「私の事は、リリアとお呼び下さい」
あの後、部屋を出たらお姫様、リリアさんに話しかけられてこうして一緒に行動している。
私は、どうしてここまでしてくれるのか不思議に思い、思い切って質問してみた。
「リリアさんは、どうしてこんなに親身になってくれるんです?最初は、私達を召喚してしまったという責任感からかと思っていましたけど明らかにそれ以外の気持ちもありますよね?」
「ちょっと梨華!」
「玲奈ちゃんはしっ!」
リリアさんは、私の質問に苦笑をすると
「私に敬語も必要ないですよ。・・・そうですね確かに別の想いがあるのは確かです」
リリアさんは、はっきりとそう言った。もしかしてと思ったけど、もしかすると思い思い切って質問した。
「立花くんの事が、好きなんですか?」
数秒の沈黙の後
「・・・分かりません。この想いが、どういった想いなのか私自身にも分からないんです。ただ、そうであればいいなと思いながらも私には自由な恋愛は無理なんですよ。いずれ、国の為に婚約しないといけないので」
リリアさんの最初の表情は、完全に恋する乙女の顔だったのに最後の方になるにつれて辛そうな表情になっていた。
私は、玲奈ちゃんと顔を見合わせ同時に頷いた。思いは一緒だった。
「ねぇ、リリアさん。立花くんと何処で仲良くなったの?」
「えっ!え〜と、ダンジョンに行く前日の夜に少しお話しする機会がありまして」
「えっ!夜に!いいな〜」
「梨華、本題から外れてる」
「おっと危ない。そこで、意識しちゃったんだ」
「そう・・・なんでしょうね。あの夜の約束は果たせなくなってしまいましたけど」
「約束って?」
「また、お話ししましょうと約束したんです」
「リリアさん自身が自分の気持ちが分からないって言ってましたけど、私たちからしたらもうそれは好きって事だと思いますよ」
玲奈ちゃんは、ストレートにリリアさんに告げた。
「//////」
リリアさんは、顔を赤くして俯いてしまった。物凄く可愛かった。
「リリアさん、私負けませんから」
「じゃあ、私が第二婦人ですね」
「えっ?」
「ん?」
私がリリアさんに宣言すると、リリアさんは、おかしな事を言い会話が噛み合っていなかった。この世界では、一夫多妻が普通にあるらしい。なので、先程のリリアさんの発言は何もおかしくなかった。
「そっか、1人だけじゃなくてもいいんだ」
調べ物は、全然進まなかったがリリアさんとは仲良くなる事ができた。
こうして、話している間に夜は更けていき嫌な事は忘れ明るい未来の事を考えれた。
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