終決
読みに来てくれてありがとうございます!
「はぁ、はぁ、はぁ・・やったか」
反動で地面に膝をつきぽっかりと空いた穴をみてそこにサシルがいないのを確認した
「やってくれるね・・・本当に」
すると、後ろからサシルの声が聞こえた。振り返るとそこには満身創痍のボロボロなサシルがいた
腕は、もう片方もなくなり足も、片方無くなっていた。俺は立ち上がろうとするが体に力が入らなかった。
「くっ・・そ」
「こんな幕引きとはね。けど、人がここまで僕を追いつめたんだ。誇りに思って死んでいくといい」
「まだ・・だ! ”解けろ”!」
「無駄だよ。さようなら」
「無駄な事なんて・・・一つもない。今のわ・・・お前に向けているんじゃないんだよ!
「なにをっ!」
突然、魔法がサシルに向かって飛んできた。サシルは、何とか避け追撃に備えたがくることは無かった。
魔法を撃った相手の狙いはサシルと俺を離す事が目的だった。
サシルは、魔法が飛んできた方を見ると
「お前は!!」
「やぁ、ずいぶんとやってくれたね。今の君なら、私でも倒せそうだ」
「どうして、お前がここにいる!魔王!!」
「ずっと、頭にかかっていた靄が急に無くなってね。こっちから、声が聞こえると思ったら君が殺そうとしている所だったからね。邪魔させてもらったよ」
「解除はしてないはず!どうして!・・・!さっきのか!」
「遅いんだよ・・気付くのが。ばーか」
「このっ!」
「させないよ!」
サシルが怒り、こっちに攻撃を仕掛けてこようとしたが魔王が牽制をし止めた
「どいつもこいつも、僕の邪魔をしてーーー!!!!」
「君、あいつは、私がやっちゃってもいいのかな?」
「お願い・・します」
俺は、満身創痍で意識を保つのがきつくなってきていた
「いい所をとるようで悪いけど。終わらせてもらうね」
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「死神の鎌」
死神が今度は味方として現れ、サシルの首を易々と斬り飛ばした
「この・・僕が・・こんなとこ・・ろで・・・」
サシルが、あっさりとやられ魔王はこっちに歩いてきた
「さて、君今の自分の現状分かってる?」
俺は声をだす事も、きつくなり頭を少し縦に振る事で意思を示した。
「そうか。なら、いいんだけど。君の命はどんどん削られていってる。あと、数分で死んでしまうよ。私に何かできることはあるかい?私の勘が君を死なせてはマズいと言っているんだ」
俺は、もうどうする事も出来ないと思って頭を横に振ろうとして意識は暗闇に落ちていった
「これは、マズいね。下手に何かをすれば余計に死を早めてしまうが、かといってこのままでは同じ結果に」
どうするべきか、刹那の中で思考をしていると
「魔・・王よ・・」
声が聞こえた
「良かった!意識が・・君は誰だい?」
「今は・・気にするな・・それよりも・・こいつを助けたかったら、そこに転がっているサシルの死体を近くに持ってきてくれ」
「・・・・」
「こいつを殺したくなかったら・・早く・・しろ」
「分かったよ・・今は君の言葉を信じよう。何をする気か知らないが」
魔王は、言われた通りサシルの死体を近くまで運んできた。
「持ってきたぞ。次は?」
「もういい。後は、そこで見ていろ」
「何を・・・?」
「喰らえ 暴食」
少しだけでてきた、黒い靄はサシルの死体をドンドン飲み込んでいった。
「これは・・・君は一体何者なんだい」
魔王は、何もせずただ、目の前で起きている事を見ていた。最後には、サシルの死体は消え、黒い靄は体の中に戻っていった。
「すまないが、しばらくは起きないぞ」
そう言って、安定した寝息を立て始めた。
「命が満たされている、それに、暴食って・・・これは、話を聞く必要がありそうだね」
魔王は、祥太を背負うと懐かしい気配の方に向かって歩いて行った。その道中、上空に特大のある意味を持った魔法を放った。
その意味とは、即刻戦闘行為を停止せよという信号だった。
その魔法を見た、魔族は魔王の命令を守り戦闘を辞め、連合側もいきなりの派手な魔法に気をひかれ止まっていた。
「連合の兵士に告げる!戦闘を一時中断せよ!」
フレンが、魔族側にもう戦う意思がない事を察すると連合側に指示を出した。
こうして、魔王軍対連合軍の戦いは終わった
しかし、あらたな脅威がもうすでにすぐ後ろまで迫っていることに誰も気づいていなかった
最後まで読んでいただきありがとうございます!
少しでも興味を持った方、続きが気になった方は
お手数ですが、ブックマークと下の方にある☆で評価をして頂いたら励みになります!