死神の鎌
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俺は姿の見えたリーリャさんに向かって突っ込んだ。リーリャさんは、もう何をしても陽の光が入ってこない事を理解すると姿を隠すのは諦め迎え撃ってきた。
ガキィン!
俺の刀と、リーリャさんのガントレットがぶつかった。普通だったらここで、暴食の力が働き喰らい始めるのだが、今回は違った結果になった。
刀の方が、喰らったそばから崩壊し始めたのだ。
「なっ!!」
驚き、俺はすぐに後ろに飛びのいた。
「今のは・・」
(あれは、神の力を借り具現化したものだ。その相反する魔の力である暴食はそれを喰らえば内部から崩壊する)
自身の中から、ベルゼブブの声が聞こえてきた。
「助かるよ」
お礼を言い、返事は無かったが今も俺の目を通してこの戦いを見ている気がした。
「さて、という事は・・・いつまでもこの刀はいらないな」
そう言うと、俺は刀を消失させた
「久々に、暴食の力を使わずの戦いだな。弾を生成!硬質化!発射!」
俺は、全方位に弾を造りリーリャさんに向けて撃った。それを、リーリャさんは躱し、躱しきれないのはガントレットと金属の靴で弾いた。
対応されるのは、分かっていたので動揺はせずに地面を強く踏み込みリーリャさんの懐に入った。
「おら!!」
硬質化させた、拳でリーリャさんを殴るが驚異的な体捌きと反射神経でリーリャさんの拳と打ち合う事になった。
「ぐっ」
いくら、硬質化させているとはいえ相手はガントレット。痛みは感じた。それでも、痛みだけで済んでいるのはひとえにステータスとスキルのおかげであった。
俺は、すぐさまリーリャさんの足元に錬金魔法で棘を生成し下がらせようとしたがリーリャさんは金属の靴で棘を蹴り折り逆に距離を詰めてきた
「くそっ・・・なんてね」
ガァァァン!!」」
俺がニヤッと笑った瞬間上から超高速で弾丸が飛んできた。
パリン!
砂ぼこりが晴れると、リーリャさんの片方のガントレットが壊れ肩を押さえていた
何が起きたかというと、最初の弾生成の時に知覚されないほどの上空に生成したものを真下に向けて発射していた。重力に引かれる弾は、どんどん加速していきそのスピードは200Kmに達した。
「ふ~ギリギリ間に合った。危うく自分に当たる所だった。けど、片方のガントレットは潰した」
俺は、構えると逆にリーリャさんは押さえていた手を上にあげ、金属の靴の装備も消し、髪の色も戻っていた。
「えっ・・降参した?でも、いきなりなんで」
ガントレットを壊し、ダメージを与えたとはいえまだ戦えるはずなのにリーリャさんは一向にその姿勢を崩さなかった。
俺は、警戒しながらも暴食による空間の侵食を解いた。陽の光が当たったがリーリャさんの姿は消えずその場にいた。
俺は、このまま見合っていてもしょうがないと、フィーリアの元に向かう為にリーリャさんの横を駆け抜けた。
「ーーーー」」
「!!!」
俺は、フィーリアの元に向かって走っている間、リーリャさんの横を通った時にかけられた言葉を思い出していた
『娘を頼むわ』
元から、正気だったのか、衝撃で戻ったのかは知らないがこの託された願いはしっかりと俺の心に届いた。俺の走る速度は、自然と早まった
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・お父さん強すぎ・・・」
フィーリアと魔王が戦っていた場所は、魔法の余波によりガラス状になっていたり、凍っていたりと天変地異が起きんじゃないかと思わせるほどボロボロだった。
フィーリアも、ボロボロで辛うじて立てている状態だった
そんな、フィーリアにとどめを刺すつもりなのか、魔王はフィーリアに手を向けると
「死神の鎌」
フィーリアの、目の前に死神が現れフィーリアの命を刈り取ろうとした
「・・・ごめん。ショウタ、ここまでみたい」
フィーリアはそっと、目を閉じると己の死がくるのを待った
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