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勇者ではなく英雄に  作者: fusaberu
始まりのダンジョン
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祈りから呪いにそしてまた祈りに

アクセスありがとうございます


想定していなかったヒロインの登場ですが、途中で思いついたので書いてみました!

「・・・・殺して下さい」


天使は、口を開きそう言った。その顔には深い悲しみと共に何もかも諦めた表情があった。


「喋れるのか?」


俺は、取り敢えず殺す前に話を聞いてみる事にした。


「はい、あなた方2人が負荷を掛けてくれたおかげ私が介入できる隙間が生まれ身体の主導権を奪えました」


「奪えたという事は、さっきまで戦っていたのはお前とは違うんだな?あと、どのくらいもちそうなんだ?」


「はい、さっきまでのは私ではなく。ある方達によって願われた()()()()()()()()です。後ろの羽が全て黒くなるまで持ちます。けれど、今度奪われれば次に何があったとしても奪える可能性はないかと。なので、どうか今のうちに私を殺してください」


全てを諦めた、表情で俺にそう言うと目を閉じ殺される瞬間を待った。


俺の答えは


「断る」


一言そう言った。


「っ!?なぜですか!鎖の戒めは解かれてしまったんです!今ここで私を殺さないとあなた達二人や地上にいる沢山の命が犠牲になるんですよ!」


「それでもだ。そんな全てを諦めた顔をしている奴を殺すことなんてしない」


「たった一人を殺すだけであなたや沢山の人が救われるんですよ!一人の犠牲で沢山の命が救われるなら沢山の命の方を選ぶのが正しいって子供でも分かりますよ!」


「その沢山の中にお前がいないだろう」


こうして討論している間にも翼は黒くなり続け、今は白い羽を残すところあと二枚にまで迫っていた。


「だから!私はっくっ!もう持ちません!早く!!!」


「いくら頼まれようと断る。それに、さっきから聞いていればお前の言葉だと俺たちが負けるみたいな言い方じゃないか」


「自分で言うのもなんですが私は強いです。完全に身体を奪われてしまえば先ほどのような隙は無くなります。ですか・・ら・・・」


残すところあと羽数枚にまで迫ってきた。


「そうか。だけどな、そんな泣きそうな顔をした奴殺せるわけないだろう」


俺が言った事で、気付いたのか頬を流れる涙に気付きその涙が止まることはなかった。


「ちがっ!・・・これは・・」


「俺がお前の運命変えてやるよ。名前は?」


「おか・・・しな人です・・ね。後悔・・しても遅い・・ですよ・」


残り一枚


「わた・・しの・・・名前・・は・・・ルシフェル・・・」


名前を名乗ると最後の翼が黒く染まった。


「フィーリア、必ずルシフェルを助けるぞ」


「うん!」


俺は横に来ていたフィーリアに、力強く言い。始めて間のない返事をしたフィーリアだった。


ルシフェルが、目を開けるとそこには先ほどまでの光は無く元の無表情に戻っていた。


「さぁ、第二ラウンドの始まりだ」


天使は、(あの状態をルシフェルと呼ぶのは違う気がしたので天使と呼ぶことにした)初っ端黒い羽を飛ばしてきた。フィーリアが、魔法障壁を張り羽の弾幕を防ぐ。しかし、何重にも張られた障壁は少しづつだが黒い羽によって抉られていった。俺は、今自分が一度に生成できる分だけ弾を生成し撃った。天使はこれを謎の能力によって消し去った。


「ちっ!もしもがあるかもと思ったがそんなことはなかったか」


「・・・一つ試したいことがある」


俺が悪態をついていると、フィーリアそう言った。


「何か気付いたことがあるのか?」


「・・・なんとなくは、だけど確信はないから余計な事は言わない。だから、能力の事は本人に聞くべき。私がやるのはあの能力の無効化」


「できるのか!?」


「・・・・うん。私のスキルなら、もしかしたら、けど時間がかかるしその間私は集中するせいで無防備になる。だからショウタは私を守って」


その言葉から、何のスキルを使うのかを察した。


「任せろ。必ず守ってやる、だから安心してスキルを使ってくれ」


「・・・うん」


俺がそう言うと、フィーリアは強く頷いた。フィーリアにも、ルシフェルに思うところがあったのだろう。環境こそ違えど長い間一人でいた事には変わらないのだから。


「・・・いくよ」


「こい!!」


フィーリアは、スキルを使くことに集中する為に障壁を解いた。まず、迫ってくる羽を、弾を生成し迎え撃ちフィーリアの周りを硬質化させた空気で壁を作り囲んだ。俺はこれ以上羽を撃たせない為に、天使に近づいた。


再び天使の剣と鎌がぶつかり合い、激しい斬りあいが始まった。俺の思惑通りフィーリアの方を向く事なく俺の方にくぎ付けになった。

左、右と斬りかかり偶に弾を撃ち、倒すことを考えず時間を稼ぐ事に集中した。何合か斬りあっていると

ばきっ!と音が鳴った。


鎌が折れた。一瞬の硬直その隙をつかれ、腹に蹴りを入れられた。俺は後ろの壁まで吹っ飛ばされた。何とか空中で体制を整え壁に当たる前に浮遊を使い止まり、硬質化させた空気を蹴り再び接近した。


羽が飛んでくる。俺は見切り避けてそのまま天使の懐に入ると、剣を右から振り下ろしてきたので硬質化空気を何重にも配置割られていき右腕をこれでもかというぐらい限界まで硬くするとそのまま剣を受けた。最初は受け止めれたものの少しづつ刃が食い込み始めていた。


「さっきはよくも勢いよく蹴ってくれたなっと!!」


俺は腕が斬り落とされる前に、左腕でお返しに天使のお腹を殴った。


「ぐっ!」


天使の口から、うめき声がもれ追撃を仕掛けようとした時後ろから


「・・・ショウタ!!いくよ!」


「おう!」


俺は追撃を仕掛けに行き、フィーリアは


「・・・魔力支配!!!」


予想していた通りEXスキルの魔力支配をつかったみたいだ。


「・・・今なら消すことはできないはず!やってみて!」


俺は言われた通り、弾を撃ち出した。天使はいつもの様に消そうとするが弾は消えることなくそのまま天使に当たった。


「!?!?!」


天使は、消せなかった事に困惑し動きが止まった。


今が攻めるチャンス!俺は折れた鎌の刃を拾い錬金魔法で刀の形に形成した。持ち手がむき出しだったが気にすることなく強く握り突っ込んだ。


(今この時フィーリアの援護は、こない。そして、無効化できるのももって数分だろう)


「なら、ここで決める!!」


困惑から立ち直ると、天使はここでフィーリアの方に攻撃を仕掛け羽を飛ばした。


「・・・・」


最初に、硬質化させた空気が羽からフィーリアを守った。もしかしたら、破られるかもしれないのにフィーリアは身動きひとつせずスキルの維持に集中した。


「はっ!なら、その期待に応えないとな!!」


天使は羽を飛ばすのを辞め、黒い羽を空中に飛ばし一体化させ強大な剣にした。当たれば必殺そんな剣が頭上に振り下ろされた。避けることも考えたが、直線状にはフィーリアもいる事に気付きやめた。


「まとめて殺すつもりか!・・なめるな!!錬金魔法!」


持っている剣を、中心にありったけの魔力を使い大きな刀を造りあげ迎え撃った。


「うぉぉぉぉおおぉぉぉぉぉお!!!」


抉られいく刀、足場に亀裂が入りドンドン広がっていった。破壊されるそばから修復していたが追いつかなくなり俺は覚悟を決め自ら刀を形作っていた部分を分解、黒い羽の剣は抵抗するものがなくなり地面と激突大量の砂ぼこりが舞った。


天使は、それでやったと思った瞬間


「喰らえ、悪食!!!」


「っ!?!?」


俺は、押しつぶされることなく砂ぼこりを利用し接近、そして天使の腕を掴み悪食を発動。俺は魔物に使う時みたいに使うのではなくルシフェルの呪いの根幹になっている部分を喰らう為に近づき触れる必要があった。


[所有者が、捕食の選別の意思を確認。対象者ルシフェルの呪いの根幹を喰らいます。警告。これを喰らえば何らかの異常が現れる可能性があります。本当に喰らいますか?」


いつもの様に、頭の中に声が響いたがいつもと違うのは警告をしてきた。どうやら、何かしらの危険がある場合すぐには捕食しないみたいだ、普段なら助かるが今は邪魔だ。


「そんな事どうでもいい!!早く喰え!!!」


[捕食の意思を確認。喰らいます。どうか、お気を付けを]


黒い靄が現れ、ルシフェルの身体にまとわりついた瞬間もの凄い力の奔流が流れてきた。


「くっ!!」


天使は異常に気付き手を振りほどこうとするが、俺は力の奔流に耐えながら決して腕を離さなかった。

羽が段々と白くなっていく途中、誰かの記憶が頭の中に入ってきた。


『ごめ・・・さい・・けど・・たは、・・私達・・ぼう・・・生きて・・』


これは、ルシフェルの記憶。そして、この人がこの人達がルシフェルに祈りを願いを託した人たち。


俺は現実に意識を取り戻すと、腕の中には最初の頃に会った黒と白の半々の翼をもったルシフェルが穏やかに眠っていた。成功したと思うが、ルシフェルが目を覚ますまで油断はできないなと思いながらも絶対に大丈夫だと確信していた。そして、ルシフェルが意識を取り戻した。


「・・んっ・・ここは?」


「さっきぶりだな。ルシフェル」


俺はルシフェルを助けれた事に安堵しながら声をかけた。



最後まで読んでいただきありがとうございます!


少しでも興味を持った方、続きが気になった方は


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