合流
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時間は戻りリリア達は、魔王軍と睨み合いをしていた。
「攻めてきませんね」
ハルは、最初のうちは警戒していたが向こうに攻める気がないのが分かると少しリラックスして休憩していた。
「何故攻めて来ないのでしょう?」
カーラは、魔王軍から目を離さず質問すると
「何かを待っている・・・ような気がします」
「何かですか、その何かとは・・・」
「きっと、彼らの事かと」
「ショウタさん達ですか。生きた心地がしないので早く来てほしいです」
ハルとカーラの会話が終わり、再び静寂に周りが包まれると
遠くの方から羽ばたくような音が聞こえた。
「ん?なんの音でしょう?」
リリアや周りのみんなが音に気付き空を見上げると大きな影が2つあった。
その影の一つが、大きな声で鳴いた。
ガァァァァァァァ!!!
辺りの木々から鳥が飛び立ち、声にやられてふらつく者も出ていた。そして、その影はリリア達の真上まで移動すると一つは、降りてきてもう一つは、突然消えた。
「もしかして・・・」
こんな事をする人に心当たりがあるリリアはもしかしてと期待した。
「よっと、なんとか間に合ったな。それにしてもやり過ぎだよ」
「なっ!お主が景気づけにやれと言ったのであろう!?」
そんなに、離れていなかったのにここ数時間が濃すぎたのか久しぶりに聞くような感覚に陥りながら目を潤ませその名を呼んだ
「ショウタさん・・来てくれた」
「悪い、遅くなった。よく耐えてくれたよ」
そのねぎらいの言葉で、辛かった事が全て吹き飛んでいった。
感動の再会している後ろにもう一つの影の正体、フェニックスが降りてきた。
「フェニックス・・・どうしてここに」
「大丈夫だ、こいつは味方だ」
「リリア!無事だった?!」
その背中から、リリアを心配した皇が飛び降りてきた事でリリアは安心し皇と抱擁を交わした。
「やっぱり生きていたか、ショウタ」
リリアの後ろから、ハルが出てきた。
「お久しぶりです。近くにはいたんですけどね、会う事はなかったので」
「わー!!本当に隊長の言った通り生きているなんてすごいですね!」
「・・!!」
「正直、あの状態でトラップで転移して時点で生きているのは無理だろうと思っていたのに、しばらく経ってから生きていましたなんて報告されても自分の目で確認するまで信じていませんでしたけど、それでも、生きていてくれて本当に良かったです」
アリメアは、最初の方はおちゃらけていたが最後の言葉だけは心にくるものがあった。
「さて、上からも見たけどどういう状況だ?睨み合いなんかして」
「あぁ、彼らはというとより彼が何かを待っていたみたいなんだけど。待ち人はやっぱり君達だったみたいだ」
「?」
「魔王の雰囲気が変わった」
ハルの見ている方向をみるとそこには、本物のフィーリアのお父さんとお母さんがいた。
フィーリアは、フェニックスの上から対岸を眺め
「・・・お父様・・・お母様」
フィーリアが何をどう思っているのか本人にしか分からなかった
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