不死鳥
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対岸に、魔王が現れその存在感に両者の攻撃が一旦止まった。
「あれが、魔王ですか。そして・・」
「フィーリアさんのお父さん」
リリアとフレンは、魔王を見て恐怖ではなく仲間のお父さんが敵にいるという状況に複雑な思いを抱えた。
「早く、ショウタさん達が戻ってきてくれるといいんだけど」
すれ違いで魔国に行ってしまったショウタ達が、少しでも早く戻ってきてくれる事を祈りながら次の戦闘に備えた。
少し、時間を遡りショウタ達は
魔国を出て、来た道を引き返していた。
「もしかしたらもう、戦争は始まってるかもな」
「・・・・その可能性は高い」
その道中、横から何かが飛び出してきた。
「誰だっ!」
「おわっ!ストップ!ストップ!」
攻撃しようとしたら、驚きの声が聞こえギリギリで止めると
「お前は・・」
「ふ〜あぶねぇ〜、いきなり攻撃してくるなよ」
「あなたが、突然飛び出すからですよ。馬鹿」
「あぁ!馬鹿だと!」
「はいはい、言い争わない。すみません、驚かせて」
バーハ達と早い再開をした。
「もしかして、聖国に戻るとこですよね?」
「そうだが、急いでいるから争っている暇はないぞ」
「争う気はありませんよ。私達は、貴方達と一緒に行こうと思ってここで待っていました」
「どういうつもりだ」
「いえ、私達も置いてかれたので少しばかり愚痴を言いに行きたくてですね。それと、ここからより早く戻る方法があると言ったらどうします?」
「・・・・信じていいと思う」
フィーリアの後押しに
「分かった。信じよう」
「ありがとうございます。では、来なさい」
バーハが、一言そう呟くと上空から勢いよく何かが降ってきた。
目を開けると、そこにいたのはでかい鳥だった。
「・・・・不死鳥フェニックス」
フィーリアがその鳥の名前を呟くと、まるで正解だという様に大きく鳴いた。
フェニックスは、大きく鳴いた後バーハの元に近寄り顔をすりすりしていた。それは、子供が親に甘えるているかの様だった。
「フェニックスって、こんなに人に懐くもんなのか?」
俺の疑問にバーハが答えた
「普通は懐きませんよ。私は運が良かったのです。ヒナの時に怪我をしていてそれを助けたらこのように懐かれたのです。近くに親鳥はいなかったので、怪我をした時点で置いてかれたのでしょう」
バーハは、優しい目つきでフェニックスを見ながら嘴を撫でていた。
「フェニ、ここにいるみんなを乗せて飛んでくれるかい?」
バーハが、そう聞くとフェニックスは一声鳴くと体を下げて乗りやすくしてくれた。
しかし、ベヒモスが乗ろうとしたところでフェニックスは鳴きながら後退した。
「何やったんだよ。ベヒモス」
「我は何もやっとらん!心外だぞ!」
俺は、ベヒモスを揶揄いながら乗ろうとしたらベヒモスと同様に後ろに下がった。
「・・・・なぜ?」
「あはは!お主だって避けられておるではないか!」
「どうしてだ!今日初めて会ったばっかなのに!?」
俺が困惑していると
「もしかしたら、あなた方の存在感をフェニックスの本能が感づいて危険だと判断しているのかと」
バーハのその推測を聞いて、その通りかと思った。
「そうか、今は人の姿をしているが我は龍だからそれに気づいて」
「そうだな、それなら納得なんだが、俺はどうしてだ?」
「お主は、ほぼ魔人のようなものだろう」
「あっ、それで」
俺はベヒモスの言葉に納得した。納得はしたが、俺とベヒモスがどうやって移動するのかな問題だけが残った。
「しょうがないのぅ。お主は我の背中に乗ってゆけ」
「なっ!それが、できるなら最初から乗せろよ!」
「うっうるさい!つべこべ言うな!」
すると、ベヒモスは久しぶりに見る龍の姿に変化した。その姿、前見た時から少し変化していた。
鱗は少し銀色が混じっており、何よりしっかりとした翼が左右2枚ずつ生えていた。
「なんか、見ないうちに変わったな」
「観察しなくてもよいから!早くのれ!置いていくぞ!」
「ちょ!まてって」
俺は、慌ててベヒモスの背中に飛び乗った。
この時、俺は龍が自ら自分の背中に誰かを乗せる行為がどういう意味を持っているのか知らなかった。
その意味を知っている、この世界の人間はベヒモスの事を微笑ましく見つめていた。
ベヒモスは、内心人間状態じゃなくて良かった思った。なぜなら、人間状態であれば今頃顔は真っ赤になっていただろうから
そんな一悶着も、ありながら俺達は聖国に向けて飛んで移動を開始した
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