黒白の天使
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俺が、戦闘態勢に入りフィーリアは後ろに下がりいつでも魔法を撃てる準備をした。
俺は、鎖でグルグル巻きなのにどうやって戦うのかと思っていたら、鎖が解かれていきその全身が明らかになった。
性別は女性で、スタイルはよかったが、そんな事よりも鎖が解かれた影響で今まで押さえつけられていたのか、後ろから黒い翼と白い翼が半分ずつの合計6枚の翼が現れた。その姿は芸術的なまでの美しさがあったが、瞳にハイライトがなく表情筋が動かないその様子に美しさよりも不気味さが勝った。
俺とフィーリアは手始めに弾と魔法をそれぞれ撃った。何か、対抗を示すかと思ったが天使はその場から一歩も動かなかった。
その理由は、すぐに分かった。天使に当たる直前に俺達の攻撃が消えたのだ。
「なにっ!」
「・・・・っ!」
目の前で起きた出来事に、俺達は驚き固まったがすぐに硬直から解け動き出したと同時に天使も羽をはためかせ上に飛んだ。上に飛んだ天使は空中に留まると、黒と白の羽を飛ばしてきた。
「ちっ!」
「・・・・!」
俺とフィーリアは、回避行動を取り羽を避けた。飛ばしてくるスピード自体そこまで速くなかったので避ける事は容易かったが問題は、その羽の能力だ。黒い羽が当たった地面は、抉られそこにあった物が消えた。いや、飲み込まれたといった方が正しいかもしれない。そして白い羽の方は、地面に当たった直後爆発した。
凶悪な効果を持った羽が、何枚も当たった事によって地面はボコボコになっていた。
「これは、厄介だな」
一枚一枚強力な効果に加え、どうやら羽が尽きる事はなさそうだった。避けた後に、天使の翼を見ると新しい羽が生えてきていたのだ。
天使は、攻撃した後も空中に降りてくる気配がない。飛んでいる敵に対して俺達は攻撃手段がないわけではないが、先程の俺達の攻撃を消した能力の正体を掴まないといくら魔力があろうと、効かなければ意味がない。
どうしたものかと思い俺は、ガーゴイルから取得した浮遊のスキルを使って接近戦を挑む事にした。フィーリアには、魔法で牽制をしてもらいつつ、天使の能力に穴がないか調べてもらう事にした。
俺は、浮遊を使い天使と同じ高さまで上がり俺は空気を硬質化させ足場を作り鎌を構えて天使に突っ込んだ。天使が俺を向かいうつために、羽を飛ばそうとしたら下からフィーリアの魔法が飛んできた。すると、魔法は消されたが羽を飛ばしてくる事はなかった。俺は一旦突っ込む事をやめ、今の事について考えた。
(もしかして、消す力は他の能力と併用できないのか?試してみる価値はある!)
フィーリアに、目配せをすると同じ考えだったのか頷いた。
俺が突っ込みまた羽で迎撃しようとして、フィーリアの魔法が飛んでくると羽での攻撃をやめ謎の力で消した。
(これは、予想通りだな)
今度は、止まることなくそのまま天使に向かって斬りかかっていった。
天使の手元が光り、収まるとその手には長剣が握られており俺の鎌と天使の長剣がぶつかった。
鍔迫り合いになり、天使の力の方が強く少しずつ押されると不利と判断し後ろに下がろうとしたタイミングでフィーリアの魔法が飛んできた。天使は、魔法を消しその隙に俺は天使の直上に弾を生成し撃った。すると、何故か天使は弾を消すのではなく後ろに下がった。
(なるほど、連発はできないのか)
新たな弱点を見つけると、フィーリアと連携しながら攻めていった。
俺は、弾を撃ったり鎌で斬りかかったりして、フィーリアは隙をみて魔法を撃った。
天使は対応できずに、浅い傷を増やしていった。
(対応力が、なさすぎる。まるで、機械だ)
ステータスは、高いはずなのにそれを扱う本人が全然上手く扱えていない。プログラムされたロボットみたいだと思った。
そして、天使は許容範囲を超えたのかフィーリアの魔法がモロに直撃した。天使は、地面に落下した。
俺も、地面に降り次の戦闘に備えると、天使が起き上がった。
起き上がった天使の姿を見て、俺は目を見開いた。なぜなら、天使の羽が黒白と半々で分かれていたのに今は全ての翼が真っ白になっていた。そして、更に驚くべき事が起きた。
目を開けた天使の目に光が戻っており
「・・・・殺して下さい」
口を開きそう言った。
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