恐怖と戦う
読みに来てくれてありがとうございます!
「結界士の人達に魔力を送れ!!!!!」
「「「「「うぉーーー!!!!!!」」」」」
魔王軍側からの、激しい攻撃により想像以上に魔力の消費が多かった。
「厳しくなると思ってたけど、これは・・・・」
カーラは、周りを見渡し
「後もって数分って所でしょうね」
既に、沢山の市民達がギリギリまで魔力を注いでくれて倒れている。
「応援がつくのが先か、それともこの国が滅ぶのか先か」
カーラは、そこで自分の手が震えているのに気づいた。
「はは、私は目の前の敵に臆して・・・上に立つものがこの様ではいけないと言うのに・・」
拳をギュッと握り、震えを抑えようとするが意識してしまってから恐怖という感情が心の中を支配しようとしていた。
そこに、拳の上から優しくそっと包み込まれた。
「えっ・・・」
カーラが、横を見るとそこにはフレンがいた
「大丈夫、私がいる。みんながいる」
その優しい言葉に、カーラの震えは少し収まっていた。
「でも、私が敵に臆していたら・・・」
「私が思うに、指揮官は少し臆病なくらいがちょうどいいと思ってるの」
「どうして?」
「だって、恐怖を感じなかったら引く指示も出来ないし何より恐怖を感じない人間なんていない。特に前線で戦う兵士なんてその心の中は恐怖で一杯だと思う。けど、戦うのは愛する家族や恋人の為と勇気を振り絞ってる。だから、恐怖は必要難しい事だけど、上手く自分の中で落としこまないといけない」
「フレンは、大丈夫なの?」
「私?私だって怖いよ。このまま殺されちゃうんじゃないかって思う。でもね、私の中にはショウタさんに対する思いがある。それを、思うだけで私は勇気が溢れてくる。ここで、死んでたまるかってね」
「そっか・・・恋する乙女は強いね」
「カーラにも、いずれ分かる日が来るよ」
「来るかな?」
「来るよ、必ず。だから、その日まで生き残らないとね」
「ええ、そうね。生き残らないと!」
「カーラ様!フレン様!結界が壊れます!!」
1人の兵士から報告があげられた。
「分かりました。では、魔法師団、騎士団、冒険者の皆さん。お願いします」
カーラは、待機していた人達に頭を下げ戦ってくれたお願いした。
場はシーンと静まり返り、カーラはみんなの顔を見るのが怖くて顔をあげる事ができなかった。
「顔を上げてくれ!」
「そうだぞ!カーラ様!あんたは堂々と後ろで俺達を見守っていてくれればいい!」
1人の冒険者が、声を上げるとそれに続くように沢山の人達がカーラに声をかけた。
カーラは、驚き咄嗟に顔をあげ固まった。みんな怖いはずなのに生き生きとしていたからだ。
「ねっ大丈夫でしょ。信じる事も大切な仕事よ」
フレンは、カーラにもそう言うと手を強く握った。
「そうだよね。みんな!勝って!明日を生きよう!!」
「「「「「「「うぉーーー!!!!!」」」」」」」
カーラが、元気づけるために言った一言は全ての人に元気を与えた。
衝突の時は近い
最後まで読んでいただきありがとうございます!
少しでも興味を持った方、続きが気になった方は
お手数ですが、ブックマークと下の方にある☆で評価をして頂いたら励みになります!